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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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s-P1010103.jpg型番:RS-1
メーカー:GRADO
タイプ:開放型ヘッドフォン
インピーダンス:32Ω
ハウジング:木製 (マホガニー)
再生周波数帯域:12 - 30,000Hz
プラグ形状:6.3φステレオ
重量:約260g

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GRADOの装着感の悪さはRS-1でも健在です。 1時間もしないうちに耳がヒリヒリと痛くなってきます。どうも私はGRADOのスポンジがとことん合わないようです。ヘッドアームを台形にするとかなり装着感が改善されるので、自分の頭の形に合わせてグイグイ変形しましょう。 重量が軽いのでSR-325PS-1と比べると頭頂部への負担が少なく、痛みが出にくいのは助かります。

s-P1010100.jpg音のバランスはドンシャリ。低音がしっかり出ているな、というのが第一印象です。個人的には少し低音過多ではありますが、ロック系を聞く時にはこれぐらいのほうが適度だと感じます。 SR325が締まったキレのある低音なら、RS-1はぶっとく柔らかさのある低音。スピード感のSR325、安定感のRS-1といったところでしょうか。ロックでは重心が低くリズム隊がドシっと安定します。高音は繊細さよりもGRADOらしい刺激のある音のほうに耳がいきます。ギターの音などは僅かにエッジが効いてて刺激的。中~高域は低音に埋もれることなくよく聞こえます。特別解像度等を含む基本性能が高いとは思いませんが、SR325には感じられない「空気感」の再現ができているのが特徴です。そのため、RS-1もGRADO特有の直接的な音の聞かせ方ではあるものの、直接具合が緩和され、非常に聞きやすくなっているように感じます。そして、RS-1の最大の特徴はエージングの進行により艶っぽい音に変化していくことでしょう。かなり劇的に変化していきます。丸く滑らかな音に艶っぽさが乗り、特にVoは魅力的に聞かせてくれます。女性ヴォーカルにおいては、なめらかさ、まろやかさ、艶やかさと、元来持っているGRADOサウンドである明るく明快な音の融合で、心地良く元気の良い女性Voを聞くことができます。音場は狭く、音数が増えてくるとゴチャゴチャ感を感じますが、それぞれの楽器の音はしっかり分離している点や、音の抜けの良さは流石GRADOといったところでしょう。

s-P1010105.jpg得意ジャンルはロック、ロックテイストなポップス、メタル、ハードロックもいけます。打ち込みより断然生楽器による演奏のほうが向いています。ソースによっては、狭苦しさや高音の刺激、痛さ、不快感を感じる(特に打ち込みによる高域)ので、他のヘッドフォンと使い分ける必要があると思います。

価格が高いのと、オールジャンルに対応不可、装着感が悪いなどの欠点から、初めての高級ヘッドフォンとして購入するのはオススメしませんが、私の場合、所有機の中では相当好きな部類に入る音作りです。艶やかさは年々増していくようなので、長期に渡るエージングの楽しみもある機種です。

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型番:PS-1
メーカー:GRADO
スペック:未公表

※生産完了モデル



ps-1.jpgまず特質すべきはズッシリとのしかかる重量。重さによって頭頂部が痛くなるものの、下方向へ力が加わるためか横方向への側圧が軽減され、 GRADO特有の耳がヒリヒリするという欠点が多少解消されているように感じました。とは言え1時間ぐらいが限界ですが。

基本的にいつもの耳の横で鳴るGRADOサウンドの延長上の音作りです。バランスは低音寄りで、質、量ともに素晴らしく密度のある濃い低音が聞けるのが特徴です。 HD25的な低音に段違いの実体感を持たせた感じで、人工的な印象を受けず、不自然さを感じ無い非常に質の高い低音です。何しろバスドラの音は、極端に言えばジョン・ボーナムかコージー・パウエルかというぐらいに変貌してしまい、ベースは全員スティーヴ・ハリスになってしまったかのようです(メタラーの人にしかわからない表現でしょうが、とにかく凄い低音の量感があるということです)。中~高域を邪魔するような低音ではないですが、それでも低音の張り出し感は常につきまとい、全体で見ると中~高域は控えめに感じます。低域の量感があるのはもちろん、ブリブリと体の芯まで響くようなズッシリと重く、これぞ低音といった低音です。 LIVEを見に行った時に、体全体で感じる重低音をヘッドフォンで味わえる、そんな低音。最高レベルの質の高い低音を聞かせてくれる機種です。

