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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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★ローゼンクランツヘッドホンモディファイの経緯

AH-D7000
ATH-W5000edition9
結果的に3機種全てをローゼンクランツの技術でモディファイすることとなったが、当初の目的はAH-D7000のモディファイだけであった。

AH-D7000。
他2機種と比べ、本来持つ音の方向性が違うとは言うものの、あまりにも淡々としていてつまらない音で我慢ならなかった。
身近な人はご存知だろうと思うが、私はかなりAH-D7000を売却するかモディファイ(バランス化リケーブル)するかで悩んだものだ。
実際、9:1の割合で売却するつもりだった。
それぐらいAH-D7000の音に失望していたと思ってもらって構わない。
心に響かない、魂の抜けたような音であった。

しかし、1割の希望、可能性を捨てきることが出来なかったのも事実。
僅かに見え隠れする起死回生の可能性を感じていた。
そこで、とりあえず改善の余地があるかどうかを貝崎氏に見てもらうことになった。
モディファイするかしないかは、その後考えればいい・・・

ヘッドホン解体新書の記事でも少し触れたが、ATH-W5000とedition9の音には満足しており、「AH-D7000をこのような音にしてほしい」という比較資料、サンプルとして一緒に送っただけであった。
だがしかし、ここでまさかの展開。
貝崎氏に「3機種全て音楽の体を成していない」という厳しい評価を戴き、結局全てモディファイすることとなったのだ。
とは言え、やはり一番の目的はAH-D7000のモディファイであることに変わりは無い。

各機種を送り出す前に私が貝崎氏に送ったメールの内容を公開しよう。



・DENON AH-D7000


これが問題の機種です。
現状、淡々としていてつまらない音がします。
他の二つのヘッドホンと比較すると一目瞭然だと思いますので、聞き比べてみてください。
音は、DENONらしいと言えばらしいのですが・・・

・オーディオテクニカ ATH-W5000

私が最も好きなヘッドホンです。
応答速度が速く、躍動感溢れるサウンド、そして臨場感、バランスに優れています。

しかし、実はバランス化に伴うリケーブルによって多少応答速度が遅くなったのが気になっています。
元々もっとキレる音だったのですが・・・
ローゼンクランツ的に言えば、一番勢いのつくところにケーブルの長さが合っていない感じです。
ケーブルの長さの微調整で改善の余地がありそうでしたら手直しして戴きたいヘッドホンです。
ATH-W5000、edition9と比べることで、いかにAH-D7000が現状つまらない音なのかがよくわかると思います。



まずはじめに、ATH-W5000をモディファイし、その効果を確認してヘッドホン解体新書を書き上げた。
そして、次にAH-D7000とedition9をモディファイすることになった。
その時に私が出した要望が以下のメール内容である。



・edition9

実際、私はこのヘッドホンをヘヴィーメタル(の中でも激しいジャンル)を聞くときにしか使用しません。
その一点においてのみ、このヘッドホンはヘヴィーメタルの攻撃的な部分をこれでもかと表現してくれます。
なので、「攻撃的な音」を追求してみてほしいのです。
現状でも特に不満の無い音なので、線材はそのままでモディファイをお願いします。

・AH-D7000

現状のまったりしすぎている音を何とかして欲しいのが一番の要望です。
あまりに淡々としていてつまらない音なので・・・
この点は調整技術で確実に改善できると思いますので、それを踏まえた上で、
D7000らしい懐の深い落ち着けるサウンドを目指してほしいです。
こちらはリケーブルから手直しして戴けたらと思います。



さて、このような要望を出した結果、どのような音に生まれ変わったのだろうか。

★AH-D7000のモディファイにおいて


AH-D7000は使用されているパーツ数が多い。
使用パーツが多いということは、それだけ各素材の方向性のズレが生じる可能性が高くなる。
逆に言えば、モディファイにより方向性を全て整えることでの改善効果に期待が持てる。
パーツ数が多い機種ほど個体差が出てくる可能性が高く、またそれに比例して改善効果が大きい可能性が高い。

>品質管理の甘さ

s-P1010225.jpgAH-D7000のモディファイの過程において、大きなミスが発見された。
右chのプラスとマイナスが逆相に配線されていたのだ。
画像を見て戴くとわかりやすい。
右ch(R)側で、本来白いマーカーがある側(左側)に黒い配線、赤いマーカーがある側(右側)に赤い配線がされていなければならないにも関わらず、赤いマーカーに近い側という解釈をしてしまって配線が逆になっている。
この勘違いはわからなくもないが、間違ったにしても、その後の確認、平たく言えば製造工程での管理の甘さであり、マニュアル化された製造システムを曝け出す事例と言っていいだろう。

ヘッドホンでは、このようなミスが他のメーカーでも稀に見られ、DENONに限った話ではないとは言うものの、また、メーカーを代表するリファレンスモデルだからという話ではないにしても、徹底した管理下のもと製造してほしいと声を大にして言いたい。

いずれにせよ、私の環境において、他機種に比べてあまりに熱の無い淡々としたつまらない音だったのは、逆相に配線されていたのが一番の原因だろう。
最初はAH-D7000の個性だろうと思っていたが、ローゼンクランツの支配力が上がっても依然として変わらなかったAH-D7000の謎が解けた気がする。
貝崎氏曰く、「音が遠かったのは逆相が原因」「右が左の1/3ほどのエネルギーしか出ていなかった」。

s-P1010220.jpgさて、話を戻そう。
AH-D7000はハウジングに難点あり。
AH-D7000の分厚くコーティングされたハウジング表面。
これは木の響きの良さを殺してしまい、ガチガチに塗装されていることによって自然な音色を損なう要因となってしまっている。
AH-D7000のハウジングの面を触った時のような、ぬめっとした感触をそのまま音としてイメージするのが分かりやすいだろう。
ハウジングの外側と内側の響きに差が生まれ、上手く響きが抜けていかないようになってしまっており、見た目の美しさを重視した結果、音質が失われてしまっている典型的な例である。

・モディファイのポイント

一番の改善ポイントは常に同じ。高い音楽性を引き出せるように。
キレの無いねっとりした音を改善するため、音に輪郭や力強さを加えられるようなケーブルをチョイス。
パーツの方向性の管理により、勢いと抜けの良さを生み出す。
可能な限りAH-D7000の欠点を打ち消す方向でモディファイ。

★インプレ

s-P1010230.jpgATH-W5000の改善っぷりを体験した後だけに、AH-D7000のモディファイには非常に大きな期待を寄せていた。
そんな想いを胸に早速試聴。

人形に生命が宿るかのように、AH-D7000に息吹が吹き込まれる。
生きた音が出るようになったこと、この変化が最も大きい。

しかし、どうしても気になる音質の違和感。
貝崎氏は「音楽性が高まれば、必然的に音質も良くなる」と言うが、私にはどうしてもこの音に「○」という判断を下せなかった。
全体が繋がったようなモヤモヤした音の鳴り方が私の言葉を詰まらせる。

ケーブルを交換したことによる影響だろうか。
ケーブルのエージング、そして耳の慣れも考慮し、しばらく鳴らしこみと聞き込みを続け、落ち着いてから改めて評価することにした。
一ヵ月後改めて再評価。

元々低域が強く、低域に意識がいってしまうようなバランスであったが、音楽のど真ん中がストレートにぶつかってくるようなバランスに変化。
音楽の本質を鷲掴みにできるような鳴りっぷりは、ローゼンクランツらしさが良く出ている。
低域には僅かだが輪郭、そして跳ねるような弾力感が生まれ、アタック感がしっかり感じられるようになった点は驚かされる。

s-P1010237.jpg音が遠くで鳴っている感覚がかなり軽減され、モディファイ前に比べるとずいぶん近くで鳴るようになった。
振動がスッっと綺麗に抜けていかないため、よく言えばホール的な「体感できる低域」となっている。
音抜けが良く壁を感じ無いATH-W5000やedition9と比べると、良くも悪くも箱庭的な鳴り方。
この点はハウジング表面の塗装を溶かし、振動が綺麗に抜けるようにしないと改善されないのではないか、と貝崎氏談。

粗い音は粗く、歪んだ音は歪んで、多様な音を再現できるようになったのは、環境側の音を引き出す能力、環境追従性が高くなった証拠だろう。
AH-D7000の音をベースにしつつも、以前に比べれば遥かに私のオーディオシステムの音を出せるようになっている。

