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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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★2011年まみそ的オーディオ事件 BEST5
 
今年もこの時期がやってきました。
個人的に衝撃を受けたオーディオ機器やオーディオアクセサリーのBEST5を紹介。
機器やアクセサリーによる音質変化、及びそれによる音楽観への影響力等も考慮しチョイス。
 
 
 
ひたすら評判の悪いEdition10だが、個人的には最高峰のスペシャル機。
今までありそうでなかった音。
オーディオ的な味付けを廃し、音楽を直球で伝えてくれる。
一見魅力の無い音なので嫌われる傾向にあるのは悲しい性。
発売当時と比べるとずいぶん価格も下がり手に入れやすくなっているので、物好きさんには一度聞いてみて欲しい機種である。
 
 
3位:オーディオテクニカ50周年
 
日本ヘッドホン界の雄、オーディオテクニカが50周年を迎えた。
オーテクは、ヘッドホン販売をメインにしている企業では筆頭と言っていいだろう。
個人的には良いヘッドホンをいくつも開発しているように思うが、一部過激なアンチが存在する謎なメーカー。
 
今年は様々な50周年記念モデルを発売。
私は記念モデルの中から、ヘッドホン2機種とイヤホンを購入。
正直、50周年という大きな節目なだけに、とんでもない化け物ヘッドホンを期待していた。
しかし、実際にお披露目されたのは無難なヘッドホンで少しガッカリ。
でも音はなかなか良いので好し。

今回のオーテクの無難な記念モデルからも感じたが、奢ったヘッドホンを造る流れがピークに達し、下降線へ入ったように感じる。
QUALIA 010やATH-L3000、EditionシリーズやSR-009、このような高級モデルは、FAのようなメーカーを除けば、しばらく開発されなくなるような気がしてならない。
そう考えると、現存するハイエンド機たちは、稀代の名機種として語り継がれる可能性もなくはない。
今後のヘッドホン界の流れに注目したい。
 
 
4位:STAX 中国企業に買収される
 
ビジネス的には正解、品質的には不正解。
おそらくこの買収劇によってSTAXの収支は大幅に改善されるだろう。

しかし、品質の良し悪しと利益率は比例しない。
品質を落として利益を上げることは十分に可能。
要はコストと利益の最適なバランスのポイントにいかに近づけることができるかどうかだ。

STAXはこの点が下手だったのは事実。
コストがかかりすぎる、価格が高くなる、数が売れない、悪循環この上ない。
しかし、それでこそ維持される品質があったのも事実。

どうなるSTAX?
 
5位:なし
 
 
1位:K3003(AKG)

今年の最大の収穫はAKGのイヤホン、K3003だ。
これしかない。

音が良いと言うよりも、音楽を伝える能力が飛びぬけて高い。
音の流れが秀逸。
ドバーっと音楽の持っている魅力を余すことなく伝えてくれる。
詳細はレビューで書くとして、これは今のうちに買っとけ!と強くオススメする。
生産コスト高そう、高額、売れ難そう、嫌な雰囲気しかない。
生産中止になってからでは後悔するのみ。
 
★2011年総括
 
去年の「2010年まみそ的オーディオ事件 BEST5」での宣言通り、今年は「身近なオーディオ」を実現できた。
外出時はイヤホンで音楽鑑賞、EX1000に始まりK3003で感動。
音楽を聞く時間が格段に増加。
 
ここで宣言すると、実現のために動かなきゃ、となるので今回も宣言する。
来年の目標は

「ブログ記事を12以上書く」

これが今の自分にとってどれだけ厳しいノルマか・・・
というのも、なんと今年は記事を3つしか書いていないのだ。
これは酷い・・・
アクセス数が一日一桁ぐらいなら更新しなくても気にしないのだが、そうでもないので見に来て戴いている方に申し訳ない。
ひと月にひとつは記事を書くように頑張ろうと思う。

オーディオは時間と心に余裕がないと楽しめないもの。
時間に追われている今の自分にはオーディオを楽しむだけの余裕がない。
もっと精進しなければならないな。
いろいろと、頑張ります!

拍手[6回]

 ★はじめに
 
今回の記事は、初めてのスピーカー体験を記事にしたものです。
スピーカー導入→セッティング→何が変わったのか。
流れを追って文章化した結果、無駄に長文になってしまい全文読むのも一苦労かと思います。
「前置きはいいから本題だけ読みたい!」という賢明な判断をされた方は、「★試聴」まですっ飛ばして下さい。
「無駄も又良し!」という気概に富んだ方は、「★初めてのスピーカーサウンド」からお付き合いください。
 
 
★初めてのスピーカーサウンド
 
872a80c4.jpeg初めてのスピーカー。
 
初めてとは言っても、スピーカーの音を聞くのが生まれて初めてというわけではありません。
勿論、今までスピーカーの音は聞いたことがあります。
オーディオを趣味としてから、自宅でスピーカーの音を聞くのが初めてという意味での「初体験」です。
 
スピーカーで初めて音を出した時の率直な感想。
 
「音と自分の間に大きな大きな距離感を感じる・・・」
 
決して良い印象ではありませんでした。
むしろ逆、期待が大きかっただけに落胆したものです。
 
これまでの私は、"ヘッドホン限定オーディオ生活"を送ってきました。
ヘッドホンに慣れた耳にとって、スピーカーの音の違和感は想像以上でした。
ヘッドホンというのは、耳の間近で音を聞くので、音との一体感が強い傾向があります。
その感覚が染み付いていただけに、スピーカーの音は一体感に欠けているように感じ、同時に音楽と自分との距離が遠く感じられました。
 
そしてその音は、大袈裟でも何でもなく、何の感動も無い音でした。
「これがスピーカーの音であり鳴り方なのだ」と考えることで自分を納得させることが、スピーカー経験皆無の私にとっての最善の策。
そんな現実逃避の思考が一瞬過ぎるものの、目の前で展開されるスピーカーサウンドが私を現実へ引き戻します。
逃げられない現実、「最悪の状況」、「どん底」、そんな言葉に考えが辿り着くのに時間はかかりませんでした。
 
いったいどんな音だったのか。
少し細かなことを書くと、ステージは後方に展開し、音に厚みがなくスカスカしており、音がまとまらずバラバラ。
音との一体感が全く感じられず、ただスピーカーから音が出ていることを認識する。
そんなレベルでした。
特に「音がバラバラ」という要素によるマイナスイメージが大きかったのを覚えています。
 
買ったばかりのスピーカー、アンプなので、エージングが進むことで改善されるだろうか?
そう思って3日ほど鳴らしてみましたが、やはり根本的に何も解消されませんでした。
 
ヘッドホンで納得いく理想のサウンドを手に入れた私にとって、このスピーカーから出てくる音は苦痛でしかなかったのです。
 
それ以来、一ヶ月間アンプの電源を入れることはありませんでした。
私の出した答えは、
 
「・・・あんな音なら聞きたくない」
 
音楽を生活の一部としているオーディオファンであれば、この決断がいかに現状の深刻さを物語っているかを察するのは容易いはずです。
 
 
★スピーカーシステムの難しさ
 
P1010531.JPGヘッドホンシステムで使用していたトランスポートやDAC、ケーブル類や電源環境を流用し、それなりのアンプとそれなりのスピーカー、スタンドを用意。
(アンプはLUXMAN L-507u、スピーカーはB&W CM5)
更には、スピーカーシステムのために半年計画で準備してきたオーディオルーム。
正直、「最初からそこそこ良い音が出るだろう」と思っていました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。
 