この特徴的な低音から、聞き疲れするように初めは感じたのですが、音だけで言えば意外と長時間聞くことができるのが驚きでした。Voや楽器はRS-1と比較すると、頭ひとつリードしているリアリティがあり、Vo、楽器共に「痛さを感じることがほぼ皆無」であること。「自然な鳴り方」、「痛さを感じ無い」という二点から、聞き疲れする音ではない部類に入ると思います。メリハリがありつつも、リアリティのある音で不快感を与えない(=心地良い)タイプ。RS-1と比較して、どちらが心地良く音楽を心地良く聞けるかと言われれば、私の場合はRS-1を選択しますが、短期集中で音楽を体全体で髄まで楽しむならばPS-1を選択します。空間表現力の高さは、他のGRADOの機種では感じられないPS-1特有のモノでしょう。RS-1でも感じることはできますがRS-1より更に上のレベルです。

ps-1-2.jpg得意ジャンルはヘヴィーメタル、ハードロック、ロック。ヘヴィーメタルを聞く時に、この系統の鳴らし方で聞くならば、コレ以上のヘッドフォンは無いと言ってもいいぐらいのレベルにあると思います。ズッシリと安定感のあるリズム隊の音がノリの良さを存分に引き出してくれます。他にも、この表現力を生かしてトリオ編成のジャズ等にもむいていると思います。ジャズでのウッドベースの表現力は秀逸。心地良さではRS1に負けますが、リアリティの点に関してはPS-1です。ソフトさを出すヘッドフォンではないので、ソースによっては刺激的になることもあります。

最後に、特徴的な音作りで、聞くジャンルを選ぶとは言うものの、素晴らしいヘッドフォンであることは間違いないでしょう。低音好きな人には最高のヘッドフォンだと思います。これだけ個性的な音作りでありながら、空気感、臨場感、音楽性までも兼ね備えているあたりにGRADO魂を感じずにはいられません。販売されていた期間が短く所有者が少ない、そして手放す人が少ないため、入手困難であることが惜しまれます。

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m-edition9-3.jpg型番:Edition9
メーカー:ULTRASONE
タイプ:密閉型ヘッドフォン
インピーダンス:30Ω
感度:96dB
再生周波数帯域:8 - 35,000Hz
プラグ形状:6.3φステレオ
コード:oehlbach製 3M
重量:約310g

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m-edition9-4.jpgまず初めに装着感について。約1時間程で頭頂部に耐え難き激痛が出現するため、 GRADOよりも長時間リスニング(1時間以上)には不向きでしょう。ただし約一1時間までは良好。イヤーパッド以外の作りはチープ(下位機種と同一)で、とても高級機種には見えませんし、鏡面のハウジングはすぐに傷がつきそうで慎重な扱いを必要とします。モチモチとしたイヤーパッドは体験する価値ありの気持ちよい肌触り。このモチモチで肌に吸い付いて耳との間に隙間を作らないイヤーパッドは、音を外に逃しにくく低音の増幅に多少貢献しているようです。ハウジングを手に持って耳からちょっとでも離すと低音の量感が減ることから確認できるので試しにやってみてください。要するに音が抜ける隙間ができれば確認できるので、下方部分をちょこっと上げて隙間作るだけでOK。耳との間に隙間ができると音が抜けていき低域の量感が減り面白いです。