総評としては、落ち着きのある雰囲気はそのままに、感情表現が上手くなってノリの良さが加わった感じ。
淡々としたイメージは払拭された。


★editioni9モディファイにおいて

s-P1010200.jpgedition9は公式バランスリケーブルされた状態。
この状態から、ATH-W5000と同様、ケーブルの線材はそのままに、ケーブル処理とユニットのモディファイで追い込んでいく。

貝崎氏が言うには、公式のバランスリケーブル、ケーブルの処理は完成度が高く良く出来ているとのこと。
また、パーツ数が少ないこともあり、ユニット部の完成度も高いとの評価。

貝崎氏によると、edition9のハウジングの形状は理にかなっているそうだ。
理想形と言っていいかもしれない。
一般的なドーム型のハウジングでは、パラボラアンテナを逆にしたかのように、振動が反射して戻ってきてハウジング内に溜まり、抜けが悪くなってしまう。
その点、edition9のような円柱形では振動が綺麗に抜けて好結果に繋がるようである。
ただ、理想的な構造を持っていたとしても、それを活かすも殺すも他の部分とのバランス次第なのではないかと感じた。

・モディファイのポイント


一番の改善ポイントは常に同じ。高い音楽性を引き出せるように。
edition9の攻撃的な特徴に更に磨きをかけつつも、よりオールマイティに何でも聞けるような音に、というコンセプト。
低域がドーン・・・と沈んでいってしまうのを改善、耳へスパーンとキレ良く飛び込むような低域へ。


★インプレ

s-P1010203.jpg実は今回の3機種のモディファイの中で最も驚かされたのがedition9。
この結果は正直意外であった。
edition9は、元々の音に満足しており、これ以上どうしようもないだろうと自分の中で考えていた機種。
と言うよりも、edition9は私の中である種の完成形として確固たる地位を築いていた。
edition9はどちらかと言えば無機質な音で、それがこの機種の個性であり良さだと捉え、この個性を私は実際歓迎し楽しんでいた。

その個性が破壊された。
イイ意味で。

edition9がモディファイによって何が変わったか。
それは無機質な音から有機質な音へ。
たったこれだけ違いと言うなかれ、この違いが大きな変化を生む。

s-P1010204.jpg元々性能の高さが高評価されているedition9、その相乗効果もあったのだろう。
命の宿ったedition9は、奏者の音楽性の理想形を真っ直ぐに伝えてくれるヘッドホンとなった。
その点に関しては、ATH-W5000を超えている。
どちらも素材の持つ音が個性として出ており、ATH-W5000は臨場感に優れており、edition9はストレートな表現力。
スケールが大きく、音の繋がり、そして包容力のあるATH-W5000は安心感を感じられる。
対して、真っ直ぐに音楽性を伝えてくれるedition9。
今まで散々ATH-W5000を絶賛し、edition9を軽視してきた私が言うぐらいだから、どれだけedition9が良くなったのかを察してほしい。

音で見ると、やはり中域を重視した鳴り方に変わっている。
ボーカルが前面へ出てきて目前で展開される。
これは全てのローゼンクランツモディファイ機で共通。

3機種の中では最も音抜けが良く、ハウジングの存在を全くと言っていいほど感じ無い。
振動が篭ることなく綺麗に抜けている。
耳への負担が少なく聞きやすい。
また、おそらく抜けが良くなったことが影響していると思われるのが音場感の向上。
元々持つ立体的な音場感はそのままに、伸びきる音、それにより広さを感じられるようになっている。

s-P1010243.jpgヘヴィーメタルでも激しい曲限定でしか使用していなかったedition9だが、今のedition9はあらゆるジャンルで使ってみたくなる。
以前と違い、アコースティックな音源やボーカルが堪能できるようになったedition9。
しっかりと音楽性を引き出せるようになったことが一番の原因だろう。
edition9から出てくる音に、これほどの温もりや生命力、安らぎを感じられることは、本来のedition9の音を知っている人であれば誰もが驚くに違いない。

線材が変わっていないのにこれだけの変化があったedition9。
ケーブル処理の重要性、方向性の管理の重要性を思い知らされた。

★まとめ

いずれの機種も生まれ変わったと言っていいだろう。
音楽性をどれだけ引き出せるか、という点が別物となっている。

特に感動したのはedition9。
最も違和感を感じ無い鳴り方をする。
音抜けの良さがずば抜けており、音の流れが非常に綺麗な点がポイント。
edition9はキレの良さが特徴の一つであるが、今のedition9は流れによるノリの良さへと変わっている。
奏者がどう表現したいのか、実際に出てくる音を超えた音楽の本質である音楽性をこれでもかと伝えてくれる。
惜しいのは装着感の悪さ、いくら音が良くても頭が痛くなるのは大きなマイナスポイントだ。

どの機種も音楽を楽しめるクオリティーを持っているので、今までのようにほとんど使わない機種というのはなくなるだろう。
どのヘッドホンを手にとっても楽しく音楽を聞くことができるから。

拍手[2回]

★ヘッドホン解体新書

ずいぶんと針小棒大なタイトルをつけたものだ。
そう思われるかもしれないが、今回の記事はヘッドホン界にとって革新的な内容だと個人的には感じている。

ヘッドホンの音を決めているのは何なのだろう?
すぐに思いつくのは、ドライバーユニット、ケーブル、ハウジング、プラグ・・・

「パーツの材質で音が決まる」

この考え方が一般的だろう。
これは紛れも無い事実。
しかし、これ以上突っ込んで音をコントロールしようとしている人は皆無に等しい。
線材で言えば、銅線だから、銀線だからこんな音。
ハウジングで言えば、アルミだから、チタンだから、桜だから、黒檀だからこんな音。
材質から音を決め、それ以上は・・・ない。

大衆をターゲットにして製品を作る必要のあるメーカー側は、音質と同等以上に"売れる商品"を意識しなければならない。
そのため、音質を最優先で考えることをある程度妥協せざる得ないだろう。
軽くて、細くて、使い勝手のよいケーブル。
利便性を最重視するのは、メーカーとして適切な判断でありベストな選択だと思う。

しかし、ハイエンドと言われる高額な機種に関しては話は別だろう。
ハイエンド機は、多額のコストを投入し、より良い音質をコンセプトに開発を進めているはずだ。
そんな時に、ケーブルを軽く見てしまうことは妥協以外の何ものでもない。
ユニットに関しては、様々な技術、アイデアがつぎ込まれ、各メーカー個性的な構造を有している。
それに比べてケーブルはどうだろう?
ただケーブルを繋いだだけ、本当にそれだけなのが現状だ。

だがしかし、昨今そんな状況も少しずつ変わりつつある。
利便性を犠牲にしてまでも太いケーブルのヘッドホンが出てきたり、線材の材質にこだわったヘッドホンも増えてきている。
とは言っても、まだまだ甘い、甘いのだ。
線材によるキャラクターとは別に、ケーブルの構造による音質のコントロールが全く出来ていない。
これは音ではなく"音楽"としての完成度を決める部分。
私からすれば最も大事な部分。

音を変えるのではない、"音楽性"を高めなければ音楽として成立しない。


★音と音質と音楽性

ここで少し補足説明しておかなければならないことがある。
音と音質と音楽性の相互関係である。

音とは、高い音、低い音、太い音、細い音、綺麗な音、汚い音、つまり音を要素として部分的に抽出したのが音であり、キャラクターを決定付ける要素、キャラクターそのものと言ってもいいだろう。

音質とは、もっと大きな枠組み、要素の集合体、性能を含めた音の質。
一般的な音質の定義で問題ない。
数学的に言えば、「音質⊃音」と表すのが適切だろうか。

音楽、音楽性とは、奏者の想い、感情、何を伝えたいのかを指す。
音楽性というのは、音楽が誕生したその時に同時に生まれる唯一無二なもの。
ラジカセで聞こうが、ハイエンドシステムで聞こうが、そこには同じ音楽性が存在する。

問題なのは、その再生側の機器が本来ソフトが持つ音楽性を再現できるか否か。
音楽を再現できるのであれば、ラジカセであっても音楽性は高いと言える。

オーディオファンであれば重々理解していることだとは思うが、音質を向上させれば同時に音楽性も高くなっていく。
高性能であれば音質が良くなり、それによって音楽性も引き出しやすくなる。