「これだけのお膳立てがあってこの音かよ・・・どうしろってんだ・・・」
 
お手上げ状態、降参です。
 
様々なセッティング(配置等)を試して音を確認する作業を繰り返し、音を追い込む作業をするのがオーディオ醍醐味、面白さ、魅力。
しかし、この時の私には、オーディオにそこまでの労力と時間をかける気力がありませんでした。
今思えば、あまりの酷い音に気力をゴッソリ削ぎ取られてしまっていたのかもしれません。
スピーカー経験0の私にとって、この難題はあまりにも強敵だったのです。
 
しかし、敵が強ければ強いほど、倒した時に得られる経験値は多いものです。
苦労すればするほど対価を得られるわけです。
北斗の拳でケンシロウがこんな名言を残しています。
 
「お前もまさしく強敵(とも)だった。」
 
敵を倒し、その敵の想いを胸に刻み込み、敵の宿命を背負い、自身の糧とし、成長し、壁を乗り越え、更に強くなる。
 
この台詞はオーディオでも通用すると思いませんか。
オーディオでも、調整技術によってウィークポイントを改善出来たとき、大きくセッティングスキルを上げることが出来ます。
 
さて、話を元に戻しましょう。
この最悪な状況、言い換えれば強敵を倒す必要があります。
倒さなければ、私のスピーカー道は開始と同時に終了という悲しいストーリーを紡いでしまうことになります。
どのような手段を用いて倒すのか、何時その"時"は来るのか。
 
決戦の日は唐突に訪れました。
カイザーサウンドの貝崎氏が、オーディオクリニック行脚の途中に寄ってくれるとの一報有り。
2010年5月21日、私は貝崎氏の力という云わば秘奥義を得て強敵に挑むことになったのです。
なんというタイミング。
結果論になりますが、「このタイミングでこの経験を出来たこと」は、スピーカー道をこれから進んでいく私にとって限りなく最善策であったと言えます。
本当の最善策は、もっと早く貝崎氏に相談することでしたが、このタイミングでも余計な金銭的支出、労力、時間を十分抑えることが出来たのは間違いありません。
もう一月時期が遅れていれば、オーディオの魔の泥沼に足を突っ込んでいたかも・・・
そう考えると、尚更ベストタイミングであったと思えます。
 
 
★貝崎親子来訪
 
P1010542.JPG2010年5月21日。
 
貝崎氏が多忙なオーディオクリニック行脚の合間を縫って訪ねてくれました。
前回の訪問時とは違い、今回は息子の貝崎浄氏と二人での来訪。
浄氏と会うのは今回が初めてです。
同じメタラーということもあったのかもしれませんが、個人的に馴染みやすい雰囲気のある方だと感じました。
 
少し話しが脱線して申し訳ないのですが、
 
「極みに達したときに得られる真理というのは、どんなジャンルでも実は同じなんじゃないか?」
 
そう思うことが多々あります。
なので、私はジャンルを問わず、何かを極めようと邁進している人に非常に興味を持ちます。
そのような人の考えの価値は計り知れません。
 
話を戻すと、浄氏からは、そんな"極"の雰囲気がヒシヒシと伝わってくるのです。
全開でオーラを放つ静雄氏とは異質な"極"の気配、内に秘めたる強固な信念。
幾多のオーディオクリニック経験を糧に、極限まで研ぎ澄まされた超人的な感覚から"極"を感じられる静雄氏に対して、カイザーサウンドの真髄である高度な調整技術を継承しつつも、理知的思考をベースにし、現代的な感性による斬新な発想を柔軟に組み込んでいくスタイルの浄氏からは、理論による"極"を感じます。
私は、浄氏と直接会ったことで、「カイザーサウンドは浄氏にしっかりと受け継がれ、そして進化し続けるだろう。」と感じたと同時に、「商品コンセプトの核になる"理屈"の部分が今後示されていくことで、ローゼンクランツのイメージが少しずつ変わっていくのではないか」とも思いました。
「なんでこんな構造をしているのか」、「なんでこの材質を使っているのか」、理由が明白であり、かつ説得力があるほど信頼度は上がるものです。
 
 
★試聴
 
PICT0535.jpg前置きはここまで、いよいよ本番開始、バトルスタートです。
 
今回のオーディオクリニックは、多忙なスケジュールの合間を縫って来て戴いていたので時間が限られていました。
時間がない!大急ぎでやることやらないと間に合わない!
そんなわけで、到着早々、3人揃って問題の音を早速聞いてみることに。
 
スピーカーから音が出た瞬間、
 
「これは駄目だ」「これは酷い」「100点中の5点」などなど散々な言われよう。
 
いやぁ~、ありがたい。
ここまでハッキリ言ってくれる人はなかなかいないですよ?
自分の抱えていた不安が、酷い音であるという事実を共有できたことで一気に安心感へと変わりました。
貝崎氏は、「今まで経験してきた音の中で5本の指に入るほどの酷い音」と仰っていたので、この音の酷さ具合は相当だったのでしょう。
 
何が悪いというハッキリした原因があるわけではなく、いろいろな箇所が複雑に絡み合って最悪な音になっており、加えて、貝崎氏設計のカイザールームの精度が高いため、誤魔化しが一切きかず、悪い部分がハッキリと出ている状態だったようです。
 
「間違いない、こいつは強敵だ・・・」
 
そう確信しました。
 
 
★オーディオクリニック開始
 
オーディオシステムそのものは一切変更せず、何のアイテム追加もせず、調整技術だけで音を改善していきます。
これがローゼンクランツの真骨頂であるオーディオクリニック。
元々が最悪な状態であったことは、「調整だけでどれだけ変わるのか」を判断するという見方をすれば良かったように思います。
ヘッドホンシステムでは、「セッティング技術による音の改善」を体感できる機会が少ないので、今回の経験はスピーカー初心者の私にとって興味深いものでした。
例えば、スピーカーの位置を変えるだけで音が変幻自在に変わるなんて現象は、スピーカーシステムならではの魅力です。
 
1.スピーカーの配置
 
まずは、おおまかにスピーカーの位置を調整。
クイクイと適正位置へスピーカーを移動させると、明後日の方向へ向かって出ていた音が、とりあえずではありますが前へ向かって出るようになったのです。
相変わらず酷い音のままですが、音の出る向きが前になっただけでも大きな収穫です。
ここでは、スピーカーの配置の重要性を学びました。
 
 
2.スピーカーの足場
 
次に、スピーカーの下に置いていたアピトンボードを外しました。
オーディオルームを設計する際に、壁だけでなく床や天井材も考えて戴いていたので、「しっかりした床があるので、これならボードを使用しないで直接置いたほうが好結果が得られそう」という理由からボードを除去。
 
更に、片方のスピーカースタンドの天板の前後の向きが逆とのことで、天板を外して前後を入れ替え。
その時に、スピーカースタンドのネジを加速度がつくように配置換え。
ネジの配置換えは左右両方行っています。
そして、その状態で今一度スピーカー、加えてオーディオラックの位置を調整。
 
結果、"1.スピーカーの配置"の時に「とりあえず」前へ出るようになった音が、今度は「ハッキリ」と前へ迫ってくる感覚を得られる程に改善。
 
バラバラだと感じていた音が、同じ方向を向いて音を出すようになって統一感が出てきたのです。
音のバラバラ感は、初めてスピーカーの音を聞いたときに最も嫌な感覚を受けた要素ですから、この点の改善は音楽を楽しく聞く上でとても有効、かつ私にとって大変嬉しい変化です。
 
