★19AQ5単管・ステレオヘッドフォンアンプ(春日無線変圧器)
画像を見ての通り、通常版とは見た目と中身が違う。
何が違うとは細かく説明しないが、改造してあるので通常版とは少し音が違うということを最初に補足しておく。
※以下の感想は全てm902との比較になっていることに注意
★19AQ5
慣れ親しんだm902と比較して、まず一聴して解像度の低さ、音の分離の低さ、情報量の低下といった所謂基本性能と言われる部分の低下を感じた。
しかし、これらの点に関しては音を聞く前から予想していたのと、思っていたより遥かにクリアーで綺麗な音が出てるなと逆に驚いたものだ。
というよりも、私はいわゆるモニター的な音とは対極のアナログ的な音を真空管アンプに期待していたので、「期待通り!」の音だと言えるだろう。
各音をそれぞれビシっと分離せず音が繋がり全体で聞かせる感覚は、全体で見たときの音の厚みや密度感が増し、解像度の低さから粗が見えるが、この粗が空気感を感じやすく音の温かみを感じさせてくれる。
この鳴り方から、音楽の世界にどっぷりと浸ることができるヘッドフォンアンプだと私は感じた。
情報量の低下も関与しているとは思うのだが、微細な表現、ニュアンスまで明確に描き出すことができなくなってしまい、リアリティ、実体感といった部分の減少は否めない。
バランス的にはほぼフラット~中高域寄り。
高域は鋭く刺さる高域ではなく、角が取れて刺激の無い聞きやすい音。
かなりキツめのソースでも心地良く聞かせてくれる。
ノイズは皆無。
真空管なのでノイズは付き物かと思っていたのだが、ノイズを感じることは今のところ全く無し。
SN比はかなり優秀なようだ。
m902と比較しても同等レベル(差を感じ無い)。
一番気に入ったのが、音像がぼやけたこと(イイ意味で)。
一見悪いことのように思われるが、これによって音がピンポイントではなく広範囲で出てくるようになった。
一番分かりやすい例だとVo。簡単に、極端に言えば小口ではなく大口。
空間全体にVoの声が響き満ちる感覚を存分に引き出してくれる。
ただし、空間の広さを感じにくくなってしまうのが欠点だろう。
m902では各音がハッキリと分離し、それぞれの楽器の位置があり、その距離感がしっかり把握できるので、空間の広さをイメージしやすい。
対して真空管アンプは分離感が弱く、音が繋がり全体で鳴らすので、距離感を感じにくい。
当然どちらが良いとは言えない。
それぞれに利点があるように私は思う。
私的には真空管の鳴り方こそ理想だったりする。
★WE408A
この真空管HPAには408Aという球も使うことができる。
バランスは中高域寄り。
どっしり、ぐっとくる低音が出ないので、全体的にアッサリした印象で、スッキリしてて外見上の解像度は高く感じる。
その代償と言ってはなんだが、中高域の美しさは圧倒的。
高域は繊細で可憐、響きを楽しむことができる。
Voの魅力を非常に引き出してくれる球である。
★19AQ5と408A
個人的には19AQ5のほうが好み、私の中にあった「真空管の音」のイメージにビシっとはまった。
408Aは低域が出ないのが最大の弱点、中高域の美しさは抜群なのだが・・・
私の好みからすると、総合力で19AQ5、中高域の美しさに限定するなら408Aといった感じだろうか。
どちらも良さがあるのでジャンルや気分によって使い分けができそうだ。
★電源ケーブル
私の真空管HPAは3Pインレットに変更してあるので、電源ケーブルを付け替えることが可能。
電源ケーブルによって音が変わることを痛感しているので、これだけは絶対に必要だと思ったのだ。
結論だけ言うが、電源ケーブル次第で低域の弱さは改善可能。
情報量や解像度といった基本性能部分も向上させることができる。
物足りないと感じる部分を補えるような特性を持つ電源ケーブルを合わせるといいだろう。
現在のシステムでは、m902のヘッドフォン出力を完全に上回った(より私好みの)音を真空管HPAから出せている。
★真空管+ヘッドフォン
真空管アンプで鳴らすとイイかも!?と思っていた機種がいくつかある。
GRADO RS-1 : 艶やかな音を出すRS-1、良さを更に伸ばせそう?
ULTRASONE edition9 : 高域の刺激を上手く和らげられるか?
EXH-313ver2.0 : メイン機種USTヘッドフォンはどう生まれ変わる?
SENNHEISER HD25 : 番外編
それぞれ簡単にコメントしていこう。
(☆はヘッドフォンと真空管の相性、最高☆5個)
■GRADO RS-1 + 19AQ5 ☆☆☆☆☆
音に厚みが出て重厚になった。
どこか音がスカスカしたイメージのあったRS-1の弱点を上手く補完できたと言えそうだ。
RS-1のイイ部分が上手いこと伸びており、悪くなったと感じる要素は無し。
元々音場感を得意とする機種ではないので、真空管の鳴り方が上手くはまったように思う。
RS-1の売りであるVoは前に出てきて更に魅力的になった。
こいつはかなりイイぞ。
■GRADO RS-1 + 408A ☆☆☆☆☆☆
19AQ5と同様、これもまた合う。
中高域寄りな408AがRS-1の艶やかな音を更に艶やかにしてくれる。
バイオリンの音などは涎が出そうだ。
これは・・・満点以上の☆6個つけよう。
RS-1は真空管で聞くべし!