edition9.jpgバランスは多少ドンシャリ気味に感じるが極めてフラットに近いです。低音が非常に濃密、そして高音が刺激的なためドンシャリに感じるかもしれませんが、全体から量的に見ると低域と高域が特別張り出しているわけではありません。高域は刺激的で、ソースによっては刺さるような痛さを感じることもありますが、金属的な音を求めるならこの特徴は生きてきます。低音と高域が特徴的で目立つため、中域は多少ではあるが引っ込み気味に感じます。低域は濃厚でありながらタイト、制動が効いていて解像度が高く、実体感が抜群、素晴らしい低音を聞かせてくれます。この質の高い低音がedition9の最大の売りなのだと私は感じました。この低音の質と同レベルで際立っているのが音の分離具合でしょう。これほどまでに音が詰った濃い音象でありながら、それぞれの楽器の音がしっかり分離して聞こえる点は驚かされます。

edition9は我慢のヘッドフォン。序盤のわかりやすいエージングによる変化とは別に、おそらく300時間ぐらい(環境や音量、ソース等により個人差あり)までにかけて徐々に徐々に少しずつ変化するように思います。この変化を境にedition9は生まれ変わると私は断言します。以後説明を簡略化するため、この変化前をe9-1、変化後をe9-2とします。 e9-1はモニターヘッドフォン的、e9-2は音楽的ヘッドフォンといった感じでしょうか。しかし、これだけ長時間かけてこれほど変化を見せる機種があるとは・・・驚きでした。変化の内容を簡単に言えば、よく言われる「団子状の音が少しずつほぐれていく」という変化が、 edition9の場合かなりの長時間かけて行われるということ、また序盤の状態(序盤と言っても相当長い間です)とこの変化後とで驚くほど違うということ。変化の度合いは人によって感じ方が違うと思いますが、私の感覚では非常に大きな変化だと感じました。

edition9-4.jpge9-1で気になるのが音場の明確さであり、それによってより強く感じる音場の狭さ。かなりの長い時間「頭内の狭い範囲内で空間を形成し、音が外方向へ向かって広がっていく感覚を味わえず、外郭がガッチリと存在し、その中での小空間で鳴る印象の状態」が続きます。しかし長時間のエージングによって、この外郭、壁が消える(薄まる)ように私は感じました。言い換えるなら音がほぐれたと言えるでしょう。この壁が消えてからがedition9の真骨頂です。空間の窮屈さ、閉じ込められている感覚から開放され、自然な広がりを感じる空間表現へと変貌します (とは言え、決して空間表現力が優秀というわけではないので注意。)。壁の感覚の消滅により、空気感や音が空気を伝わり広がっていく感覚も改善されます。決して広いとは言えない音場の広さですが、リアリティ溢れる臨場感は素晴らしいです。edition9の音場表現に関しては長時間エージングによって改善されることを念頭に置いておく必要があるでしょう。さらに、この音場表現、又は空間表現の改善により様々な点が改善されます。 e9-1の時は明確でカッチリした音場の影響もあり、各楽器の音がとてもメリハリがあり際立つ鳴り方であると強く感じます。これが、e9-2になると明確さ、メリハリ、ハッキリ感、密な感覚は多少薄くなるものの、音の繋がりが良くなり(改善された空気感により音と音の間接空間を音が繋ぐようになり)耳障りが良く聞きやすくなります。これは微妙な変化なようですがとても重要な変化です。Voや楽器の音もより自然な響きを伴うようになり改善されたと言えるでしょう。

edition9-3.jpg合うジャンルはメタル、ロック系、特にモダンヘヴィネスやラウドロックなどの低音の重みを出せると生きるジャンルには最適。ジャズもそこそこいけます。特にメタルでは、イイ部分を存分に引き出せているように感じます。重く濃密な低音を鳴らす機種としてGRADOのPS-1がありますが、PS-1に並んでメタルにマッチしている機種だと言えるでしょう。 (低域表現の違いを端的に示すなら、空気感による響きを伴う低音のPS-1、高解像度・タイト・実体感のある低音のedition9)。重くてタイトなバスドラ、ブリブリのベースは圧巻で、情報量が多く濃厚で凝縮された音作りもメタルのパワフルさ、重さを引き立ててくれます。音場の狭さの影響を受けにくい小編成のジャズや、クラシックの中でもピアノソロなどでは使えると思います。 e9-2になるとグっと合うジャンルが増え、メタル以外のジャンル(ポップス等)でもかなりの高いレベルで実力を発揮してくれます。ただし、それでも大編成のクラシック、女性Voモノには向いている機種ではないように思います。