また、音がまとまり統一感が生まれたことで、低域から高域までの繋がりが良くなり、ダイナミックレンジが改善、音の流れ、抑揚も顔を出してきました。
僅かではありますが、ローゼンクランツの特徴である生々しい音も感じられるようになり、今後の展開に期待を抱かせます。
 
そんなわけで、「聞くに堪えない音」から「なんとか聞ける音」へステップアップすることができました。
この時点で、ようやく「部屋を使って音が鳴るようになってきた」と感じたのも一つの変化です。
 
 
3.オーディオラック
 
次に、オーディオラック内の機器の入れ替えを行いました。
元々は、基本に従って上流機器から順に下段から上段に向かって設置していました。
それを、DACとヘッドホンアンプの位置を入れ替え、最下段から「トランスポート→ヘッドホンアンプ→DAC→スピーカーアンプ」という順に変更。
 
結果、何が変わったのかよくわかりませんでした。
 
本音を書くのがまみそぶろぐ。
若干全体のパワー感が増したようにも感じましたが、「言われてみればそうかも」レベルの変化だったので「変化した」と言える確信が持てません。
 
 
4.スピーカーのトルク調整
 
次はスピーカーのトルク調整です。
先に言っておきますが、コレは凄かったです。
 
ローゼンクランツの技術の結晶と言っても良いのではないでしょうか。
今回のクリニックで一番衝撃を受けたのが「スピーカーのトルク調整」です。
ちなみに、この技術の延長上にあるのが、スピーカーのパーツを全て加速度がつくように組みなおす「スピーカーの加速度組み立て」になります。
大きな効果を期待できるので、もし将来オーディオクリニックを貝崎氏に依頼することがあるのなら、何よりも先に加速度組み立てをしてもらうのがベストだと思います。
 
さて、何をしたのかと言えば、簡単に言えばツイーターやウーハーのネジを締めなおしただけです。
拍子抜けするぐらいに些細なことだと思われるかもしれませんが、こんなに軽く言ってしまうのは失礼であると思わずにはいられない職人技なのです。
渾身の集中力でもって微妙なネジの締め具合を決めていく様を見ていると、こちらまで神経を削られるかのようです。
現場の緊張感も高まり、ピリピリしたムードでした。
 
具体的には、音抜けの良い順番にネジを入れ替え、そして独自の技術でもってあえてネジを緩めたりしつつ、ネジのトルク調整でもって音をコントロールしていきます。
ここまで書いてしまって良いのか?と思われる方もいるかもしれませんが、誰にも真似できるようなものではないので問題ないでしょう。
これだけの技術を持った職人が、今のオーディオ業界にどれだけいるのでしょうか。
実際に現場に立会い、百戦錬磨の経験を積んできたからこそ得られる神技です。
 
結果、ローゼンクランツの音が開放されました。
 
何だそれは?意味がわからない。
という方には、是非とも過去のローゼンクランツ関連の記事を読んで戴きたいです。
生々しく、音が綺麗に流れ、抑揚があり、ダイナミックで迫力ある生きたサウンド。
低域から高域まで、全ての音の足並みがビシっと揃っていてキレのある音。
迫力と実体感、スピード感、キレを備えた低域。
ロック向きとは言えないスピーカー B&WのCM5で、これだけの低域を表現できるのは異様な光景かもしれません。
 
また、音が前から迫ってくるという域を超え、部屋全体を使って音が鳴るようになりました。
まるで良質なヘッドホンで聞いているかのような音楽と体の一体感。
音に包まれるという、以前頭の中で想像していたスピーカーサウンドが今現実のものとなったのです。
 
システム側で作り上げたローゼンクランツの音が、しっかりと出てくるようになったのです。
スピーカーは音の出口、その出口に詰まっていた栓がスポンと取れたかのようです。
楽器や声が生々しく、そして空気感や雰囲気がよく伝わってきます。
 
ヘッドホンシステムで一番重要なのはヘッドホンですが、スピーカーでも同じなんですね。
音の出口、ココで全てが決まると言っても過言ではないように思います。
いくら良い音をシステム側で作っても、その音が出てこなければ意味がありません。
 
少し余談になりますが、今回調整を行う際に使用した楽曲はほとんどがへヴィーメタル、ロックでした。
トルク調整作業をして戴いた浄氏は、メタル愛好家でスラッシュメタルが大好きだと仰っていました。
そんな背景もあって、私の好みを正確に把握してくれたように思います。
スピーカーのトルク調整によって、ロックに合うダイナミックかつキレのある攻撃的な音に仕上げてくれました。
メタル特有のグルーヴ感を含んだタメのある縦ノリを見事に再現出来ている点は見事としか言えません。
 
途中、上空にキラキラと音が広がるようなサウンドも聞かせてもらい驚いたものです。
トルク調整で自在に音をコントロールできるなんて、、、まるで魔法、不思議な体験でした。
このトルク調整による音の変化は、私のような常人でも十分感じることができるので、実際に目の当たりにすると驚きや感動や楽しさを得られると思います。
 
この時点で、もう十分に満足いく音に仕上がっていました。
しかし、このオーディオルームにはまだまだ潜在能力があるようです。
私の「伸び白はまだありますか?」という素朴な質問に、「勿論、まだまだ良くなる」と断言してくれました。
浄氏は、「スピーカーにインシュレーターを使っていない状態でこんな音を出されてしまってはウチとしては困る」と笑っていましたが、この言葉によって改めて「凄いオーディオルームを作ってくれたんだな」と実感すると同時に、「インシュレーター等を使えば数段良くなる」という更なる向上を期待させる嬉しい言葉でもありました。
 
 
★課題
 
ここまで音を仕上げて、自分の好みと照らし合わせて見えてきた課題があります。
それは、音が綺麗すぎること。
おそらくアンプとスピーカーが原因だと思うのですが、今の音は僅かに美音系です。
もっと汚い音、歪んだ音、乾いた音を出すことを目標に、今後音を追い込んでいきたいと思っています。
 
 
★SP-Rosenkranz
 
現在のローゼンクランツの最高峰スピーカーケーブルを体験させて戴きました。
SP-Rosenkranz、ローゼンクランツの名を付けているところから、その音への絶対的な自信が伺えます。
 
SP-3EXというローゼンクランツのSPケーブルからSP-Rosenkranzへ。
 
クオリティー的に大差は無いように思います。
何が変わったかと言えば、特に感じたのが音の流れ、そしてタイミング。
流水の如くなめらかに音が流れ、それでいて止まるところはビタッ!っと止まり、スッっと動き出す。
その一瞬一瞬のタイミングの揃い具合が凄いのです。
それによって、音楽、ニュアンスを今まで以上に手に取るように感じられます。
 
このタイミングの改善が効果を発揮するのはロックや打ち込みでしょう。
あらゆるリズム感に柔軟に適応し、ジャンルに合ったベストな鳴り方をしてくれます。
このあたりにローゼンクランツの新たな流れ、息吹を感じます。
 
また、より音が自然になる、加工された感がなくなるのもローゼンクランツの支配力が上がっていく時の特徴です。
先ほど「★課題」で述べたような美音感も減少します。
打楽器の弾ける音、管楽器の音、絃を引く音、生演奏では決してとろけるような美音にはなりません。
なんとも表現し難いですが、素を内包したという意味でリアルな音です。
ローゼンクランツの支配力が上がると、悪い言い方をすればどんどん味気無い音になっていき、それがリアリティーを生み、逆に人間が本来持つ味を引き出します。
 