貝崎氏の言葉を借りるなら、「素人と筆の達人」がそのまま音楽性に当てはまる。
「音楽性の高い音楽 = 達人」、「音楽性の低い音楽 = 素人」、「筆(ペン) = 性能」。
達人は、高級な筆であろうが安物のペンであろうが綺麗な字が書ける。
言い換えれば、音楽性の高い音楽であれば、ラジカセであろうがハイエンドシステムであろうが素晴らしいと感じられる音楽がスピーカーから出てくるわけだ。
音楽性の高い音楽があるのを大前提として、それを引き出せる機器があれば、性能を高めるほどに音楽性も増していくだろう。
達人が優れた筆を使えば使うほどに達筆になるかのように。
当然、素人であっても、書きやすいペンを使えば字は綺麗になるだろう。
しかし、やはり大事なのは性能以上に元である音楽性であり、音楽性を引き出すための土台。

・音質が良くなれば音楽性も高くなる。
・音楽性が高くなっているということは音質も良くなっている。
・音質以上に重要なのは音楽性。
・なによりやってはいけないのは、音(のキャラクター)を見て判断してしまうこと。

以上の4つの項目から、音と音質と音楽性の相互関係を理解して戴けたらと思う。
外見上の音ではなく、音の本質、音楽性を見抜くことが大事。
オーディオ機器で言えば、その音楽性をどれだけ引き出せているかが大事。


★ケーブルの処理方法で音をコントロール

冒頭で述べたことの繰り返しになるが、ヘッドホンの音、音質を決めるパーツのひとつとして"ケーブル"という存在が少しずつ認知されるようになってきている。
それは、全てが音質のためとは言えないまでも、ケーブル着脱式のヘッドホンが存在すること、数々の交換ケーブルが市場に溢れていること、又はリケーブルを商売としているガレージメーカーが増えてきていること、個人でリケーブルする人が増えてきていることからも窺い知れる。

しかし、まだまだケーブルの存在、重要性は軽視されがちなのは事実。
ケーブルなどで音は変わらない。
このような考え方を持つ人が多いのが実態だろう。
しかし、私はあえてその未開の地を切り開くべく、更に一歩踏み込んで進んでみようと思う。

まず、ケーブルで音が変わるというのが大前提となる。
そのように考えている人にこそ読んで戴きたい。

ケーブルで音が変わる。
それは、正確に言えばケーブルの材質で音が変わる、ケーブルの構造で音が変わるということ。
線材を換える人はいても、ケーブルの処理を音への影響も考えながら実践している人は極少数だろう。
ケーブルをねじる、ケーブルにシールドをかけるといった処理を、正確な音への影響を把握して行えている人はどれだけいるのだろうか。

「ケーブルの長さで音は変わる」

「ケーブルのネットで音は変わる」

「ケーブルのねじり方で音は変わる」

このようなことは信じられないだろう。

昔の話になるが、知人がヘッドホンのケーブルを数センチ単位で短くしながらベストな音質だと感じられるケーブルの長さを見つけようとしていたことがあった。
私は「線材が同じなら長さなんか関係ない」「長さより線材の質のほうが大事」「長さを変えたところで音は変わらない」そのように思っていた。
しかし、当時の自分は愚かだったと痛感している。

「ケーブルの処理で音質をコントロールできる」

それを確かめるため、あえてケーブルの線材はそのままに、どれだけ音質を変えることができるのかを、ローゼンクランツの貝崎氏にご協力戴き実験してみた。
貝崎氏にとってヘッドホンという分野は全くと言っていいほど未知の領域。
果たして今まで培ってきた技術がヘッドホンで通用するのだろうか。


★ATH-W5000モディファイの経緯

s-P1010159.jpgATH-W5000そのものは個人的に好きなヘッドホンで特に音質に不満はなかった。
しかし、バランスリケーブルすることによって、本来持っている音のキレ、躍動感、スピード感が減少してしまった点は残念に思っていた。

実は、当初ATH-W5000はモディファイする予定は全くなかった。
本来の目的はDENONのAH-D7000のリケーブル。
そのための比較資料として、ATH-W5000のようにして欲しいという想いで一緒に貝崎氏に送ったところ、「このATH-W5000は音楽の体を成していない」と厳しいお言葉を頂戴した。
私はこの時、「・・・やっぱり、そーだよな」と妙に納得し安心した。
キレキレで躍動感溢れる本来のATH-W5000の姿を取り戻せ!
そして、ヘッドホンのケーブルの謎を解き明かす、という目的を達成するため、あえて線材を変更せずにローゼンクランツの調整技術のみでどれだけ音質が改善するのかを試してみることになった。


★モディファイ内容

変更点を効果の大きい順に並べると以下の通りとなる。


e19067a2.jpeg 5511636c.jpeg

①スピーカーユニットを360度ある角度の中で、時計でいう所の11時の位置(聴き手側に向かう様)に響きの方向性を揃える。


089139ae.jpeg 44d4f2bf.jpeg

②4芯シールドのケーブルのXLRオス端子の結線を2番ホット、3番コールド、1番オープンに変更(元は編組が結線されている状態)。
音のアタックとタイミングを取るのが目的。
尚且つ滲みの無いクリアーサウンドを引き出す。

fe63ed38.jpeg

③振動対策用にRGBネットを左右の長さを変えてグルーブ感を演出。
Red,Green,Blackの3種類の色によって音色が多彩になる効果がある。

④元々使われているケーブルのまったりとした音質の短所を補う目的で音を締める為に左ねじりを施す。

3b655252.jpeg

⑤スピーカーユニットの加速度組み立てを施す。
ユニットを取り付けてあるネジ3個
フレームの取り付けネジ4個
ウッドハウジングキャビ取り付けネジ4個
ネジの響きの抜けで順番を考慮して配置組み換え。
尚且つ、ユニットに偏ったストレスが発生しないようにトルクコントロール調整。

⑥音楽の押し引きが絶妙になるようにケーブルの長さを調整。


⑦音楽のテンポやノリを良くする意味で捻りの始点と終点の位置決めをシュリンクチューブによって施す。

2aebd996.jpeg

⑧ハウジングキャビ内部の白い吸音材の裏表と放射角度の方向性を左右管理。


416443ff.jpeg

⑨ハウジングキャビ外周のウレタンパッキンの裏表の方向性を是正して取り付け。

◆総評

・意外なことに、ケーブルの長さの調整が⑥番目であった。
・②番目になったXLRオス端子の結線は大事。
・RGBネットが③番目、信じ難いが効果大。


★インプレ

efe78388.jpeg線材が同じなので音のキャラクターは変わらない。
それなら同じじゃないか、、、と言う人もいるだろう。
ローゼンクランツの真髄はリズム感のコントロールにあり。

まず大幅に改善されたのは予想通り「リズム感」。
この改善がいかに重要であるか、わかる人にはわかるはずである。

音の出だしの頭が見えるように・・・
節が出来てリズムが見えるように・・・

全てが良い方向へ歩を進め始める。
音が生き生きとし、音が楽しんでいるのが伝わってくるようになるのだ。
これは、言い換えれば奏者が楽しんで演奏しているということだろう。
躍動感溢れるサウンド、音のインパクトの瞬間に力が加わりガッ!っとくるサウンド。
ローゼンクランツのレビューで何度も言ってきた奏者のニュアンスの伝わり具合も向上。
音楽を聞いていて楽しい、その楽しさを存分に味わえる音。
音楽性を引き出すことができるようになっている証拠だ。

もうひとつ、様々な箇所で響きのコントロールをした効果だろうか。
音が綺麗に抜けるようになった。
音抜けがよく、音が綺麗に流れていく。
その影響からか、スケールの大きな鳴りっぷりとなった。

元々性能が高く生々しいサウンドを聞かせてくれるATH-W5000だが、リズム感の向上によりその特徴は更に磨きがかかって言葉では表現できない域に達している。
音質面でも向上し、そこにあるのはただ"音楽"それだけである。

惜しむらくは、ヘッドホンで鳴らすような音ではなくなってしまっていること。
ヘッドホンで鳴らすには勿体無い、そう思ってしまうほどに良い音。
この音はスピーカーで、部屋いっぱいで鳴らさなければ罪である。


★注意点

単純に線材を交換するだけでは、音のキャラクターが線材の持つキャラクターに変わるだけであって、音楽性の向上はあまり期待できない。
ローゼンクランツによるモディファイは音の変化ではなく「音楽性の向上」であって、一般的なリケーブルとは根本的に狙いが違うことに注意が必要だ。
変わるのは音楽性に直結するリズム感や音の抜け、流れといった部分。
音楽性を引き出せるのがローゼンクランツの技術。
"音楽"を聞きたい人にとっては「これを待っていた!」と言えるモディファイとなるだろう。