高いレベルでバランスがとれており、上質な低音と高分解能が特徴な機種と言えます。特にヘヴィーメタル、ハードロックを聴く人には強くオススメしたい機種です。音に関しては不満はありませんが、値段のわりにチープな作り及び装着感はなんとかして欲しいものです。edition9は二度美味しい機種です。長い時間かかるエージングを楽しむという意味でも新品で購入したほうが価値がありそうです。 e9-1のメリハリ感の際立つカッチリしたモニター的な音、e9-2の音楽的といえる生の宿る音。どちらもそれぞれ良さがあり楽しめると思います。 

 



e9再評価~e9使うなら環境にこだわれ~

私の中でのe9のイメージは「凄いが魅力に欠けるヘッドフォン」だった。
しかし、環境を追い込めば追い込むほどにe9は良さを引き出せるようになってきたのだ。

「環境をグレードアップさせれば、全てのヘッドフォンで音質は良くなる」

この考え方は一理あるが、間違いでもある。
ヘッドフォンによって変化の度合いが違うし、ヘッドフォンの持つ上限、限界点が違う。

環境のグレードを上げれば上げるほど、e9と下位モデルとの差がどんどん広がっていく。
e9は上限が非常に高い位置にあるので、環境を良くすればするほど音が良くなると考えられる。
これはe9に限らずATH-W5000GS1000といった高性能ヘッドフォンでも同じ。

e9はどんな環境でも「凄さ」を存分に感じさせてくれるヘッドフォンであるのと同時に、環境レベルを上げれば上げただけ「より良い音」として答えてくれるヘッドフォンでもある。

e9ユーザーにはできるだけオーディオシステム全体にこだわってみてほしい。
e9を上手く鳴らせる組み合わせがいつか見つかるはず。

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h-w1000-2.jpg型番:ATH-W1000
メーカー:オーディオテクニカ(Audio-Technica)
タイプ:密閉型ヘッドフォン
ハウジング:北海道産アサダ桜無垢材
再生周波数帯域:5 - 40,000Hz
インピーダンス:40Ω
感度:100dB
質量:350g
ケーブル長:3.0m(片出し)
プラグ:6.3φステレオ

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h-w1000.jpgまず、見た目が高級感があり好印象。高級ヘッドフォンを所有しているという満足感があります。装着感は最高レベル。重量が軽く長時間つけていても快適です。イヤーパッドの材質上、夏は蒸れそうな点は気になります。

音を出した瞬間「綺麗で聞きやすい音だな」といった印象を受けました。クリアーな音質で密閉型ではあるものの篭り感は無く、響きという形で密閉型であることを活かせています。また解像度の高さを一聴して感じることができるかと思います。ひっかかるのはオーディオテクニカ特有の音場の前後感の無さ(平面的な音場)。前後方向へ音が広がらないので立体感を感じ難いです(左右方向への広さは感じます)。私はそれほど嫌な感じを受けませんでしたが、気になる人は気になりそうです。

h-w1000-3.jpgバランスはフラットに近いが多少中高域寄り。まず中域の量感が多いように感じ、高域に目を移すと中域と同等の量が出ているといった具合で、中高域と比較すると低域の量感は若干少なめですが、私的には低域は必要十分出ているように感じます。高域表現はなかなかのもので、キラキラと響き美しいと感じる高域です。低域に関しては特に個性的と言える味付けがなく、万人受けしそうな無難な低域表現。低域の解像度にやや不満を感じますが、細部まで細かくと言うよりは全体で聞かせるタイプのヘッドフォンのように思うので、ATH-W1000の場合は逆にこの傾向が合っているように思います。耳の横で鳴る感覚が強いので音像が頭内に形成される感覚が強く、これによって良く言えば全体像的な実体感があると言えます。Voは非常に聞き取りやすく魅力的。開放と密閉、また鳴り方が全く違うので比較対象としては悪いですが、聞きやすさや、響き等を含めたトータルで見た時に、VoはRS-1と比較しても恥ずかしくないだけのレベルにあるのではないでしょうか。全体的にやわらかく優しい印象で心地好く聞けるタイプのヘッドフォンです。