SP-Rosenkranz、フラグシップモデルに相応しい素晴らしいケーブルです。
 
 
★進化するカイザーサウンド
 
ac2.jpg「★貝崎親子来訪」で少し触れましたが、浄氏と出会い話を聞くことで、カイザーサウンドの進化は加速するばかりだと感じました。
最近のローゼンクランツ製品を見てみると、実は浄氏の作品で溢れています。
インシュレーターで言えばPB-COREという製品は、今までのローゼンクランツからは想像し難い「全てをありのまま吐き出す」というコンセプトに基づいて設計されています。
また、トランスポートやDAC、アンプやタップなど、用途別に用意されている電源ケーブル、これもまた新しいローゼンクランツを象徴しています。
ケーブルの設計図を見せて戴いたのですが、数学の行列を思わせる構造図が描かれており、「何気なく使っているローゼンクランツケーブルの中が、こんな複雑な構造になっているなんて・・・」と唸ってしまいました。
このような理論に裏打ちされた製品を見ていると、まだまだ斬新なオーディオアクセサリーが出てくるだろうと安易に予想できるというものです。
自分の考えを狙い通りに形にする能力を浄氏は持っているのですから。
 
もうひとつ面白いお話を聞かせて戴きました。
貝崎親子による、I'veサウンドをひたすら流しながらのドライブです。
「え?」ってなりませんか?
ローゼンクランツはカーオーディオも展開しており、その中で打ち込み系音楽の探求がされていたのです。
ローゼンクランツとI'veサウンド、まさかこの二つのキーワードが繋がるとは誰が想像しましょうか。
へヴィーメタル、しかもスラッシュメタルとローゼンクランツに強い繋がりがあっただけでも十分衝撃ですが、I'veサウンドはそれ以上です。
 
これらは全て、最近のローゼンクランツの流れである「全てのジャンルに対応する製品」を実現するためです。
クラシックだけ上手く鳴る、ロックに向いている、打ち込みが苦手・・・
こんな得手不得手がある製品は、不便極まりないのは当然のこと。
誰もが、一つの製品で全てのジャンルで良さを発揮させたいに決まっています。
 
インシュレーター、ケーブルだけに留まらず、様々なオーディオアクセサリーにこの流れは波及していくでしょう。
 
 
★最後に
 
長くなりましたがいよいよ最後です。
ここまで読んで戴いた方には感謝感謝です。
 
今回の経験で一番感じたのは、スピーカーシステムのセッティングの重要性と難しさです。
ポンと置いただけでは良い音が出ない・・・それがスピーカーシステム。
良い音を作り出すために必要な経験値、スキルが、ヘッドホンの世界とは段違いであることを知りました。
 
今の私には、残念ながら一人でセッティングによって音を自在に操るスキルはありません。
これから学んでいかなければなりません。
 
スピーカーにおいて、そして自分にとって、何が正解で何が間違いであるかがわかりました。
スピーカーシステムで目指すべき方向性が定まったので、これからは道を間違えずに進んでいけそうです。
 
今の私からアドバイス出来る事があるとすれば、「スピーカーはセッティング次第で改善可能である!」こと。
自分の好みの音とは違うから新しい機器を買う。
それは最終手段であって、その前にセッティングを煮詰めるステップが必要不可欠です。
限界までセッティングを試行錯誤した上で、どうしても納得いく音が出ない場合に、初めて新しい機器の購入という選択肢があるように思います。
今あるシステムを最大限活用しましょう!
きっと、まだまだ潜在能力を秘めていると思いますよ。

拍手[15回]

★ローゼンクランツユーザーへインタビュー

ローゼンクランツユーザーの生の声というのは、いざ探してみると想像以上に少ないことに驚かされる。
実際、Webサイトやブログでローゼンクランツのレビューやインプレを書いている人は極めて少ない。

「ローゼンクランツユーザーの生の声をもっと発信していきたい」

そんな想いから今回の企画を立ち上げた。
まずは、今回のインタビューの対象者(以下"I氏")の紹介を少ししておこう。

レコーディングエンジニア、かつ楽器の演奏者でもあるオーディオファン。
私の学生時代からの友人のバンド仲間、という一風変わった繋がりもあったりする。

ローゼンクランツケーブルに総入れ替えしたという情報を聞き、音の感想をインタビュー形式で聞いてみようと思い立った。

1時間半にも及ぶインタビュー・・・と言うよりはオーディオ談議の内容をザックリ文章化してみたので、少し長くて申し訳ないが、ローゼンクランツに少しでも興味のある方には是非ご覧戴きたい。


★I氏の自宅オーディオシステム

トランスポート:ESOTERIC P-70
DAC:ESOTERIC D-70VU
プリアンプ:Accuphase C2400
パワーアンプ:Accuphase A-60
スピーカー:DALI MS5


★ローゼンクランツを導入しようと思ったきっかけ


まみそ「はじめまして、今日はよろしくお願いします。質問という質問は考えていないので、適当な感じでよろしくです。」

I氏「こちらこそよろしくお願いします。楽しみにしていました。」

まみそ「まずはじめに、ローゼンクランツを導入しようと思ったきっかけは何ですか?」

I氏「以前車関係の仕事をしていた時に、お客からカーオーディオとしてのローゼンクランツの話を聞いたんです。」

I氏「それから何年か経って、まみそぶろぐでローゼンクランツの記事を見たんです。そーいえばそんなメーカーがあったなぁ・・・、と何気なしにオークションでPIN-RGB1を購入しました。」

まみそ「怪しいメーカーだと思わなかったんですか?」

I氏「思いました。」

まみそ「ですよね~。」

I氏「なので、オークションで安いやつを試しに買ってみたんです。」


★PIN-RGB1

まみそ「で、どうでしたか?PIN-RGB1は。」

I氏「PIN-RGB1を入れた時が一番変化が大きかったです。今思えば最初にして最大の効果でした。」

まみそ「どのような変化でしたか?」

I氏「音に熱さが生まれましたね。」

I氏「オーディオグレード的(音質的)には決して高いとは言えない音なんですが、音に熱気が生まれ、演奏者がなぜ演奏しているのか、その理由が伝わってくるようになったんです。」

まみそ「高音質を目指せば目指すほど、クリアーで解像度が高く細やかで綺麗な音になっていく傾向が強いように私は思うのですが、そこにグっと"熱"、言い換えれば息吹、生命感を注入してくれる感じですよね。」

I氏「レコーディングなどもかなりの数をやっており、CDに収められる限界と言うものといつも戦っています。本当はマスターのCDをみんなに聞いて欲しいと思ったりもします。そこにかなり近づけるのがこのケーブルでした。」


★PIN-RL(Limited)

その後、I氏はPIN-RGB2を導入する過程を経て、 PIN-RL(Limited)を導入。

まみそ「ここでケーブルのグレードがアップしましたね、どうでしたか?」

I氏「このケーブルを入れたとき、正直パっとしない音でした。音に熱気はあるのですが、スピード感が遅くなり、派手さの無い音になったんです。」

まみそ「他のケーブルとのバランスが崩れてしまったんですかね。」

I氏「そうかもしれません。オーディオ仲間にローゼンクランツの音を聞かせたとき、"よりグレードの高いケーブルを1本入れようとする人"と"入門モデルを全ての機器に導入しようとする人"がいました。」