このモディファイを行うことによって、「何か違うな・・・」と感じる人も中にはいるだろう。
人の好みは千差万別であり、人の感性もまた同じ、何を基準に良い音とするのかもまた人によって様々である。
音によって判断するのであれば、悪化したと感じるケースも考えられる。

もし貝崎氏にヘッドホンのモディファイを依頼するのであれば、まずはカイザーサウンドの真理を知ることから始めるのがいいだろう。
ローゼンクランツの方向性を知った上で納得し、そしてヘッドホンのモデファイをするのが無難な選択なのではないだろうか。


★ヘッドホンモディファイサービス

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・ケーブル部分を中心としたモディファイ ¥31500(製作難易度により価格変動あり)

 線材はそのままに、処理方法、調整のみで音をコントロール

・ユニット周りをモディファイ ¥31500(製作難易度により価格変動あり)

 ユニットの各パーツの方向性の管理等

・リケーブル ¥20000(製作難易度により価格変動あり)

 線材を交換、長さにより値段変動あり

※補足

線材の交換(リケーブル)は追加オプションと考え、ケーブル、ユニットのモディファイがメインとなります。
狙った方向に音をコントロールできるのが貝崎氏の調整技術。
自分の中にある音のイメージを伝えることで、限られた範疇の中で音の特徴を調整可能。
中には分解の困難なヘッドホンもあるので、モディファイ可能かどうか事前にご相談ください。
また、ローゼンクランツの音を理解した上でのモディファイをお薦めします。

◆お問い合わせ

 ローゼンクランツ

 担 当  貝崎静雄 
    
 TEL  03-3643-1236     
 FAX  03-3643-1237    
 携 帯  090-2802-6002    
 E-mail  info@rosenkranz-jp.com    
 URL  http://www.rosenkranz-jp.com


★曲別インプレ

①AC/DC / T.N.T

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AC/DCの初期のアルバムだが、この時からAC/DC節は既に確立されていた。
王道すぎるロックロールでノリの良さをチェック。
体全体が動いてしまうようなノリの良さ、問題なし!
音の押し引きがリズムを生み出す。
流れによるリズム感、心地良い。
エレキギターの音も秀逸。


②The Wildhearts / Chutzpah

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The Wildheartsは、途中からノイジーな音作りを取り入れるようになり、一言で言えば「うるさい」音なので音がグチャグチャに混ざりやすい傾向がある。
厚みのある空間を埋め尽くす音の洪水をしっかり維持しつつ、各音を把握できるように鳴らすのは、オーディオシステムのレベルを測るパラメータのひとつ。
歪みに歪んだギターサウンド、そこに乗ってくるポップなメロディー、それぞれの良さを引き出せており、全体の統一感も申し分なし。
あらゆる音を表現できるカイザーサウンドの真骨頂である。

③Whitesnake / Starkers In Tokyo

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スタジオでのアンプラグド・ライヴ盤。
演奏はアコースティックギターのみなので、ギターとVoを堪能できる名盤。
録音が素晴らしく、現場の雰囲気がよく伝わってくる生々しい音。
言葉ひとつひとつの大切さを感じられ、音楽を噛み締めるように味わえる。
味わい深さ、しっとりと心に染み入るような表現も手馴れたものだ。

④Four Play  / Between the sheets

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私は、メタラーということもありジャズよりもフュージョンが好き。
Four Playのアルバムは何枚か持っているが、このアルバムは中でもお薦め。
豊かな表現力をこれだけ味わえるのは奏者のレベルが高いからこそ。
演奏から生まれるグルーヴ感を見事に再現している。

⑥capsule / FLASH BEST

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打ち込みはどう鳴らすべきか。
そんなことを考えてしまうような音ではまだまだ未完成。
単純に「イイね!」、そう思えるのが大事。
超低音ベースをバックに、キラキラと散りばめられたストリングス。
様々な音が入っており、入念に音作りされているのがよくわかる。
グルーヴ感とはまた違ったキレによる縦ノリ。
このノリの良さもまた気持ち良い。
音楽はジャンルを問わない。


★まとめ

今回最も伝えたかったこと。
それは、線材を換えなくても音楽性であり音質を大きく向上させることが可能であること。
この記事に記した内容は、今までにない全く別方向からのアプローチであったに違いない。
音質と同時に、音楽性にもスポットを当てて音作りをしなければならないことの重大さを教えてくれた。

ヘッドホンはまだまだ発展途上である。
もっともっと音が良くなる余地が残されていることが今回証明されたと言っていいのではないか。

今回紹介した内容は、メーカーと言うよりも個人の領域での話。
更に良い音を目指したい人、特に音楽性の部分で不満を抱えていた人に、ヘッドホンの底知れぬ可能性を知ってほしかった。
勿論、メーカーにはハイエンド機を作る時にはもう少しこだわりを見せてほしいという想いはある。
しかし、コスト的に、それ以上に技術的に考えて難しいものがあるだろう。

高音質を追及したモデルが次々に発売されており、ヘッドホンの性能に関しては限界に達しているように思われる。
この過程を経て、次は音楽性の向上に各メーカーが目を向けるようになるのでは?と私は睨んでいる。
近い将来名機と呼ばれるヘッドホンが続々と発表されることを願っている。

拍手[4回]

★リケーブル

e798cce9.jpgヘッドフォンのリケーブル。ヘッドフォンのケーブルを他のケーブル(線材)に変更し、基本性能の向上であったり音色や質感、音場感等々を変化させることができる。一般的なヘッドフォンはケーブルが着脱式ではないため簡単にリケーブルするのは不可能。しかし、中にはケーブルが着脱式になっており、手軽にケーブル交換ができる機種が存在する。その代表格がSENNHEISER(他にはAKGやULTRASONE等)のヘッドフォンだろう。今回はその中でもユーザーが比較的多いと思われ、尚且つ交換可能なケーブルが多数存在するHD650を使用してケーブルによる音の違いを検証してみることとする。ちなみに、HD25では基本性能の低さ(HD650比較)から、ケーブルの能力を持て余すケースが出てくるため、ケーブルの性能を可能な限り引き出すことを目的とする意味でもHD650を選択している。

ケーブルを換えれば当然音が変わってしまう。ケーブルが着脱可能である構造が設計者の真意なのか否かは定かではないが、望む望まずに関わらず、受け手である我々の判断により、与えられた自由は有効に活用させてもらおうではないか。


★HD650標準ケーブル

細く柔らかく取り回しは最も楽。コネクタの接続感も問題なし。

この音がHD650の音。柔らかく丸い豊かな低域、高域は繊細、全体的にぬるくてまろやか、音が空間に綺麗に広がるのを感じられ、立体的な音場を形成する。ふんわりとしていてとにかく心地良い。情報量がそこそこで迫力を出し切れないのも考え方によっては有りで、気軽にリスニングする際には標準ケーブルが一番適しているように思う。ノリの悪さという致命的な欠点を除けば、コストパフォーマンスの高い優れたケーブル。

解像度 7

情報量 7

レンジ感 7

音場感 7


★Blue Dragon V2(現行モデル V3)

s-PICT0006.jpg

自由自在にクネクネ曲がるわけではなく太さもそこそこあるので多少邪魔に感じる。Cardasコネクタ、Furutechプラグ共に接続感はgood。

s-PICT0010.jpg標準ケーブルを正当進化させた音。標準ケーブルと比較すると解像度の向上が著しく、曇りが晴れたかのように明瞭な音となる。その代償として標準ケーブル特有の幻想的な雰囲気は減少。低域寄りバランスで重心が低くドッシリと落ち着いており、厚みのある重厚なサウンドとなる。低域から高域まで柔らかさのある耳障りの良い心地良い音。低域は量感たっぷりでウッドベースのような太い音を上手く鳴らすことができる。高域に派手さは一切なく、どちらかと言えば地味な部類に入るだろう。強く主張してこず、繊細というわけではなく、気品良く絶妙のエネルギー感で存在感を感じさせてくれる。全体感の強い鳴りのため、音の繋がりや調和に優れており臨場感を出すのを得意とする反面、定位感や分離感はどちらかと言えば苦手で、音場感は標準ケーブルと比べると若干下回る。HD650らしさを保ちながら多少ノリの悪さを改善できるケーブル。Silver Dragonで「もう少しまろやかな音色にしたい」と感じた場合にはBlue Dragonが良い選択になるだろう。