■ULTRASONE edition9 + 19AQ5 ☆
モニター的でHiFiな傾向のあるedition9に真空管のアナログ感は合わないようだ。
edition9の良さである高解像度、音の分離感、情報量といった部分が減ってしまい、edition9の売りと言える部分を減退させてしまっている。
んまぁ、これはこれで良い音ではあるのだが、edition9らしいとは言えない。
何に繋いでも性能の高さを感じさせてくれるのは流石だが、全然真価を発揮できていないので相性は悪いと判断。
■ULTRASONE edition9 + 408A ☆
確かに、素晴らしい音ではある。
が、edition9でこの音はどうなんだろう?
やっぱり、バキバキに高解像度、締まり、メリハリある音にシステム組んだほうがedition9らしくて良いと個人的には思う。
■EXH-313ver2.0 + 19AQ5 ☆☆☆
USTと真空管がこれほど合うとは・・・
USTが元々持つ心地良さをグンとUPさせることに成功。
真空管の全体で鳴らす感覚により音が空間に満ち、音に包まれる感が倍増。
音楽の世界にどっぷりと浸ることができる。
より心地良く!より聞きやすく!
最強のヒーリングカップルの誕生である。
ただし、空間表現力が落ちるのが欠点なので☆は3個。
■EXH-313ver2.0 + 408A ☆☆☆☆
USTは元々Voを得意としているが、この組み合わせはもう・・・
なんと表現したらいいのかわからない程に美音。
中高域の美しさは圧倒的なまでにm902を上回る。
我が家では女性Voモノを最も魅力的に聞かせてくれる組み合わせ。
空間表現は19AQ5より上のため☆4個。
■SENNHEISER HD25 + 408A ☆☆☆☆☆
これは予定になかったのだが、たまたまHD25を使ってみたら予想外に良かったので番外編として載せておく。
HD25の音のイメージからして、真空管には合わないだろ!
と決め付けていたのだが、意外や意外これが合う。
特に408Aとの相性は素晴らしく、お互いが上手く弱点を補完し合っている。
低域の量感があるHD25と中高域の量感の多い408Aが合わさることで、なんとも絶妙なバランスになり、HD25らしさを維持しつつも真空管の魅力が上手く上乗せされている。
相変わらずロックには合うし、打ち込みやポップスなどへの適正度がアップしたように感じる。
★まとめ
真空管アンプでありながらノイズが無い点は非常に魅力があるのではないだろうか。
また、分析的には説明しにくいのだが、感覚的に「聞いてて心地良い」、「体が求めてしまう音」が19AQ5の音である。
私もいつかm902にたどり着きたいと思ってるんですが、
それ以上にヘッドホンが強力で驚きました。
ところで、私もあれこれ改造しているのですが、
真空管とアウトプットトランスの配置を変えると音が結構変わる気がします。
私や友人も上に出したり、斜めにしたり色々やってみたのですが、
標準の配置もなかなかの音がします。
PS.
勝手ながらリンクさせていただきました。
問題があればご連絡お願いします。
構造も重要なのですが、線材による音の変化も大きいように思います。内部配線だけでなく、簡単に変更できるRCAケーブルでも大きく音が変わるので、ケーブル交換によりアンプの潜在能力を引き出すことができます。
GRADO RS1と真空管は「弱点を上手く補える」という意味で非常に相性がいいように思います。
私の場合、真空管と合わせる場合に音場感を重視するのですが、どうもダイレクトな音場を形成するヘッドフォン(オーテク、GRADO)のほうが真空管の鳴りに合うような気がします。
「ハッキリとした変化」とは言いがたい微々たる変化ではありますが、空間全体で鳴るようになるため、音と音を繋ぐ間接音をより感じるようになって音の厚みが増すのは確かです。
真空管アンプだから全く違う鳴り方をするというわけではなく、中には違いが全くわからない人もいるかと思われます。
春日さんのヘッドホンアンプは低域が出ません。低域を重視する人の場合にはかなり不満を持つ恐れがあります。プリメインアンプを間に挟み、そこで低域を増長してあげることで多少改善されます。
私はm902を間に挟み、春日さんのヘッドホンアンプのほうも低域を増すような電源ケーブルを使うことで、単体使用時には全く気にならないレベルの低域が出るようになっていますが、流石にm902と比較して聞き比べてしまうと低域不足を感じるのは否めません。
ノイズも無く非常に魅力的な音を出すヘッドフォンアンプではありますが、低域不足である点は注意が必要です。
パワフルにしっかり鳴らしきりたい場合は市販の真空管ヘッドフォンアンプを選択したほうが無難かと思います。ただ、数多くの真空管ヘッドフォンアンプを所有しながら、結局春日さんのアンプばかりを使う人がいるのも事実で、それだけの魅力があるのでしょう。私は満足して使っています。
3Pインレットのバージョンですが、これは自作するしか術がありません。春日無線さんのほうで完成品も販売しておりますので、3Pインレットへの改造品を作ってもらえるか相談してみてはいかがでしょうか。この部分だけの改造でしたら可能かもしれません。
音の変化を大きいと感じるか小さいと感じるかも人それぞれですし、難しいところです。
ヘッドフォンでも同じことで、ヘッドフォンに興味の無い人に高級機を聞かせた場合、「イイような気がする」程度で変化があまりわからないなんてことも多々あるかと思います。
私は半導体アンプと真空管アンプの音質面での決定的な違いを明確に断言することはできませんが、世の中には真空管を愛する人が多く存在します。おそらく非常に感覚的な部分で感じる要素を真空管は持っているんでしょうね。
RS-1と真空管の組み合わせは是非一度試して欲しい気持ちもありますが、変化が感じられずに落胆する恐れもありますので、一度店頭で真空管アンプにRS-1を挿して聞いてみるのが最善策でしょう。
ヘッドホン、イヤホン、アンプ、ヘッドホンケーブル大放出!ヘッドホンを売るのはコレが最後になりそうです。興味のある機種などありましたらお気軽にご連絡ください。よろしくです。
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