しっかりVoが聞こえるので、Vo中心で聞く場合に適していると思います。ポップス、アニソン等をメインに聞く人にはオススメ。特別個性の強いヘッドフォンではないので、比較的なんでも無難にこなせるタイプだと感じます。

オーディオテクニカ特有の音場感さえ受け入れることができれば、非常に優れた機種。音は勿論、見た目の高級感もあり装着感も良く、満足度の高いヘッドフォンですね。価格も手頃で文句なしです。

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h-hd650-3.jpg型番:HD650
メーカー:SENNHEISER
タイプ:開放型ヘッドフォン
再生周波数帯域:10 - 39,500Hz
インピーダンス:300Ω
感度:103dB
ケーブル長:3m
プラグ:6.3φステレオ(3.5φ変換アダプター付属)
質量:約260g

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h-hd650.jpg装着感は良好です。購入当初は少し側圧が強く感じますが、使っているうちに丁度よい側圧になります。未使用時は箱等に挟んでおくといいかもしれません。頭頂部にスポンジがついているので頭頂部が痛くなることもなく、長時間リスニングが可能なヘッドフォンです。

一番最初に音を出した時は、音が団子状の塊で出てきててビックリしましたが、少しずつ音がほぐれていきました(約4時間後には塊感消滅)。最初は邦楽でのサ行において耳に突き刺さるようなキッ!っとした痛みを感じましたが、これはエージングの進行によって消えました(25~30時間でほぼ全く気にならないレベルに)。

HD650は音場が広いと聞いていたのですが、最初の10時間程はそれほど広さを感じませんでした。しかし、ドラムはあそこ、ギターはあそこ、ベースはあそこ、といったように、空間的に各楽器の音を配置するような鳴らし方のヘッドホンであるとは感じました。10時間を越えたあたりからは噂通り広大な音場が出現してきます。 その広い音場は特にクラシックやLIVE音源で強く感じることができます。LIVE音源では、広大な空間があるのを感じ、遠くまでスーっと音が消えていくのを感じられます。 通常のスタジオアルバムでは、密集してごちゃごちゃした音ではなく、それぞれの楽器の位置が整理整頓され バランスよく聞こえてきます。

h-hd650-2.jpgバランスは低域寄り。低音が柔らかく丸い音をしており、音のバランスは低音寄りな音作りのため、全体の音の印象も柔らかく丸い音と感じます。ウッドベースや重低音管楽器などのように豊かで柔らかく響く楽器がよく似合うと思います。高音は繊細さを感じ取れる細やかな音。

エージング20時間あたりで、初め気になっていた音のこもり感が取れてきますが、初めに比べてこもり感が取れたということであって、スカっと抜けの良い音になるというわけではありません。しかし、このこもった様なモヤっとした音を欠点と感じるか利点と感じるかは人それぞれだと思います。良いように解釈するならば、HD650の特徴である低域のふくよかさ、豊潤さを生かせているように思います。このような音であることによる犠牲とも言えそうなのがキレの無さ、スピード感の無さ、ノリの悪さで、これは人によっては致命的な欠点となる可能性があります。

個人的にはHD650は個性的な音で、万人受けするような無難なヘッドフォンだとは思いませんHD650の個性は人によっては「重厚で聞きやすく心地良い」 となり、人によっては「ヌボーっとしててつまらない」ともなるので、購入の際には試聴することを強く勧めます。

HD650は繊細であり刺激的な音は出ず、まったり音楽を楽しめるヘッドフォン。最適なジャンルをひとつあげるとすればクラシック。ロック、ジャズ等になるとキレ、ノリの良さを感じることができずいまいちだと個人的に感じます。



HD650 リケーブル
 

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m-dt880-4.jpg型番:DT880 Edition2005
メーカー:Beyerdynamic
タイプ:半密閉型ヘッドフォン
インピーダンス:250Ω
感度:96dB
再生周波数帯域:5~35,000Hz
質量:270g