解像度 8

情報量 8

レンジ感 8

音場感 6+


★Silver Dragon V2

s-PICT00051.jpg

造りはBlue Dragon V2と同様。自由自在にクネクネ曲がるわけではなく太さもそこそこあるので多少邪魔に感じる。Cardasコネクタ、Furutechプラグ共に接続感はgood。

クリアーで明瞭、Blue Dragon V2を少しだけZU Mobius寄りにシフトしたような音。基本性能はBlue Dragonとほぼ同等。音が若干引き締まるのでBlue Dragonほどの重厚感はないが、それでも厚みのある音を出すタイプに属するケーブル。Blue Dragonを高域方向へ少しシフトさせたようなバランスで、低域の量感は減少、高域は逆に僅かにだが量感が増し、全体で見るとフラットで自然なバランスとなっている。クリアー系だが決して中域が音痩せすることがない点も嬉しい限りだ。Blue Dragonのような音の柔らかさが抑えられているぶん音ひとつひとつのメリハリが増し、実体感のある音になり、低域は程よく締まり、高域は凛々しくエネルギー感がある中に繊細さを垣間見ることができる。高域に関しては好みもあるだろうが、個人的には煌びやかで綺麗だと感じる。言い換えれば色づけされているとも言えるが、適度な味付けで嫌味はなく、隠し味程度の微妙な色づけ。空間表現はBlue Dragonより上手で、標準ケーブルと比べても若干広くなったと感じられるレベル。標準ケーブルと比べるとノリの良さが改善されているが、A Pure Soundほどのハイスピード感があるわけではない。Blue Dragonで「もう少しピシっとしてて明瞭で煌びやかな音色にしたい」と感じた場合にはSilver Dragonがオススメ。

解像度 8+

情報量 8

レンジ感 8

音場感 7+


★A Pure Sound V3 Headphone Cables(brack)

s-PICT00022.jpg

太さはBrack DragonやSilver Dragonと同じぐらいなのだが、こちらは硬くて取り回しが悪い。今回紹介するケーブルの中では最も硬い。

s-PICT00032.jpg解像度が高く、クリアー、ハイスピードタイプの音傾向だが、高性能からくる説得力は十分感じられる。一言で言えばZU Mobius系に属する。ZU Mobiusほどカッチリした音ではなく、ふんわりとした響きと広がりを持っており、洗練さを若干抑えたぶんだけ安らぎを与えてくれる。バランスは極めてニュートラル。低域はローエンドまでしっかり出ておりビシっと締まっていて濃く力強く実体感がある。高域は基本的には繊細だが低域同様実体感があり粒立ちが良いのが特徴。高域において痛い音は出さないが、ふわっと音が響く特徴の影響で時に派手さを生み出すことがある。徹底した繊細さを求めるのならば、高解像度による繊細さを出せるZU Mobiusを選択したほうが良いだろう。銀らしいシャープさ、クリアーさ、瞬発力、ノリの良さ、明快さ、明るさ、煌びやかさを持ちながら、銅らしい残響成分を持ち、音の調和表現が上手く、耳に優しい聞きやすさがある。銀のちょっと尖った要素を上手く緩和してくれているように感じる。雄大さや重厚さ、暖かみや柔らかさを出せるケーブルではなく、押し出しが強く直接的かつストレート、音場感が苦手という点を考慮すると、HD25との相性が良いと感じる。HD25においての音場感について補足しておくと、HD25はHD650ほど空間表現力に優れていないため、A Pure Soundを使用した際に音が密集してゴチャゴチャする傾向がある。これは逆に良いように考えれば、ストレートな押し出し感を出せていてロックなどに相性が良いとも言えるので、良し悪しは人によって変わってくるだろう。

解像度 8+

情報量 9

レンジ感 9

音場感 6


★ZU Mobius mk2

s-PICT00101.jpg

今回紹介するケーブルの中では扱いやすい部類に入る。コネクタ~分岐点まではケーブルが柔らかく、使い心地の良さに繋がっている。コネクタ、プラグ共にガッチリとした接続感。プラグ側の線材の接続はZU Mobius独自の方法を採用しているようで、あまり強度が強いとは思えない。全体的に造りがデリケートな部分はある。また、Zu CableはコネクタがHD650に合わせてあるためHD25での使用は不可能。

s-PICT00061.jpgクリアーで解像度が高く、粗さが全く感じられず細かな音まで潰れることなく明確に描き出す。レンジ感が優れており、高域の伸びは申し分なく、低域もローエンドまでしっかり出ていて説得力がある。HD650の潜在能力を存分に引き出してくれる高性能なケーブル。低域は引き締まりキレが良く弾力を持ち、HD650のノリの悪さを見事に改善。中高域は銀線らしく洗練されていて機敏、高解像度からくる繊細さがあり、若々しくピンと張った艶を持っている。ピシっと快活、明るく明瞭な音となってしまい、HD650が本来持つまったり感は消滅するので、本来のHD650の音が好きな人にはオススメできない。しかし、ZU MobiusによりHD650のキャラクターが大きく変えられてしまうものの、音場感に関しては今回紹介しているALOを除くケーブルの中では頭ひとつ抜けており、見通しよく広大で立体的な素晴らしい空間を形成することができるので、HD650の音場感を活かすという視点で見るならば、ZU MobiusはHD650らしさを伸ばせているとも言える。なんにせよ、「HD650 + ZU Mobius」という組み合わせはオールジャンルで活躍してくれるだろう。値段が高いと感じる人がいるかもしれないが、この性能であれば適性価格だと個人的には思う。ぶっちゃけ「HD650 + ZU( + m902)」の神話にメスを入れてやろうと老獪な企みを持っていたのだが・・・完敗です。


解像度 10

情報量 10

レンジ感 10

音場感 9


★ALO 18G Cryo

 s-PICT0003.jpg

太い、重い、硬いの三重苦。A Pure Soundと同等、それ以上の扱い難さ。音質重視な人向けのケーブル。

s-PICT0005.jpg解像度、情報量、レンジ感はZU Mobiusより僅かに上。「これ本当にHD650?」と疑ってしまうほどにリアリティのある音を出せる高性能ぶり。ZU Mobiusと比較するとキャラクターは対照的で、こちらは重厚で密度感の高い音。ワイドレンジかつ情報量が多く、解像度が高いことから、同じ重厚タイプのSilver DragonやBlue Dragonとは格が違うのを一聴して感じ取れる。低域は重く低く、実体感と豊潤さ、心地良さを両立しており、弦の揺れまで感じ取ることができる解像度の高さを持っている。高域は繊細で艶やか、こちらもまた解像度の高さを存分に感じさせてくれる。高域は独特のふんわりと心地良い響きを伴いサラサラとした質感。全体的に柔らかく艶っぽい暖かさを感じる音だが、基本性能が高いため音の説得力が強く決して緩い印象を与えない。心地良くもメリハリの効いた音は音の立ち上がりの速さが影響しているのだろう。音場感は頭一つ二つ抜けており、情報量の多さから残響成分をふんだんに感じられる影響で、広さ的にはZU Mobiusと変わらないのだが、s-PICT0009.jpgより強く空間を感じられるようになったという表現が適切だろう。HD650の音場感を最大限引き出せる音場系ケーブルとも言えそうだ。このケーブルの強みは響きの表現の上手さだろう。響きによって細かなニュアンスを感じさせてくれ、またハーモニーの美しさ、リアルな臨場感を生み出すことに成功している。クリアー明瞭タイプの極みがZU Mobiusならば、こちらはHD650らしさを継承した重厚で心地良いタイプの極み。HD650好きが音質重視でリケーブルするならALOがオススメ。音質のみで評価するならば、私の場合ALOが最も好みの音であった。


