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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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0fc8c768.jpeg型番:K340
メーカー:AKG
タイプ:密閉型ヘッドフォン
インピーダンス:400Ω
感度:94dB
再生周波数帯域:16 - 25,000Hz
プラグ形状:φ6.3ステレオ
コード:カールコード
重量:約385g

※生産完了モデル

 



装着感は悪くはないのですが、重量が重くて疲れます。コードは4極きしめんコードをカールしたもの。ダイナミック型とコンデンサー型のハイブリットという極めて珍しい色物ヘッドフォンです。STAXのように専用ドライバを必要とせず、普通のダイナミック型と同じようにフォンジャックに挿すだけで使用可能。400Ωのインピーダンス、94dBという低能率のため駆動力の高いアンプを必要とします。

 

4e60f344.jpeg1978年製とずいぶん古い機種ですが、古代機種の中では高性能な部類に入ります。バランスは僅かにハイ上がり。まず最初に言っておくべきは「AKGらしくない音」であること。AKGの最大の特徴である「繊細なイメージ」はありません。低域は静電型のように広範囲で鳴るタイプではなく、ある程度制動の効いたダイナミック型らしい低域。レンジ的に最低域まで伸びきらないので重さはありませんが、静電型では絶対に感じられない圧力、弾力を感じられる点はK340のダイナミック型である部分を感じさせてくれます。中域から高域にかけては非常に鮮烈。分離感が高く音ひとつひとつの輪郭が明確。情報量が多くて解像度も高く、細かな音まで鮮明に描き出します。特にクラシックの交響曲でよくわかるのですが、広い空間で楽器の位置がハッキリとわかる様は、ハイブリッド型の良さを上手く活かせているように思います。銀で出来た砂が流れるような煌びやかな高域はハイブリット型の賜物でしょうか。高解像度、エッジが立っているにも関わらず角が無く、主旋律だけでなく高域の響きからくる緊張感まで感じられます。音の立ち上がりの速さですが、高域がキビキビしているのと比較すると低域側は多少もたつきを感じます。この影響もあって低域、中高域で鳴り方が区切られたようなイメージが無くもないのはハイブリット型であることの代償と言えそうです。音場は広く、密閉型にして開放的、低域はハウジングを利用した低域、高域は抜けが良いといった感じで適材適所に良いとこ取りしています。音色は基本的に色付けなしで艶っぽさが付加されてるとか音が柔らかいといった印象はありません。響きもアッサリ目で素のままといった印象。かといって全体の印象がアッサリかと言えば全く逆で、密でそこそこ厚みのある中域、そして鮮やかな高域。

得意ジャンルはクラシック、ジャズ。低域のことを考えると中高域重視の楽曲のほうが合性がいいでしょう。「コンデンサー型らしい音を楽しめるのであればSTAXでいいのでは?」と言われたならば、「圧のあるコンデンサー型らしい音はK340ならでは」と答えます。トランペットやサックス、ドラムで言えばハイハットの細かな表現、このような高域寄りの楽器との合性が抜群に良く、余計な響きが乗ることなく「生」の良さを味わえる音だと感じます。この素の良さを大事にする点はAKGらしいと言えそうですね。

afc1d47f.jpeg現代の多くのハイエンドヘッドフォンと比べれば決して高性能とは言えませんが、ダイナミック型っぽいコンデンサー型の鳴り方をする音という特徴は唯一無比にて最大の強み。単純に貴重な古代機種としてコレクション目的で所有するには勿体無く、複数のヘッドフォンを使い分ける人であれば音質の面から見て所有する価値が十分にあるように思います。構造からして「キワモノホン?」と思わせておいて音は普通に良いヘッドホンです。特に耳をくすぐるような高域の表現力は一聴の価値あり。日本国内での流通はほぼ皆無ですが、海外のオークションではちょくちょく見かける機種なので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。
 

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驚き!
初めまして。レビューお疲れ様です。
ダイナミック型+コンデンサー型なんてのもあるんですね。
およそ30年も前の製品なのにちゃんと鳴るのが
個人的に驚き。振動板も長持ちするものなんですねえ。
D7000の中高域の繊細さに魅了されて
コンデンサー型にも、興味はあるのですが
開放型がほとんどなので住宅事情でアウトなんです。
でも、このk340やスタックスの4070みたいに
密閉型もあるみたいなので、いつか購入してみたいです。
plto 2009/02/26(Thu) 編集
Re:驚き!
>pltoさん

はじめまして。

昔のAKGは実験的な機種が多くて面白いですね。
また面白いヘッドホンを出してくれるかもしれません。

K340もそうですが、4070も所有者の少ない機種だと思うので是非いつの日か手に入れて感想聞かせてください。
まみそ 2009/03/02(Mon) 編集
自分も手に入れました
この記事を見て興味を持ち、運良くオークションで出品されていたので手に入れることが出来ました。
記事の通り、中高域はすごいですね。手持ちのヘッドホンが他にHP-DX1000しかないのであれですが、DX1000よりも高域に関しては良いと思います。全体のまとまりというか、臨場感はさすがにDX1000のほうが好きですが。
これと同じくらい高音が出る機種はオーテクや他のBA型イヤホンでもあるとは思うのですがこれだけ綺麗な高音が出ていながら刺さりが全くないのはさすがです。

古い機種だけあって、イヤパッドやヘッドバンド調節用のゴムひもが傷んでいるのでハーマンに取り寄せ可能か問い合わせているところです。
全く経験はないのですが、いずれリケーブルにも挑戦してみたいと思ってます。

突然長々と失礼しました。
ラントル 2012/02/13(Mon) 編集
AKGのチャレンジ精神
>ラントルさん

ラントルさん、はじめまして。

K340とは珍しいヘッドホンを手に入れましたね。
今思えば、AKGはこの当時からハイブリッド型にチャレンジしていたんですね。
ハイブリッド型イヤホンのK3003が生まれたのも納得できます。
常に新しい音、技術にチャレンジするAKGの精神が今も続いていることに嬉しくなりました。
久しぶりにこのヘッドホンの存在を思い出させてくれてありがとうございました。
まみそ URL 2012/02/14(Tue) 編集
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