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※生産完了モデル



m-dt880.jpg装着感はとても良く、個人的にはオーディオテクニカのATH-W1000と双璧かそれ以上の心地良さを感じます。イヤーパッドは布製で、HD650のイヤーパッドを柔らかくして、側圧を緩くした感触です。ヘッドフォンの装着感は音と同じぐらい重要だと個人的には思いますので、この装着感のためだけにDT880を使いたくなるぐらいです。

 

 アバウトに聞いた時の印象としては落ち着いた音のヘッドフォン。音だけでなく装着感も含めトータルで、耳への負担が非常に少なく長時間聞けるという点に価値があると思います。バランスはほぼフラット。低音はうっすらと全体を支配するような、硬質的ではなく多少まろやかな低音を鳴らします。そのためか、少しタイトさに欠けソフトで、バスドラやスネア等のインパクトの瞬間の打音をあまり感じることができず刺激に欠けるので、人によってはロック等でちょっとインパクト不足を感じる場合があるかもしれません。高域は良い意味で線が細く多少刺激的な印象。悪く言うなら迫力の無い高域ですが、DT880の場合は細い高域が良い方向へ向いているように思います。この性質から繊細でありながらスパイス的な刺激を味わえます。金属感を味わえるという意味ではシンバル、ハイハット等の音は良い感じです。以上から、ひとつ挙げるなら高域が特徴的であるため、高域の鳴らし方をポイントに聞くジャンルを選択するのが良さそうです。

m-dt880-2.jpgこもり感は無く、低音や高音が特別出ているわけでもないので、Voモノは埋もれることなく良く聞こえます。湿り気、艶やかさはあるものの、もう一歩足りない印象でアッサリ気味に感じます。艶やかさに関しては楽器にも同じことが言えます。また音の膨らみ、響きもあるのですが、これに関しても一段階上を求めたくなるレベル。そのため、クラシックの山場では壮大さがMAXまで到達しきらず中途半端なところで抑制され、どうにもむず痒い感覚を感じてしまいます。音の洪水に包まれてゾクゾクする感覚を味わいたいところでアッサリと聞かされてしまう、そんな感じです。

得意ジャンルはジャズ、クラシックの小編成モノ。比較的オールジャンルで無難に高いレベルで鳴る機種で、特定のジャンルに特化して使うタイプのヘッドフォンでは無いように思います。冒頭に書いた通りDT880は落ち着いたヘッドフォンで、躍動感に欠けノリが良いとは言えません。ロック等では淡々と鳴らす印象です。ノリが無く緩いのが逆に効果を発揮するドゥームメタルや、癒し目的で聞くヒーリング的な音楽を聞く時に重宝するでしょう。 ただし、スピード感や躍動感、ノリは環境次第である程度引き出すことが可能です。ガラっとDT880のイメージが変わるので、スピード感重視のシステムにしてみるのも面白いのでオススメです。

m-dt880-3.jpgとても良質な音で、バランスの良い音作り、落ち着いた音を鳴らしてくれるヘッドフォンです。一番の難点は音量のとり難さ。アンプ無しでの使用はかなり音量が取りにくいので注意が必要です。

DT880でこの点をもう一段階レベルアップさせたいと感じる、艶やかさ、柔らかさ、膨らみ、響き等を更に向上させることがDT880をより活かすことになると思います。ふわっと柔らかく温かみのある音を出すシステムを組んでいる人、そのような音を好む人には是非使ってみて欲しいヘッドフォンですね。

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m-dj1pro.jpg型番:DJ1PRO
メーカー:ULTRASONE
タイプ:密閉型ヘッドフォン
再生周波数帯域:10 - 22,000Hz
インピーダンス:64Ω
感度:104dB
ケーブル長:3m
プラグ:3.5φステレオ(6.3φ変換アダプター付属)
質量:約260g