解像度10+

情報量10+

レンジ感10+

音場感10


★オーグラインケーブル(自作)

s-PICT0002.jpg情報量が多くエネルギッシュで密度感が高いのと同時に繊細さも併せ持っているのが特徴。厚みのあるタイプではなくどちらかと言えばクリアーなタイプなあたりはオーグラインが銀線ベースであることを思わせる。低域は重く低くビシっと引き締まっており実体感の強さはA Pure Soundと並んでトップクラス(厳密にはA Pure Soundのほうがより締まっていて実体感が強い)。高域は刺激皆無で標準ケーブルと同等かつ同種の繊細さを持っており、独特の艶があり色づけされているので好みが分かれそうだ。独特の艶やかな音色、重く実体感のある低域、この二つがオーグラインの主な特徴となる。低域方向へは低いところまで伸びるのに対し、高域方向へは低域と比較するといまいち伸びない。スピード感に優れておりキレが良くノリが良い点も見逃せない。迫力があり、ズシズシと体に響く実体感の強い低域を活かすという意味でHD25との相性が良いだろう。銀の特徴をベースとしながら銀の尖った要素を抑えるという音作りはA Pure Soundとよく似ており、あえてこの二つを比較するならA Pure Soundはストレート、オーグラインは繊細で優しい。A Pure Soundと違い、HD25においてもある程度空間の広さを形成し、綺麗に音が配置されるため、音の実体感ではA Pure Soundに劣るものの、音の存在感はオーグラインのほうが勝っているように感じる。A Pure Soundとオーグラインは今回紹介しているケーブルの中で、実体感のある低域を出せるツートップと言って間違い無いのだが、細かく分別するのならば、実体感のA Pure Sound、存在感のオーグラインとなるだろう。

解像度 8

情報量  9

レンジ感 8

音場感  7+


★オーグライン Pt(自作)

オーグラインに更にプラチナを混合したケーブル。値段はオーグラインの4倍もするが、音質的にはほとんど同じ。基本的なクオリティーの差は感じ無い。オーグラインに比べ、音に芯があり実体感が強まり、多少エネルギー感が強いように感じる。オーグラインと比べ値段ぶんの優位性があるとは思えないので個人的にはオススメしない。オーグラインPtを選択するのは自己満足以外のなにものでもない。万能型HD25を求めるのであれば、非常に適した線材である。

解像度 8

情報量 9

レンジ感 8

音場感 7+


★まとめ(+独り言)

ここまでやっておいて言うのもなんだが、いくらリケーブルしようがHD650がHD650であることに変わりはない。基本性能を数値化することで「差」を強調してはいるが、限りなく「微小な違いの範囲内での差」であることに注意してほしい。ハッキリ言ってどれでもほとんど一緒と言ってしまってもおかしくない、それぐらいの差なのだ。なにしろ元となるヘッドフォンは全て同じであり、当然ベースとなるのは常にHD650であるわけだから。言い換えれば、元々のHD650が好きでないのならば、もっと自分の好きな音を出せるヘッドフォンを買ったほうが手っ取り早いし賢い、と私は考える。


>独り言(スルー推奨)

私を含め、高額なケーブルに付け替えてまでHD650を使用するのは酔狂者と言っても過言ではないだろう。もちろん人によって考え方は違う。多額の投資をしてリケーブルし、HD650を使うのが間違いだとは言わないし、正解だとも言えない。ただひとつ言えるのは、ここまでしてHD650を使う人はよっぽどHD650が好きな人なんだろうなぁ、というのが個人的な感想である。確かにZU MobiusやALO 18G Cryoでは大きな基本性能の向上により、HD650とは思えないほどのクオリティーを発揮することが出来たが、元から高性能な機種を使用したほうがいいのでは?と考えてしまうのは私だけではないはずだ。「HD650ならではの良さがある」という意見も否定はしない。しかし、私からすれば例えばATH-W5000を使用して環境側で音質を調整したほうが遥かに高みを目指せるわけで、リケーブルしてまでHD650を使う利点を見出すのは難しい。そもそも、私自身がHD650をそんなに好きではないからこのような考えが出てくることに対しては疑う余地が無いと自分でも感じており、HD650を好きな人であれば、リケーブルしてまでHD650を使うに値するだけの理由を見出せるのだろうとは思う。私の中にこれだけのケーブルを試してみたのは無駄ではなかったという考えもある。これは別に自分を慰撫するためだとか、自分を肯定したいがためではなく、この企画を始める前に、自分にとってのHD650の限りなくゼロに近いマイナスからプラスに転ずる可能性を朧げながら感じ、希望を持っていたからにほかならない。そして、結果的にZU MobiusやALO 18G Cryoは見事その期待に応えてくれた。中でもALOはHD650としての完成形を見せてくれたと感じたことは事実。ただし、そのHD650の可能性はHD650という限られた世界の中での話であって、ヘッドフォン界全体で相対的に見るならば、最初に語ったようなHD650のリケーブルの意義に対する疑問が生まれ、数多くのヘッドホン全てというマクロ的な視点とHD650のみの限られたミクロ的な視点の混同から生まれる葛藤が存在する。リケーブルとはそのヘッドフォン内の話であり、HD650であればHD650の中でだけの話に留めておくべきなのか、それともHD650という範疇を超え、ヘッドフォン全体と並べて比較してもよいのか。HD650の音とはHD650の標準ケーブルを使用した時の音、リケーブルを施した時点でHD650ではないのか、リケーブルしたHD650はHD650ではないのか。様々な思いが駆け巡り、明確な答えを導き出すのは難儀である。ま、あれだな、実際やってみて自分にとって良いと思えればそれで良いじゃないか?


HD650のリケーブルはHD650が基本的に好きであることが重要だろう。そして、HD650で感じている「僅かな不満」がもしあるのならば、その僅かな不満を解消するという目的でリケーブルするのは賢い選択だと思う。根本的にHD650が好みと合わないのであれば、別ヘッドフォンを選択することをオススメしたい。

最後に、もしリケーブルをするのなら、値段と入手のし易さを考慮し、HD650のキャラクターを大きく変えてしまわないという意味ではSilver DragonやBlue Dragonが優秀だと思う。音質最重視で金に糸目を付けないのであれば、ZU MobiusやALO 18G CryoはHD650以上のHD650を感じさせてくれるので試してみる価値は十分にある。ただし、これらの高性能ケーブルはそれなりの環境が無いと真価を発揮できない(特にレンジ感)。ポータブル環境等ではオーバースペックになってしまい勿体無いように思うので、購入の際にはよく熟慮し決定してほしい。性能が高いとは言えないHD25にしても、Silver DragonやBlue Dragonがスペック的に相性が良い。他にCardasやOehlbach、Equinox、CLOUなど、HD650で使用できるケーブルがメーカーから販売されているので、それらを選択するのもいいだろう。



HD650レビュー

HD25レビュー

HD25-13 Ⅱレビュー

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サウンドカード96/8 PSTのアナログ出力とm902の内蔵DACを比較してみる。


★環境


①96/8 PST ⇒ Muse-Cable(デジタル) ⇒ m902(DAC&アンプ)

②96/8 PST ⇒ 【フォン→RCA変換ケーブル】 ⇒ Muse-Cable(アナログ) ⇒ m902(アンプ)

①ではm902側でデジタルからアナログへ変換
②では96/8 PST側でデジタルからアナログへ変換

m902の電源環境に注意。

壁コンセント:ER-PSX(Eau Rouge) 
電源タップ:SBT-4SZ(オーディオリプラス) (コンセント:ER-PSX)
壁コン~タップ:Cloude Nine Full(Stealth) 
m902:allegretto AC

①ではm902のアンプ部にのみに上記の電源の影響があり
②ではm902のDAC部とアンプ部に電源の影響があるということ


★比較インプレ

情報量はm902内蔵DAC(以下m902)のほうが若干上。
(m902と96/8 PSTの情報量の差を1とするなら、m902とDenDACの差は2)
SN比もm902のほうが上だが、これは96/8 PSTのデジタル出力が優秀なためかもしれない。
解像度は96/8 PSTのほうが上。

96/8 PSTは非常に明瞭でクリアー、メリハリがあり輪郭のあるシャープなサウンド。
96/8 PSTと比較するとm902はぼやけた音に聞こえる。

96/8 PSTは力強くエネルギッシュ、音に芯があり押し出し感がある。
m902が粘土が高くて重く、沈み込むような低域なのに対し、96/8 PSTは芯があり力強くパワフル、量感も多く、音圧をより強く感じられる低域で、電源ケーブルに例えるならEE/F-S2.6と似たような低域。
96/8 PSTの高域はエッジが立っており刺激的、繊細で全く痛さの無いm902とは対照的。
96/8 PSTは音の分離感が強く、Voもクッキリ分離、音の実在感を感じる。
一方m902は全体感が強くて響き豊か。

