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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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304656e2.jpg型番:T50RP
メーカー:FOSTEX
タイプ:ダンプド・セミオープンRPダイナミック型
再生周波数帯域:15 - 35,000Hz
インピーダンス:50Ω
感度:98dB
質量:390g
ケーブル長:3.0m(片出し)
プラグ:6.3φステレオ

メーカー製品紹介ページへ



装着感はなかなか良好。頭頂部にはパッドが付いておらずゴムが剥き出しなので、長時間付けていると頭頂部が地味に痛くなってきます。イヤーパッドは夏だと蒸れそうな点は注意。 

ダイナミック型ではない“RP”(Regular Phase:全面駆動型)タイプの振動板を採用しているヘッドフォン。ダイナミック型とコンデンサー型の中間、どちらかと言えばコンデンサー型寄りの鳴り方で、ダイナミック感、力感が弱く拡散的で響き豊か、全体感の強い鳴り方をします。鳴り方としてはUSTヘッドフォンと似たような系統に属します。

1b959116.jpg基本性能は価格なり~低め。特に解像度、音の分離感、帯域の三点が弱いと感じます。解像度が低く高域での音潰れが目立ち綿密な表現は不可能。全体的に音が粗くぼやけた印象になり分離感が弱く、各音像のフォーカス感が曖昧で散漫とした印象を受けます。低域方向、高域方向共に音が伸びず、帯域の狭さからくる窮屈さを感じ、同じ理由から躍動感も弱いです。バランスは帯域の狭さからどうしても若干カマボコ型にならざる得ませんが、細かく言うなら低域寄りのカマボコ~フラットで高域の量感が少し弱いです。低域は多少ぼわついており全体に馴染んでしまうような鳴り方ですが、量感はあるので低域が弱いと感じることはありません。角が無く柔らかいソフトな質感の低域。中高域は性能面を考慮しなければ非常に魅力的で、刺激が無くソフトで滑らか、芯が無くサラサラしており艶やかでふんわりとした心地良い音です。音場感は奥行き感が若干弱いものの、響きの豊かさから狭いとは感じさせず優秀な部類に入ると思います。全体で見ると意図的に作られたような癖が無く中庸な素の音なのですが、無機質ではなく逆に有機的な優しく温かな音で、モニターヘッドフォンでありながら音楽性に富んだヘッドフォンです。

得意とするのは女性Voモノ。空間に満ちるVo成分が心地良く、艶やかな音色が魅力的です。T50RPの範囲内でとても上手く鳴らしてくれます。女性Voモノ以外ではヒーリング要素の強い楽曲にも向いています。何でもそつなくこなせますが、微妙に地味で落ち着いた音調になるので、激しいロックやジャズなどを気持ちよく聞けるタイプのヘッドフォンではありません。クラシックは鳴り方的にはとても相性が良いのですが、「もっと低い音が出せれば」「もっと高い音が出せれば」といった勿体無さを感じます。

s-P1010142.jpg価格からして性能を求めるのは酷ではありますが、かなり性能面の不満は大きく、性能だけで見るとコストパフォーマンスは悪いでしょう。性能の低さが大きく足を引っ張っており、独特の鳴りの魅力を最大限に活かせず半減させてしまっています。しかし、通常のダイナミック型とは違った力の抜けた鳴り、響き豊かで拡散的、ふんわりとした幻想的な鳴りはT50RPならではの特徴であり、この点に特化していることがT50RPの売りだと思います。女性Voを楽しむという目的であれば、低価格モデルの中では一歩二歩リードしているのではないでしょうか。このタイプの鳴り方をするヘッドフォンは稀なので、高級機に慣れてしまっている人でも意外と使い道のあるヘッドフォンかもしれません・・・性能面に目をつぶれればの話ですが。この鳴り方のまま性能を引き上げることで数々の不満点がスッキリ解消されるように思うので、是非とも高性能なモデルも出して欲しいものです。鳴り方がツボにはまればコストパフォーマンスの高い面白い機種です。

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付帯音について
一月ほど前になりますが、とても共感できる拍手コメントを戴きました。
拍手コメントなので匿名とさせて戴きますが、素晴らしいコメントありがとうございました。
以下がそのコメントです。

>かつてソニーのプラスチック部品多数組み合わせのヘッドホンを分解していったところ、部品を取れば取るほど音が良くなることに気付きました。付帯共振音が減ってゆくわけです。T50RPはその点を良く考慮して設計してあり、CDがCD臭くなく聞こえる事にびっくりし、以後愛用しています。


私は、ローゼンクランツを知ってからこの点を意識するようになりました。
要するに、振動の流れの重要性です。
この点に注目すると、見た目から音が想像できるようになります。
素材による音の推測、構造による音の推測。

基本的に、パーツ数が少ないほど付帯音は少なく、パーツが多いほど振動の流れが複雑になり、同時に処理も困難になります。
gradoのヘッドホンが、素材の音をストレートに伝える特性を持っているのはパーツ数の少なさのおかげで、音抜けの良さもパーツ数の少なさが影響しているはずです。

そこで、パーツの多いヘッドホンは駄目なのかと言えばそんなことはなく、しっかりと考えられた構造をしていれば、上手く振動は抜けてくれるわけです。

そして、パーツの多い機器ほど、振動の流れを理解している人が調整すれば、驚くほど音が改善されますし、その変化の度合いは大きくなります。

中身がギュウギュウに詰まったアンプが良いのか、スカスカなアンプがいいのか。
これも同じことで、素直に音を出そうと思えば、必然的にパーツ数は減り、必要最低限の構成となります。
もちろんパーツ数が多くてストレートに音が出るものもありますが、これはかなりの技術力がいるのではないでしょうか。

まずは、「聞いてて気持ちいい」という感覚を最優先で重視できるようになると、ゴールへの最短コースを進めるものです。
まみそ 2011/03/20(Sun) 編集
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