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m-dj1pro-2.jpg装着感はどちらかと言えば悪い寄り。装着した時に、「硬い!」と感じますが、時間が経つにつれ慣れてきてそんなに気にならなくなります。側圧も最初ちょと強いかなと感じますが、こちらもまた慣れてきて気にならなくなります。ケーブルが重いのと、後ろ方向に出ているため肩に当たるのが装着感において唯一の欠点でしょうか。  

初鳴らしから数時間は酷い音だと私は感じました。低音はブワブワと広がり、暴れる高音で、とても聞き疲れのする音です。これはこれで荒いロック等で良さを発揮するかもしれませんが、私は聞くに堪えなかったので丸一日程度(約24時間)全く聞かずにエージング放置しました。一日経つと荒さは相当改善され、ガラっとイメージが変わります。全体的に音が落ち着き、特に低音が最初とは見違える程締まっているのが一番の注目点でしょう。 

m-dj1pro-3.jpg m-dj1pro-4.jpg

作られた音だな、というのが最初の感想です。一番の特徴は低音の鳴らし方でしょう。締まっているとは言えますが、芯がありモコっとしたズンと響く低音は面白いです。狭いピンポイントでの締まりではなく、ちょっと大きめの範囲で締まって響くという表現が良いかもしれません。全体を支配する程の量感は無いものの、特徴的な鳴りの低音がしっかり主張しており存在をアピールしています。これがなかなかロックのバスドラや打ち込みでのドラムンベースの音を楽しく鳴らし、ノリを先導してくれます。ただひとつ気になったのが生ドラム。迫力はあるのですが、ちょっと大きめの範囲で締まって鳴る低音が悪い方向に出てしまい、人工的な(打ち込みっぽい)低音に修正されているように感じます。この人工的な音(作られたような音)、という感覚は全体的に微妙ですが感じます。かなり長い時間エージングが進んだ頃には、最初に比べずいぶんと柔らかくソフトな低音になったようにも感じました。高音は鮮やかだがシャリシャリというよりシャンシャン(シンバル音)する印象で、少し散漫とでも言うか、バシャっと広がってしまうような感じになります。音場は広く、音が空間に響くのを感じ取れ好印象。こもり感は無く、Voはクッキリと聞こえ(S-LOGICのせいかはわかりませんが近くでは鳴りません)、響きもあるのでなかなか良い感じです。

m-dj1pro-6.jpg個人的に欠点だと思うのは繊細さの無さ。DJ1PROに繊細さを求めるのは方向性に合わないようにも思いますが、ギターのカッティングや、シンバル音などをもう少し繊細に細かく表現してほしいところ。割り切って打ち込み特化で使用すればこの欠点はあまり気になりません。

生楽器を生っぽく聞かせるのはあまり得意ではないと感じます。その部分を補って余りある音作り、ノリの良さを持っているので、原音と違うといったことを言うのは野暮なヘッドフォンでしょう。意外とクラシックやジャズも悪くなかったので、どんなジャンルもそつなくこなせるのではないでしょうか。

音楽を楽しむという点ではとても魅力的なヘッドフォン。コストパフォーマンスは個人的にかなり高いです。この値段でこれだけ音楽を楽しめるヘッドフォンはなかなか無いでしょう。ジャズやクラシックよりは、打ち込み、JPOPS、ロックを主に聞く人にオススメしたいヘッドフォンです。

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a55.jpg型番:ATH-A55
メーカー:オーディオテクニカ(Audio-Technica)
タイプ:密閉型
インピーダンス:60Ω
感度:102dB
質量:280g
ハウジング:チタンプラグ:3.5/6.3φステレオ 2way
再生周波数帯域:5 - 28,000Hz
コード:3.0m(片出し)

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※生産完了モデル



装着感は良好、ウイングサポートで頭頂部は痛くなく、側圧は緩くもキツくもないです。気になるのはイヤーパッドの材質上夏は蒸れそうな点ぐらいでしょうか。

 バランスはカマボコ型で、本来低域があるべき位置から低域部分が中域寄りにスコっとシフトしたような感じで低域の量感不足を感じます。高域もこれまた中域寄りにシフトしたかのようで量感に欠け、加えて伸びがなく低域同様アッサリ気味に感じます。良くも悪くも低域と高域が中域寄りになったことで、刺激とは無縁の機種になっているように感じました。音の響きはそれなりにありますが、オーディオテクニカ特有の立体感のない平面的な音場は好みが別れそうです。中域の張り出し感の強い機種ですので、Voは埋もれずよく聞こえ、意外に艶っぽさもあってなかなかの好印象。密閉型ではありますが、特別音がこもっているようには感じずクリアーな音なのもイイ感じですね。