96/8 PSTは明瞭、クリアー、音の分離感が強く、メリハリがありシャープでエネルギッシュな力強いサウンド。
m902は空気感を感じ、全体感が強く、柔らかく優しく、深みのある落ち着いた大人なサウンド。


★総評

なぜこれほど音色に差が出たのだろうか。
全てはm902の電源環境がm902内蔵DACに及ぼしている影響によるものだと考えられる。
特にアレグレットACの特徴がm902側で強く出ている。
今回の実験結果から、DACには電源ケーブルの影響が強く乗るが、アンプにはあまり乗らないことがわかった。(しかし、これは環境によって変わってくるように思うので、私の環境での結果だと補足しておく)
なぜなら、96/8 PSTのアナログ出力によるセッティング、つまりm902のアンプ部にのみ電源環境の影響があるセッティングの場合、アレグレットACの特徴がかなり削ぎ落とされてしまっているからだ。

m902は元々モニターライクな音である。
しかし、電源環境によってこれほどまでにアナログ的な音となっているのだ。
音色は電源環境次第でかなり自由に変えることができると言えるだろう。

さて、となると、性能を比較するのに最適なのは情報量だろう。
今回の比較ではm902のほうが情報量は僅かに上回っていた。
しかし思い出して欲しい。

②96/8 PST ⇒ 【フォン→RCA変換ケーブル】 ⇒ Muse-Cable(アナログ) ⇒ m902(アンプ)

 【フォン→RCA変換ケーブル】の部分。
 96/8 PSTのアナログ出入力はフォン端子なのだ。
そのため急遽用意した安物の 【フォン→RCA変換ケーブル】を使用している。
この部分でかなり情報量をロスしているように思う。

このことを考慮して再度考えてみると、m902と96/8 PSTの性能はほぼ同等だろう。
解像度や音の分離感といった部分も含めると、96/8 PSTのほうが性能が高いと言えるが、m902も電源環境次第で96/8 PSTのような音にすることは可能であるのは過去の経験上わかっている。
ちなみにDenDACも解像度が高いと言えるような音ではなく、アナログ的な音なので、見かけの性能は低く感じるかもしれないが、出せている情報量は96/8 PSTよりもm902よりも多かった。


★最後に

一般的な意味での高音質、となると96/8 PSTのほうが上だろう。
しかし、私は圧倒的にm902の音のほうが好みである。
ただ、ロックやジャズには明らかに96/8 PSTのサウンドのほうが合う。
打ち込みも96/8 PSTのほうが合うが、女性Voはm902の音のほうが合う。

私の今までの環境(m902をDAC&アンプで使用)ではロックは聞けたものではなかった。
今回の実験の結果は「ロック用サウンド」という嬉しい副産物を与えてくれた。
96/8 PSTからのアナログ出力とデジタル出力をm902側のセレクターで切り替えて使うことで、ジャンルごとにより適正な音で音楽を楽しめるというものだ。
このあたりがm902の利便性を感じる部分でもある。

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★インシュレーターとの組み合わせ

DAC、アンプ:m902
ヘッドフォン:USTヘッドフォン
オーディオラック:木製(タモ材)


①★サンシャインシート無し + メタルバブル

②と比較して、低域が締め上げられ多少主張してくるようになる
②より音の分離感が強い
バランスはフラット

②★サンシャインシート無し + WOOD BOY

トゲのない柔らかく優しい音、とても聞きやすい
音の分離感は弱くなり全体感が強い
低域が全体に馴染む感じ、中域が最も目立つ、バランスはフラット~カマボコ
Voが活きる
響きがあり、ふんわり優しく心地良い

③★サンシャインシート1.4mm + メタルバブル

①と比べ、実体感が増し、音の深みが増す
全体的な雰囲気、空気感が減退する
重心が低くなりどっしりと安定した低域、低域の変化は凄まじい
①と比べ繊細で細かな部分まで聞き取れる
空間がクリアーになる
バランスはピラミッド型へ

④★サンシャインシート1.4mm + WOOD BOY

③と比べると低域が弱い、若干緩くなりモコモコする
バランスはフラット~ハイ上がり
高域が主張してくるせいか、多少シャリつく感がある
常時ツンとした痛さ(黒檀の特徴?)
②と比べると音が厚く、実体感があり音の存在感が増す


★総評

最も聞きやすい音だったのは②のWOOD BOYのみ使用。
タモ材のラック、WOOD BOYの木製コンビ。
非常に耳に優しく、角の無いふんわりした心地良い音。
もっと響きが良くて痛さの出ない木材(黒檀より柔らかい木材)を使用すると更に心地良さを引き出せるだろう。

次に聞きやすい音だったのが①の組み合わせ。
サンシャインシートを使用しない場合は空気感や雰囲気を出せるので、聞きやすさの点で有利。

その次に聞きやすいのが③のサンシャインシート + メタルバブル。
タモ材のラックが下地にあり、金属+金属の組み合わせだ。
この結果は意外だった。
サンシャインシートとメタルバブルが合わさることで、金属感が増すどころか非常に有機的な深みのある音となった点が面白い。
痛さは全く無く、②や①とそれほど遜色ない聞きやすい音。
これはこれで魅力的な音だと感じる。
実体感があり、なおかつ分離感も高く高解像度で細かな音まで鮮明に描き出す。

これも意外だったのが④の組み合わせ。
タモ材のラック、サンシャインシート + WOOD BOY。
インシュレーターが木製なので、柔らかい音の方向へシフトするかと思いきや、逆に聞き疲れのするシャリつく音になってしまった。
サンシャインシートとWOOD BOYの合性が悪いのだろうか、今回の実験で最も耳に痛い音であった。
黒檀の欠点が出てしまったのか、サンシャインシートの欠点が出てしまったのかはわからないが、この組み合わせは個人的にはハズレであった。
WOOD BOYはラックに直置きが最も合性良し。

以上の結果から、サンシャインシートはメタルバブルと併用することで好結果が得られること、WOOD BOYはサンシャインシートと併用すると癖が出現することがわかった。

勿論、WOOD BOYと合性の良いボードが存在するだろうし、サンシャインシートともっと合性の良いインシュレーターもあるだろう。

組み合わせ方によって全く違った鳴り方になるのがオーディオアクセサリー。
いろいろ試してみて良い結果の得られる組み合わせを探すのもまた面白いものだ。

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★原因は何?

ブレーカーを変更してからどうにも音がおかしい。
ずっと違和感を感じていた。

少し前まで感動的な音を出していたのに、ブレーカーを変えてからは淡々とした無機質な音で全然音楽を楽しめない。
やたら高域ばかり目立つのも改善される兆しがない。

ひとつ気になる点があった。
ブレーカーとメインブレーカーに大量に貼ったfo,Q
電源関連、しかも最上流部分に貼ったfo,Qがそんなに音に影響するのか?
という思いからスルーしていたが、今までのfo,Qの悪影響ぶりから考えるに音がおかしい原因だとしてもおかしくはない。

腹をくくり、ブレーカーのfo,Qを全部剥がしてみた。
ブレーカー専用のクライオ処理がされたfo,Qも当然剥がす。

結果、見事復活。
音が文字通り「生き返った」。
高域ばかり主張してくる変なバランスも改善され、どっしりした低域をベースとするバランスへ。


★fo,Qの及ぼす影響

おそらくこのアクセサリーは付帯音を削り、響きを殺すことが最大の難点。
響きを殺してしまうので、空間の音の広がり、特に前方方向への広がりがバッサリ切られてしまい、音響は無くなると言っていい。
そして響きの死亡の影響を一番受けるのが低域のようだ。
低域の持つ響き成分をカットされることで低域が痩せ細り、それにより量感バランスは逆ピラミッド型になってしまう。
同様に楽器やVoなどの響きも殺され、何とも味気ない、無機質な淡々とした音になってしまう。


★fo,Qは効果はある、が・・・

どこに貼っても滅茶苦茶に効果を発揮する。

私はひとつの結果だけから製品の本質がわかるとは思わない。
fo,Qによる悪影響が私のシステムに欠点があり、それが浮き彫りになっているという可能性もある。

そこで、様々な場所に、様々なサイズでfo,Qを貼ってみた。

アンプ、電源関連(コンセントプレート、電源プラグ、電源コネクタ、電源ケーブル)、メインブレーカー、CDPなどなど。
オーディオシステムに関わる部分なら、どこに貼っても私の環境の場合同様の悪影響が確認できた。
本当に小指の先程の大きさのfo,Qを電源プラグに貼るだけでもおかしくなるのだ。
どうも現状の私のシステムでは上手く使いこなすことは不可能なようだ。