まみそ「ローゼンクランツは全体で音を作る傾向が強くて、全体の統一感、バランスを重視するから、その場合入門モデルでも全部に入れたほうが良さそうですね。」

I氏「そうなんです。1本だけハイエンドなケーブルを入れるとバランスが崩れるようです。」


★PIN-RL(Limited)2本目 + AC-RL Limited

そこへ、PIN-RL(Limited)2本目を導入。

I氏「PIN-RGB2を導入して感じた事が倍になったように感じました。音場、S/N、有機的、そんな言葉を必要としない音ですね。とにかく好きな音楽を聞くことに集中できる音。音をチェックする為や、好きなギターの音を聞くのではなく音楽を聞くのです。音楽家にとってこれ以上の幸せはありません。」

まみそ「2本目のLimitedを入れることでバランスが整ったんでしょうか。面白いですね。」

I氏「続いて電源ケーブルAC-RL Limitedを入れました。これは凄かったですね。ローゼンクランツ色が強まるということはないんです。ただ、数日経ってから元のケーブルに戻すと・・・絶対に元には戻れないと思いました。」

まみそ「私も、ローゼンクランツのケーブルを増やしていく中で、その変化が微小だと感じることは多々ありました。ローゼンクランツは常に同じ方向を向いて音が完成に近づいていきますから、音色も音の方向性も全く変わらないため、激変と言えるような変化はありません。ただ、その中で"音楽性"であり、音のアタック感や躍動感、抑揚などが向上していくんですよね。ある意味小さな変化、ある意味大きな変化だと思います。」


★SP-5EX(Perfect)

I氏「次に入れたのがスピーカーケーブルです。これは凄い変わりました。」

まみそ「このモデルは現行モデルじゃなくて以前のリファレンスケーブルですね。」

I氏「そうですね。このケーブルを入れることで、リズム感が非常に改善されて生き生きとしたサウンドになりました。」

 
★AC-RL(Limited) + AC-RL(Maximum) + AC-RL(Maximum)

そして、電源ケーブルを次々に導入。

I氏「ここでは、ケーブルを入れれば入れるほどバランスが整っていく感じでした。」

まみそ「同じ音の中で、その精度が増すと言いますか、洗練されていく感じですか?」

I氏「そうですね。常に同じ方向性でブレることなく改善されていきました。」

まみそ「私も全く同じ感想です。全体で音の完成度を高めていくというのがよくわかりますね。」
 

★DIG-kaiser Sound

最後に導入したのがデジタルケーブル。

まみそ「私のときは、正直何が変わったのかよくわからないぐらい微小な変化でした。」

I氏「確かにデジタルケーブルを入れたときの変化は小さかったです。でも、その後また元に戻してみたら、ここでもまた絶対に戻れないと感じましたね。」

I氏「よく生の演奏が目の前に・・・とか言うじゃないですか。でも何て言うか・・・」

まみそ「そうそう。私もブログでそれを丁度書いたばっかりで、"生の演奏が~"という言葉で片付けてしまうには勿体無い、そんな音なんですよね。」

I氏「そうなんです。とにかくかなり本物に近い音になっていると思います。」

まみそ「デジタルケーブルは音の変化は小さいものの、音の嘘臭さがなくなる感じですよね。」


★スタジオでのローゼンクランツ

まみそ「スタジオではどのようにローゼンクランツケーブルを使っているんですか?」

I氏「スタジオというのは基本的に常時使用しているため、間があくことがありません。そのため、途中でケーブル等で音を大きく変えてしまうと仕事にならないんですよ。今まで基準にしていた音が変わってしまうわけですから。」

まみそ「なるほど、もし変えるとすれば、数週間の間が空いたときに全て入れ替えてしまう必要があるんですね。」

I氏「そうです。ただ、スタジオは何百本というケーブルがあるので、金銭的にも無理な話です。スタジオではケーブルや機材が多いので、オヤイデやAETなどなど、複数のケーブルが混ざって使われています。」

まみそ「そんな中にローゼンクランツを入れるとどうなるんですか?」

I氏「レコーディングでは声質に合わせてマイクを換えたり機器を繋ぎ換えたりするのですが、それと同じようにローゼンクランツのケーブルを使用して音を作るんです。ローゼンクランツのケーブルを使うと音が太くなるんですよ。」

まみそ「アクセントとしてローゼンクランツの味を付け加える感じですね。」

I氏「そうです。ただ、スタジオで使うのと自宅で使うのとでは効果が違うんですよね。機器との相性などもあると思うのですが・・・不思議です。」

まみそ「音が太くなるのはローゼンクランツの特徴なのか、それとも機器の特性がより強く出た影響なのか、どちらなんでしょうね。そーいえば、スタジオを全てローゼンクランツに、なんて考えたことはないんですか?」

I氏「それはないですね。仕事にならなくなるので。ローゼンクランツは音を生っぽく、本物のようにしてしまいます。なので、スタジオで本物のような音を作ってしまっても、自宅で聞くと無機質な音に・・・なんてことになっては困りますから。例えば、ローゼンクランツは響きも含めて音をコントロールしますが、スタジオは吸音して所謂デッドな音になるようにします。」

まみそ「そうすることによって、万人受けする音作り、誰もが聞いて第一印象で良いなと思えるような音作りがしやすくなる、音を自在にコントロールしやすい、そんな感じですか。」

I氏「そうですね。」

まみそ「自宅は自分が楽しめる音を作る。スタジオでは万人受けする音作りをする。ここに自宅とスタジオの音作りの決定的な違いがあるんですね。」

I氏「そうです。以前自宅でJBLのスピーカーを使っていたことがあるのですが、確かにスタジオと同じような音にはなるんです。ただ、疲れるんですよね。家でまでこんな音でいいのか?家ではもっとくつろげる音にしたい、そう思って今のDALIのスピーカーに換えました。」


★ローゼンクランツの一番の魅力は何?

まみそ「そろそろ締めに入っていきたいと思います。ローゼンクランツの一番の魅力は何だと思いますか?」

I氏「"音楽"を味あわせてくれること、ですかね。」

I氏「音楽に対する姿勢、考え方、さらには生き方、人生にまで影響する音だと思います。同じ読み方でも字が違ってて意味が異なる言葉ってあるじゃないですか。ローゼンクランツの音は"音楽"でもあり"音学"でもあると思うんです。音から学ぶことが多くなったように思います。」


★ローゼンクランツの音を知ることで自分の中で音楽観の変化はありましたか?

まみそ「ローゼンクランツの音を知ることで自分の中で音楽観の変化はありましたか?」

I氏「嫌いなジャンルがなくなりました。」

まみそ「どんなジャンルでも楽しんで聞けるようになったということですか?」

I氏「そうですね。奏者がなぜ演奏しているのか、その意思が伝わるようになったことで、今まであまり聞いていなかったようなジャンルでも、音に入り込める、音と真摯に向き合えるようになりました。どんなジャンルでも音を理解しようとするようになりましたね。」


★客観的に見てローゼンクランツは怪しいと思いますか?

