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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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cb42df02.jpeg型番:K701(No.37891)
メーカー:AKG
タイプ:開放型ヘッドフォン
インピーダンス:62Ω
感度:93dB
再生周波数帯域:10 - 39,800Hz
プラグ形状:φ6.3/φ3.5ステレオプラグ
コード:3m
重量:235g

メーカー製品紹介ページへ

 


 側圧は若干強め、ヘッドバンドが硬めでカチっとした装着感。イヤーパッドも固め、もう少し気持ちの良い装着感を目指して欲しいというのが正直なところ。 頭頂部が痛くなります。ケーブルの太さ、柔らかさは問題なく取り回しは良い部類。開放型ということもあり盛大に音が漏れる点は注意が必要でしょう。

まず、このK701というヘッドフォン、おそらく感度の低さが影響してか「非常に鳴らし難い」です。環境追従性がどうのとか、音量が取りにくいという意味ではなく、単純に「本来の鳴りを引き出すためにパワフルなアンプが必要」ということです。例えばローインピーダンス用、ハイインピーダンス用とフォンジャックが分かれて用意されているようなアンプで鳴らしてあげるとよいでしょう。鳴らし難いヘッドフォンは数多くあると思いますが、しっかり駆動できている時とそうでない時の音の差がこれだけ大きい機種は珍しく思います。

s-PICT0040.jpg基本性能は同価格帯と同等。解像度、情報量、レンジ感、どこを見ても特に弱点と感じる部分はありません。バランスはフラット~僅かにカマボコ型。低域は緩いと感じることはなく、「緩みの無い豊か路線の低域」といった感じ。量的には多いとは言えないので豊かとは言えませんが、方向性としては豊か路線です。質は多少薄めで軽く、最低域まで重く沈み込むタイプではないので、軽やかに音楽を聞きたい時には非常に適しているように思います。中域は若干量が多め、音がスーっと広がり魅力的な中域を持っています。個人的にはK701の最大の魅力は中域にあり!と感じます。中~高域にかけてはAKGらしい繊細さに加え、鋭さの無い綺麗な音色に整えられています。SENNHEISERのような美音系繊細さではなく、ガラス細工のようなクリアーな精彩さ、細い体の隙間を縫うように駆け巡る凛々しさを持った繊細さです。全体感の強い鳴りで、どこかコンデンサー型の鳴りが頭を過ぎることもあるでしょう。この影響もあって、細く繊細でアッサリした音でありながら全体感の強い安堵感のある音がベースとなっています。一見両立し得ないように思う要素が見事に一体となった完成度の高い音となっています。音場感が優れており音が遠くまで170e004a.jpeg広がっていきますが、過剰に響きが乗っているという印象は一切ありませんし、開放型らしく閉鎖感の無い鳴りをする点は開放至上主義者には朗報かと思われます。音色は何系と言われれば美音系に入るとは思いますが、薄くマスキングをかけて粗を隠して綺麗に見せる的な美音で、スモークによる演出のような薄くふわ~っと幻想感を纏ったような美しさで心地良いです。音の立ち上がりはまずまず、とりあえずモタついて遅いと感じることはない程度、決して速くはありません。同価格帯であり同じ開放型として頻繁に比較されるHD650と比べると、HD650が洗いたての猫、K701がその後ブルブルして水分を飛ばした猫みたいな感じでしょうか。似ていると言えば似ていますが、同系統でありながら重厚系、アッサリ系という区別ができます。

得意ジャンルはクラシックで低域を必要とする楽器の入っていないもの。特に弦楽器を繊細に聞きたい時にはピッタリです。基本的にアッサリした音なので、あまり迫力(パワー)を必要とするものやVoモノ(肉声)などには向いていないように思いますが、逆に繊細さを活かしてこそのK701、個人的にはジャンルを問わず、小音量で深夜にストレスフリーにBGM的に聞くときなどには重宝する機種だと思います。「線の立った繊細な高域」はAKGの専売特許です。

s-PICT0039.jpgK701は全体感強めの鳴りでふわりとした幻想的な味付けがあるため、癒し系ヘッドフォンを求めている人が対象になるヘッドフォンだと思います。決して元気な、パワフルな、快活な、カッチリした、そんな音のヘッドフォンではありません。落ち着いていて華奢で可憐、落ち着いた音が好きだけど重苦しいのは苦手、といった人にお薦めのヘッドフォンです。惜しむらくは頭頂部の痛くなる装着感、これで装着感が良ければ・・・そう、DT880を思い出します。音の傾向から導き出される用途的にも似ているのではないでしょうか。地味な色のヘッドフォンが多い中、白いヘッドフォンというのは貴重で、明るく華があって個人的には有りだと思います。デザインは微妙ですが・・・

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レビューお疲れ様です。
レビューお疲れ様です。
K701は私のお気に入りの機種で、おそらく所有しているヘッドホンでは一番出番が多いくらいです。頻繁に使用する理由は、まみそさんの指摘するとおり、クセの少ない美音系で耳に優しいところだと思います。布製イヤパッドも心地よいですし(頭頂部には優しくないですけど…)。
K701より解像度や性能の高いヘッドホンは確かに存在しますが、個人的にはK701くらいが一番リラックスして音楽を楽しめる気がします。余計な神経を刺激しない、やさしいヘッドホンだと思います。

無骨な見てくれの多いヘッドホンのなかで、風変りなカラーリングとデザインも個人的には好みだったりします(笑。
だおさん URL 2009/02/14(Sat) 編集
をお!
こんばんは、ろばです。
多彩な表現に脱帽でございます。
特に、洗い立ての猫と、ブルブルして水分飛ばした猫とか。

K701の音とデザインは今でも大好きなのですが、装着感がどうしても合わずに手放してしまいました。

...微妙ですか、ソウデスカ...でも、好きです
あのデザイン(笑)
ろば 2009/02/15(Sun) 編集
K701装着感
>だおさん

レビューでも書きましたが、K701とDT880が用途的にかぶります。
DT880はそんなたいした機種ではありませんが、聞きやすさと装着感をハイレベルで両立できているイージーリスニングホンで素晴らしいです。

>ろばさん

装着感、、、ですよね~。
AKGで装着感が良いと感じたことって一度もありません。
頭頂部だけヘッドバンド切り抜けばいいのに、とか思いますw
まみそ 2009/02/17(Tue) 編集
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