振動を抑えるという目的ならば最高だが、オーディオ的には疑問の残るアクセサリー。
一概にfo,Qは駄目だとは言い切れないが、少なくとも私の環境ではどんな使い方をしても良い結果は得られなかった。
オーディオアクセサリーを代表する製品なだけに、上手く使いこなすことも可能なのだろうとは思う。

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デジタルケーブル。
デジタル信号を伝送するケーブル。

過去に光ケーブルだけでも4種類試して確かに音は変わっていたので、「デジタルケーブルでも音が変わる」のは理解していたのだが、やはりどこかに「そんなに変わらないだろ」という思いが強く残っていた。
情報量ぐらいは変わるだろうとは思う。
これは光ケーブル同士の比較の時に感じたからだ。
情報量の差から「音の厚み」や「密度感」「細かな部分まで再現できる」といった部分も変わってくる。
しかし、音質、音の傾向までは流石に変わらないでしょ?
デジタル信号よ?デジタル。
とにかく、デジタルケーブルなんぞで音変わるかー!って考えが強かった。

そこで今回、光ケーブル、shima2372氏自作同軸デジタルケーブル、Muse-Cableを比較してみた。
先に書いておくが、光ケーブル同士で比較した時以上にハッキリと差が現れた。
驚く程にハッキリと・・・


shima2372氏自作同軸デジタルケーブル→光デジタルケーブル

光ケーブルに変えると、低域がクッキリハッキリと浮き出てきた。
分離感が上がったように感じる。
低域だけでなく、Voや各楽器の音も分離感が上がりそれぞれの音が混ざることなく聞き取りやすくなった。
逆に言えば、shima2372氏のケーブルは音がぼやけていて混ざり合っていると言える。
そして、光ケーブルでは残響音や音の広がりが減退した。
shima2372氏のケーブルでは響きや広がりを感じ、空気感であり空間表現力は上手い。
これはshima2372氏自作シリーズ全てに共通する特徴である。
そして若干中高域に艶っぽさが乗り、アナログ感があり温かみが乗る。
簡単に言えば光ケーブルは無機質、モニター的。
スピード感は光ケーブルの方が上、shima2372氏のケーブルでは若干もたつきを感じる。


Muse-Cable

中高域が艶やかで、響きは美しく気持ちよく音が広がる。
広がり、響きが素晴らしい、それでいて低域がぼやけず締まっており音の分離感も高い。
そして最も差を感じたのが情報量の差だろう。
他のケーブルではそれほど気にもしなかった音にエネルギーが加わり一気に主張しだしたのだ。
細かな音にまでエネルギーが宿り、量感が増えハッキリ聞き取れるようになった。
絃を弾く音や擦れる音までハッキリと聞き取れるようになったし、Voの息遣いも感じ取れるようになった。
そのためリアリティが格段にアップした。
スピード感は今回比べた中ではTOP、ハイスピードでノリが良い。
情報量の高さ、スピード感に優れ、基本性能の高さを維持しつつ音楽的な表現(空間表現、艶やかさ、温かみ、柔らかさなど)を高いレベルで付加したのがMuse-cableだ。
「ロックやメタルには合わないかな」とも思ったのだが、スピード感があり音の分離が良いので意外と合うように思う。
デジタルケーブル、RCAケーブルを全てMuse-Cableにしてしまうのも有りかも・・・という考えがよぎる。

他のハイエンドなケーブルを試してみたいなぁ。
多くのケーブルを比較しないと相対的に見てどの程度なのかがさっぱりわからんね。

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久しぶりにヘヴィーメタルを聞きたくなったので、ついでにHD25、K1000、edition9のメタル適正を検証してみた。

環境は以下の通り

プレイヤー:PC
サウンドカード:96/8 PST
DAC & HPA:m902(電源ケーブル:Cloude Nine Full)
壁コン:SSD2
タップ:SWO-XXX入れたオリジナル

見ての通り、思いっきり音場重視のシステム。
これが私の好きな音で、メタルには全く合わない環境だろうw
この状況でどれだけメタルの良さを引き出せるか、といった実験的な部分もあるわけだ。


fr_tf.gif

サンプル音源:Children Of Bodom - Follow The Reaper


K1000

s-P1010126.jpg音場は広いとは言えず響きも適度だが、音の抜けが良い点はK1000らしい。
抜けが良いためスッキリしててスカっとした音。
そのため空間全体の密度感、濃さ、音の厚みは無い。

ギターの音のキレが抜群。
エッジが立っておりキレがよく、またスピード感があってギターが栄える。

スネアの音がタタタン!っとインパクト時の音が硬質的なまでに締まって聞こえる。

バランスはややハイ上がり。
低域の迫力に欠け、Voは前面には出てこず、ギターやキーボードの音が主役的な感じになる。


edition9

m-edition9-4.jpgゾネホンのSロジってのは本当に曲者だ。
久しぶりにedition9を聞くのだが、このグルグル回りぐちゃぐちゃになった空間に慣れるのにしばらく時間がかかってしまう。
しばらく聞いて慣れてくると、空間が落ち着いてきて違和感が無くなるので問題無いと言えば問題ないのだが。

解像度の高さは流石で、これは全てにおいて言える。
スネアのスナッピーの響きまでしっかり表現してくるので、インパクト時の打音そのものよりもスナッピーの響く音のほうが強く出てくる。

低域が支配的だが、音の分離感が高いため各楽器の音は独立している。
低域が強いが、それと同じぐらい高域の主張も激しく、シンバル音などは刺激的だ。
バランスはフラット~ややドンシャリだろう。
そのためVoは前面には出てこず、K1000と同程度の位置。

音の締まりは感覚上ではK1000のほうが上に感じる。
これは質が違うのでそう感じるのだろう。
つまり、edition9は重く実体感がありつつ締まるのに対し、K1000は軽く鋭く締まる。
細い棒でタンッ!と叩くのがK1000、丸太でダンッ!と叩くのがedition9だ。

空間は広いとは言えず、響きも控えめ。
響きはK1000と同レベル、つまりedition9も余計な残響音や響きを付加していないのだろう。
k1000との違いはスカっと音が抜けていくかいかないか。
K1000が野外Live、edition9がホール内Liveといった具合だ。


HD25(オーグラインver)

s-P1010116.jpg空間の広さ、響きが素晴らしい。
スネアの音が、タンッ!→スーーーっと広がっていくし、キーボードの音が空間上空を覆い全体を演出する。
ベースとなるのはガツンとくる直接的な聞かせ方なので、決して音場重視系の鳴りでは無い。

重くて密度感のある低域はある意味edition9を超える。
editioin9がグレープフルーツならHD25はスイカ。
単純に迫力があるのがHD25で、ドン!とくる低音だ。
重心の低いベースは地を這うようだが、edition9のように全体を支配するような強い個性はない。
おそらく、解像度がedition9と比べると低いため、全体に馴染む、散漫として溶け込んでいるせいだろう。

3機種の中では最もVoが前面に出てくる。
しっかりVoを楽しむことができ、全体のバランスが良い。

空間全体の密度感、音の濃さであり厚みがあり迫力満点。
ゼンハイザーの空間表現の上手さは評価すべきものがあるように思う。

真空管アンプ+HD25でも感じたのだが、HD25の環境の変化に鈍感な点は結構助かる。
要するに、あまり環境次第で劇的に音が変わらないのだ。
つまり、どんな環境にしてもHD25らしさってのがシッカリとガッチリと存在し、環境の変化でスパイス的に味付けするといった感じだ。
そのため、大きくバランスが崩れることがなく、非常に扱いやすいヘッドフォンと言える。
ただし、空間表現に関してだけは別。
広さだけでなく、空間の空気感の質までもが環境の変化に素直に答えてくれる。
これは音場感に関しては固定的なヘッドフォンが多い中、それらと比べた時の話である。
GRADOやULTRASONEの音場も勿論変化はするが、固定的であって大きく変化しない。
独特の音場感を持つメーカーは、ガチっと音場感を固定しているケースが多いのではなかろうか。
と想像してみたり。


★総評

現在の環境ではHD25が最もメタルを聞くのに適している。
K1000はメタルよりも明るく軽いロックなどに向いているだろう。
今回使用したサンプル音源はメロディックデスメタルのため、ダークな部分を引き出せないと辛いものがあるのでK1000には合わなかった。

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