まみそ「客観的に見てローゼンクランツは怪しいと思いますか?」

I氏「怪しいです。あのWebサイトは損をしているように思います。何も知らずに購入するのはいいと思いますが、あのサイトを見てしまうとひいてしまいますね。」

まみそ「ローゼンクランツの理論って一般的なオーディオ理論とは根底から違っているから、ほとんどの人が理解できないでしょうね。特に方向性なんかは普通の人には全くわかりませんから、普通に考えてオカルトだと捉える人ばかりでしょう。」

I氏「ただ、一度はまると全てをローゼンクランツで揃えたくなってしまう魔力を持ってますよね。貝崎さんとは是非一度会ってみたいと思っています。」

まみそ「是非会ってみてください。物凄いエネルギーを持った人です。オーラがある。音楽にかける情熱は凄いものがありますよ。」

I氏「会いたいですね。私は全てを同一メーカーでそろえることに抵抗がある(怖さを感じる)のと、現状の音に満足しているので、これ以上変える必要はないと思っています。ただ、もっと良くなるのだろうか?という想いもあるので、数ヶ月時間を置いてから貝崎さんにオーディオクリニックをしてもらおうと思っています。あと、今までは中古で買ってきたので、本来の値段を出していません、本来の値段で購入することで感動の大きさも変わってくると思うので、次は直接購入したいですね。」


★ローゼンクランツ導入を迷っている人へ一言

まみそ「最後に、ローゼンクランツ導入を迷っている人へ一言お願いします。」

I氏「まずは入門モデルを実際に体験してみてほしいですね。」

I氏「入門モデルは3万円程度で購入できるので、決して手が出ない額ではないでしょう。そこで熱い何かを感じるか否か、それで決断すればいいのだと思います。そこで音質ではない"音楽"を感じとれた人は、ローゼンクランツの道を進み始めるのだと思います。」

I氏「オーディオ仲間を家に招いてローゼンクランツの音を聞かせると、好きと嫌いが綺麗にわかれるんですよ。ローゼンクランツを使用した時の音が好きな人もいれば、使用していない状態の音のほうが好きな人もいるんです。」

まみそ「単純に好みの話なので当然ですよね。良い音の基準、良い音の考え方は人それぞれ違います。事実、高音質を追求する人が多くいて、それはそれで凄い良い音なのだと思います。」

I氏「少しオーディオとしての経験を積んで、いろいろな音を知ってからローゼンクランツの音を聞いたほうがいいのかもしれません。」

まみそ「実はそれと同じことを何人かから聞いています。いろいろな音を聞いてきて知っているからこそ、ローゼンクランツの音の何が良いのかがわかるのだと。確かに、普通に考えれば最初は"高音質"を目指してしまいます。私も実際にそうでした。音質から入ってしまう時点でローゼンクランツの良さは理解できないように思います。」

I氏「そうですね。音楽と音質の違いを判断する意味でも、興味のある人にはまず入門モデルを使ってみてほしいです。」

まみそ「このインタビュー企画で少しでもローゼンクランツに興味を持ってくれる人が現れてくれたらいいのですが・・・。今日は本当にありがとうございました。」

I氏「こちらこそありがとうございました。」

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★はじめに

近代ヘッドフォン界において希少な存在であるコンデンサー型ヘッドフォンを作り続ける日本の匠STAX。
そんなコンデンサー型ヘッドフォンをまみそが超主観でもって考察してみる。

★まみそ的STAX考察

人間は正確な音を良い音だと感じるのだろうか。
私はそうは思わない。
良い意味での歪みがあると人はそれを心地良いと感じるものである。
代表的な例が真空管アンプで、真空管アンプは決して正確に音を増幅できているとは言えないが、その不正確さが味となり心地良さへと直結している。
これと同じ感覚を私はコンデンサー型ヘッドフォンに感じる。

高性能なダイナミック型ヘッドフォンが存在する今、STAXに性能面での優位性は無いと私は考えている。
ではSTAXの何に魅力を感じるのか。
それこそが先ほど書いた「不正確さからくる心地良さ」である。

STAXだけが生み出すことのできるひとつの特徴がある。
コンデンサー型ヘッドフォンにはダイナミック型ヘッドフォンには無い「刹那のタメ」があること。
この「刹那のタメ」はSTAXの最大の利点でもあり最大の欠点でもあると私は思うのだ。
バランス化したダイナミック型ヘッドフォンを使用している人は、ダイナミック型ヘッドフォンとコンデンサー型ヘッドフォン比較することで、特に低域でSTAXにおけるタメの感覚を理解しやすいと思われる。

良くも悪くもコンデンサー型ヘッドフォンは瞬発力に欠けるわけだ。
これは音の立ち上がりとは別の話。
音の立ち上がりは速いが、その後に極めて微小なタメがあり、そのタメの後に音が耳へ届く。
これがガツンとくる力感を出せない原因でもあり、キレや鋭さ、汚さを出せない原因でもある。
逆に、これが音の繋がりを生み、なめらかさや柔らかさ、揺らぐような心地良さ、美音となる原因になっている。

コンデンサー型ヘッドフォンはある一点においてのみは生演奏に近いと言える音を出せるのかもしれない。
しかし、一言で言えば力感が出せない、たったそれだけで生演奏とは程遠い、私はそう感じる。

私がコンデンサー型に見出した魅力は「オーディオ的音楽性の高さ」、これに尽きる。
オーディオとは「良い音」だと感じることが大事であり全て、それが私の考え方。
原音に忠実であることを「良い音」の基準にするのは勿論間違いだとは言わないが、それよりも自分の感覚で「良い音」だと感じることが大事。
そーいった意味でコンデンサー型ヘッドフォン、そしてSTAXは非常に優れた味わい(音楽性)を持った音を奏でてくれる。
素直にそう感じる。

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★生カイザー来訪

2009年6月15日、まみそ邸へカイザーサウンド代表、生カイザーこと貝崎氏が訪れました。
ヘッドフォンによるオーディオ再生への興味、そしてヘッドフォン再生の経験をスキルとして根付かせたいというのが主な理由のようです。
一方私はといえば、単純に「生カイザーに会える」というそれだけの理由で楽しみにしており、まさかこの日が私の音楽観に衝撃を与える日になろうとは微塵も思っていませんでした。

時は朝10時、貝崎氏ご来訪であります。
第一印象、やたら血色の良いエネルギッシュなおじいちゃん、です。
活力に満ち溢れ、今が絶頂期と言わんばかりに輝いて見えました。

★試聴

まずは貝崎氏がまみそシステムで試聴。
そして第一声は、

「これダイナミック型ですよね?」

そうなんです。
私のシステムはまるでコンデンサー型のようにサラサラとしており優しく全く痛さのない、いくら音量を上げてもうるさくならないような音。
そしてそれは現状での不満な点でもあったのです。
私は不満点を貝崎氏に伝えました。

「音に重さ、粘り、有機感、生々しい活きた音を付加したい」

allegretto ACを廃したことにより無くなってしまった有機的で生々しい生命感。
それを再び付け加えたい、それが私の希望でした。
なぜallegretto ACを外したのかと言われると、『「音楽」よりも「音」を選択した』と言うしかありません。
つまり、私は音楽性よりも性能を重視してしまったのです。
今考えれば馬鹿な選択をしたものです。

★驚くべき調整技術、神業を見た!

この私の希望を叶えるべく調整がスタートしました。
まずはインシュレーターの方向性合わせ。
このインシュレーターの方向性合わせに関してはローゼンクランツのWebでも紹介されていますが、貝崎氏による調整は次元が違います。

同じ種類のインシュレーターでも違いがあり、遅いものから速いものへ、加速度がつくように適切なインシュレーターを適切な場所に設置する必要があるのです。
私のしていたセッティングでは、最も遅いものが前面へきており、最も速いものが左奥へ置いてあったため、加速度の面で見ると最悪な状態でした。
この二つのインシュレーターを入れ替えることにより、音が左奥から右奥へ、そして前面へと綺麗に流れ、音質的には音抜けの良い開放的な音となりました。

更に、使用しているアピトンボードにも方向性があるようで、私のセッティングは裏表逆、前後も逆とこれまた最悪な状態でした。
このボードを正常に設置してあげると、音がますます抜けよく綺麗に流れ、活き活きとしてくるのです。
しかし、正直言いますとこの時はまだ「プラシーボなんじゃないか」と疑う心があったことは否定しません。

ちなみに、この物質の方向性というのは見てわかるものではなく感じて判断するようです。
なので私達のような素人には全くもって方向性を知ることはできません。
よく言えば神業、悪く言えばオカルトとなるのでしょう。
私は最終的に「貝崎氏の調整技術は神業である!」と素直にそう思いました。

★ローゼンクランツに染まるまみそシステム

さて、ここからはローゼンクランツのアクセサリー大投入となります。
順を追って説明していきましょう。

・タップ

s-PICT0126.jpg開発中の新型タップとのこと。
タップのみ変更、他は変更なし。
正直言いまして、タップのみを換えた時は「音が広がらず閉鎖的で狭苦しい音」になってしまい、レンジも狭く解像度も落ち、確実にクオリティーが落ちたと感じました。
実際私は貝崎氏本人にもこのような正直な感想を伝えました。
ひとつ良くなったと言えば、僅かに音が生っぽくなったような気がしないでもないことでしょうか。
しかし、あまりに悪化した面が多すぎ、とても良くなったとは言えないのが実情です。

・アンプの電源ケーブル

今回試させて戴いたケーブルやタップは全て開発中の新製品とのことでした。
これからはインシュレーターだけでなく、ケーブルの世界でも王者の地位を築いていくことになるのでしょうか。
ケーブルの世界はライバルが多いだけに厳しいとは思いますが、これから続々と発表されるであろうケーブル類に期待せずにはいられません。

さて、話を戻します。
アンプの電源ケーブルを換えたところ、先ほど感じた音が広がらないという欠点は解消されたように思います。
しかし、やはり音場感は狭く、音が凝縮されたような感覚が消えません。
クオリティー的にもまだまだで、この時は「インシュレーターは凄いけどケーブルはこんなもんなのかなぁ」と内心思っていました。

・DACの電源ケーブル

このあたりからマイナスイメージからプラスイメージへと反転してきます。
音の生々しさが強く、凝縮されたような感じもなくなり、綺麗に音が配置され、細かな音もよく聞こえ、奏者の感情を感じられるようになり、美しい音から重い音、様々な音を見事に再現するようになってきたのです。

・インコネ

ローゼンクランツの音がまた一歩洗練されたイメージを持ちました。
ローゼンクランツのケーブルは全て同じ音で全く方向性にブレがありません。
増やせば増やすほどに同一方向性のまま完成度が高まるのです。

・PCトランスポートの電源ケーブル

これが決定打でした。
トランスポートの電源ケーブルを換えた時に全てのピースがピタッ!っと組み合わさったように感じました。
一番の変化は音の抑揚、英語のアクセントをイメージするとわかりやすいと思うのですが、その音の出だしのアクセントがグッ!っとくるようになったのです。
同時に音の流れ、リズム感、特に低域の躍動感は素晴らしかったです。

★ローゼンクランツに染まったまみそシステム

s-PICT0127.jpg実はまみそシステムの一番のウィークポイントであるデジタルケーブル。
ここもローゼンクランツ製のデジタルケーブルに換える予定でした。
しかし、AES16は24pという特殊コネクタのため残念ながら使用できませんでした。
貝崎氏も「ここで必殺デジタルケーブル!」といった雰囲気で取り出していただけに、使えなかったのは非常に残念でした。

その代わりトランスポートのインシュレーターの方向性を合わせてくれました。
ステンレスインシュレーターでローゼンクランツとは全然関係のないものですが、これもまた方向性があるようです。
またまた裏表逆、方向性もバラバラという状態で、加えてトランスポートに使用していたボードも裏表前後逆でした。
どこまで逆なんだ・・・・

さて、それらを修正すると、見違えるように音がクリアーに、音楽性だけでなく音質の面でもハイエンドケーブルに引けをとらないレベルにまで到達したのです。
途中から音楽性の高さはこれ以上はあり得ないレベルにまで達していました。
ただ、ひとつ気になっていたのが単純な音質レベル、言い換えれば基本性能。
この点に関しても、ほぼ全てをローゼンクランツケーブルで揃えたときには高いレベルまで引き上げられることを証明してくれました。
奏者の感情、ニュアンスを手に取るように感じられる音、それが今ここに実現したのです。

★原点を思い出せ

「奏者の感情、ニュアンスを手に取るように感じられる音」
このフレーズ、そうです、私の原点、USTヘッドフォンではありませんか。
性能にとらわれず、奏者の感情をダイレクトに感じられ、そしてリズム感を最重視したUSTサウンドはカイザーサウンドと同じなのです。
私はこの音に惚れ、この音こそ自分の理想の音だと信じ、この音を目指して環境を追い込んできたはずでした。
しかし、更に上を目指すという目的は「更に高性能にする」という大きな思い違いを生み出し、大事な「音楽」を鳴らすことを忘れて、進むべき方向を間違えていたように思います。

★オーディオとは「音」を再生するに在らず「音楽」を再生するものなり

貝崎氏との出会いによって、私はこの指標を改めて胸に刻み込んだのでした。
音楽とは聞いた瞬間に直感的に、そして感覚的に「良い音だ」と思える音を作ることが大事であり、高解像度だとかレンジが広いだとか、柔らかい音だとかクリアーな音だとか、そんな細かな要素を見て作っていくものではありません。
勿論基本性能は大事ですが、まず第一にあるべきは「心地良いと思える音」であることであり、それを見失わずに環境整備をしていけば、自然と性能はついてくるものなのです。

★最後に

カイザーサウンドの実体験だけでなく、貝崎氏のオーディオ理論やオーディオ体験のお話しから感じられるオーディオ観は、私の目指す音であり進むべき道を確固たるものとし、今後ブレなく音を追求していける自信を持たせてくれました。

カイザーサウンド、それは個性を持たず、あるがままの音をあるがままに出せるニュートラルな音。
激しい音は激しく、優しい音は優しく、綺麗な音は綺麗に、汚い音は汚く、重い音は重く、軽い音は軽く、硬い音は硬く、柔らかい音は柔らかく。
そのように、全てに柔軟に対応できるのがカイザーサウンドだと私は感じました。

オカルトチックで手を出しにくい人も多いかと思われるローゼンクランツですが、完成されたカイザーサウンドには神秘的な理論も納得してしまうだけの説得力があります。
私の場合、理論がどうであれ出音が良ければ全て良しなのであまり気にしませんが。

そんなこんなでお互い仕事の都合で解散は3時、あっという間の5時間でした。
このような出会いをこれからも大事にしていきたいと思っています。

★おまけ~ケーブルの特殊な傾向~

一般的なケーブルというのは個性を持っており、例えば濃い音のケーブルであれば、そのケーブルを増やせば増やすほど音が濃くなる傾向があります。
逆にクリアーでアッサリした傾向のあるケーブルであれば、そのケーブルを増やせば増やすほどクリアーでサラサラした音となります。
このケーブルごとの個性を把握し、それぞれを組み合わせて自分好みの音にバランスよく調整するのが通常のオーディオだと思われます。
ほぼ全ての人がこのような調整をしているはずです。

しかし、ローゼンクランツに限ってこの常識が通用しません。
ローゼンクランツのケーブルは全て同じ音の方向性を持っており、その方向性はニュートラルなのです。
そのため、いくらローゼンクランツのケーブルを増やしても味付けが強くなることが一切なく、よりニュートラルなサウンドとなっていきます。
こんなケーブルは他には無いでしょう。
少なくとも私は他に体験したことがありません。

ローゼンクランツのケーブルは一本だけ入れてもあまり効果を発揮してくれません。
むしろシステム全体のバランスを崩して悪化するでしょう。
今回の「ローゼンクランツに染まるまみそシステム」のレポートを見てもらうとわかるとおり、最初はバランスが崩れて悪化したと感じました。
しかし、システムの半分をローゼンクランツで支配したあたりから好転してきます。
そこからは増やせば増やすほどに活きた音となっていきます。
音色面での変化がないためわかりやすい大きな変化はありませんが、音が流れるようになり活きてくるのです。
これはインシュレーターでも同様のことが言え、増やせば増やすほど筋が通り流れが生まれます。
ローゼンクランツ製品を多く使用している人は「音の流れ」の大事さを痛いほどわかっていることでしょう。

一本では効果が無い、逆に悪化する、そんなケーブルなのですぐに手放してしまう人も少なくないのかもしれません。
まずは安価な入門モデルからでもいいので、全てをローゼンクランツで統一すること。
ローゼンクランツの音が好きなのであればこれが最良の選択だと思います。
一般的な「○○な要素を付加させたいからこのケーブルを入れる」という概念が全く通用しないため、なかなか認知されず悲しい製品のようにも感じました。
興味のある人は一度カイザーサウンドの試聴室に行くなどして、カイザーサウンドの真髄を味わってみてください。
捜し求めていた「音楽」がそこにあるかもしれません。

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はじめに

CDプレイヤーは、音を出す時に一番根っこの部分にあたります。
1万円以下のリーズナブルなものから100万円を超えるハイエンドなものまで存在し、当然違った音が出てきます。

まずは、音の出口であるスピーカー(ヘッドフォン)までの経路を確認しましょう。

①CDプレイヤー→(アナログ接続)→アンプ→スピーカー

これが一番一般的でしょうか。
この場合、DAC(デジタル信号をアナログ信号に変える機器)はCDプレイヤー内臓のものを使うことになります。

音にこだわり、単体DACを使う場合には、

②CDプレイヤー→(デジタル接続)→DAC→(アナログ接続)→アンプ→スピーカー

となります。


どっちがいいの?

さて、ここで①と②を見比べてください。
予算は20万円、現在アンプとスピーカーは既に所有済み。
20万円でいかにして高音質を目指すかとなった時どうしましょう。

①の場合、20万円でCDプレイヤーを買うこととなります。
20万円のCDプレイヤー、かなりの高音質を期待できます。

②の場合、20万円でCDプレイヤーと単体DACを買わなければなりません。
予算が分散されてしまい、それぞれ微妙なモノしか買えなさそうです。

となると、当然①のほうが高音質を期待できそうですね。

果たしてそうでしょうか?


ハイ、ココ注目!私なら②を選択します!


重要なのはDACなのです。

①の場合、20万円のCDプレイヤーの内臓DACを使うことになります。
②の場合は単体DACです。そう、ここに20万をほぼ全額投入するわけです。

それだとCDプレイヤー買えないんじゃ?

という心配は無用。
ここで登場するのが、


ポータブルCDプレイヤー

こいつです。こいつの出番です。

ここで②の経路をもう一度見てください。

②CDプレイヤー→(デジタル接続)→DAC→(アナログ接続)→アンプ→スピーカー

(デジタル接続)となっていますね。ここがポイントです。
つまり、②の場合にはCDプレイヤーは「CDからのデジタル信号の読み取り&デジタル信号の送り出し」という役目だけを果たすことになります。

この機能だけに特化したCDトランスポートというものが存在し、こちらも数10万円、100万円以上するものが存在しますが、CDトランスポートとして使用するポータブルCDプレイヤーを甘く見てはいけません。

今回の主旨は「手軽に高音質」です。
コストパフォーマンスを最重視するわけですので、ポータブルCDプレイヤーがベストなのです。


改めて比較してみようs-P1010013.jpg

話を戻しましょう。
ポータブルCDプレイヤーは、新品でも1万円ちょっとで購入できます。
しっかりデータを転送できるオーディオ用光デジタルケーブルは3千円ぐらいです。(太さ6㎜のものがオススメです。しっかり情報を転送でき、音の厚みが無い、音が薄い、スカスカしてるといった現象は起こりません。)
両方足しても2万円以下で収まりますね。
てことは・・・残り18万円を全額DACへ投入できるってわけです。

①では20万円のCDプレイヤー(内臓DAC)
②ではポータブルCDプレイヤー(CDトランスポート) + 18万円のDAC

当然、②のほうが優秀なDACを使えることになります。
今回は予算20万円で例を挙げましたが、予算が10万円なら

①では10万円のCDプレイヤー(内臓DAC)
②ではポータブルCDプレイヤー(CDトランスポート) + 8万のDAC

となります。


予算が5万円ぐらいある場合には有効な手段ですが、予算が2、3万円となってきた場合には、単体DACにそれほど期待ができなくなってきますので、①を選択したほうが効率が良いかもしれません。

②にはもうひとつ利点があります。
音色を変えたいなと思った時、①の場合はCDプレイヤーをまるまる買い換えることになります。
②であれば、DACだけ買い換えれば良いですし、グレードアップもしやすく、更なるグレードアップを狙い、本格的なCDトランスポートを後々導入することも可能で、より選択肢が多く融通がきくわけです。 


ポータブルCDプレイヤーを選ぼうs-P1010011.jpg

私がオススメするポータブルCDプレイヤーは2つ。(2007年3月現在)

sony D-NE920、panasonic SL-CT810の二機種です。
どちらも光デジタル出力を搭載し、音質に定評のある機種です。
両機種購入して聞き比べてみての感想は

「モニター調のsony、自然で耳障りの良い鳴り方のpanasonic」

といった感じです。

ここで一工夫。 
オーディオの世界で電源はとても重要な要素で、音質に大きく影響します。
ポータブルCDプレイヤー付属のACアダプターでは心もとないと感じる人もいるでしょう。
そんな時には、直流安定化電源のACアダプターを使いましょう。
価格も安いのでオススメです。
いくつか種類が存在し販売されているので、ネットで検索して探してみてください。
更なる高音質を求める場合は、電池駆動、自作電池電源ユニットとなります。


最後に

ポータブルCDプレイヤーをCDトランスポートとして使う方法は、コストパフォーマンスの点で見るとかなり有効です。
CDトランスポート部分が固定されていれば、DACやアンプのアップグレードも手軽にしやすいです。
もちろん資金的に余裕があるならば、ハイエンドなCDプレイヤーを買ったほうがイイでしょう。
100万円以上もするCDトランスポート、DACやアンプが存在する以上、それらにはそれだけの価値があるのだと思います。
今回紹介した方法は、資金に余裕の無い人向けのコストパフォーマンス重視の方法だということを忘れないでください。

CDトランスポートはポータブル!DACやアンプに投資せよ!

お金の無い時はこの言葉を思い出し、是非試してみてください。
きっと満足する音が出てくると思いますよ。

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プロフィール
名前:
まみそ
競馬:
性別:
男性
「まみそぶろぐ」って何?:
ヘッドフォンやオーディオアクセサリーの感想などを筆ペン先生がぶった斬るWebサイト。
軽く自己紹介:
「永遠のオーディオ初心者」「糞耳筆頭」「ケーブル患者」「アクセ馬鹿」かつ「競馬中毒者」です!よろしく!








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