バランス的な違和感はあるものの、このカマボコ型バランスということを前提とした上で見れば、これはこれでバランスの取れた音作りでありますし、特に目に付く嫌な癖のようなものはなく、刺激の無い聞きやすい音を出す機種だと言えるでしょう。

ポップスやアニソン、打ち込みを聴くのに適しているように思います。Voメインで聞く場合にはなかなか良さそうです。低域と高域がどうしてもアッサリしてしまうので、ロックやジャズでは迫力や刺激といった部分が不足気味に感じます。音場感の問題からクラシックも厳しいものがあります。

低価格なことを考えるとかなり健闘しているのではないでしょうか。嫌な癖がなく聞きやすいですし、ヘッドフォン入門用には良さそうな無難な機種でしょう。

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『はじめに』

人それぞれ感性や感度、音の嗜好が違うのは勿論、加えて音の印象を正確に人に伝えることなど不可能ですので、このレビューの内容をそのまま鵜呑みにするのは言語道断であり、レビューの内容を参考程度として、同時に数あるソースの中のひとつとして捉えて戴きたいです。レビューというものは客観性を重視して書かれたものであっても、少なからず筆者の主観や基準が入り込んでしまうものです。

このレビューは私の中でのUSTヘッドフォン情報の集大成とも言えますし、私のUSTに対する情熱を文章化したものとも言えます。そのためレビューとしての価値は低く、まみそのUST感想文とでも考えてもらって構いません。内容を信じる信じないは当然読者の皆様の自由です。私はこのように感じるというだけの話です。オカルトだと思われる方も中にはいるでしょう。ただ、USTの生み出す音が私にとって最良であることは事実であり、私と似たような音の嗜好を持ち、私と似たような感性であり感度を持つ人がいるならば、是非ともUSTサウンドを体験してみて欲しいと思っています。


『オーディオの世界』 

オーディオの世界は実に面白い。知れば知るほどオーディオ機器の奥深さを痛感し、音の魅力に魅せられ、自分の理想とする音を求めてありとあらゆる手を尽くすものです。CDプレイヤーやアンプ、ヘッドフォンやスピーカーといった代表的なオーディオ機器以外にも、DACやCDトランスポート、電源ケーブルや電源タップ、壁コンセント、各種アナログ・デジタルケーブル類、インシュレーター・・・などなど、それぞれに数多くの種類が存在し、またそれぞれが音に変化を与える事実は、体験したことのある人ならば重々承知のことでしょう。

理論と現実が伴わないのもオーディオ世界の面白さです。理論的には音が良くなるはずなのに、実際に試してみると(自分の感覚上での)悪化しているなんてこともよくあります。言い方を変えるならば、新たな機器を導入したことによって起こされた音の変化が、自分の意図していた音にはならなかったという経験はないでしょうか。勿論それは、変更したその一点だけの問題ではなく、様々な要因が絡んで悪化しているとも考えられますし、自分の音の嗜好とは逆の方向へ向かってしまった(=音が悪化した)とも考えられます。

なんにせよ、オーディオシステムのセッティングは非常に奥深く難しく、万人にとってベストな組み合わせなど存在しません。人それぞれ自分好みの音が存在するわけですから、各々がベストなセッティングを自らの手で、耳で追及していかなければならないのです。極論を言えば他人の意見など無意味です。(実際に経験せずに)理論で語るのではなく自分の耳を信じ、お金と労力、時間をかけて様々な機器を実際に試し、経験を積んで自分好みの音を探す。他人に何を言われようが、自分が良いと思える音が最良なのです。「自分にとってより良い音を追い求める」のがオーディオの醍醐味なのだと私は思います。


『UST(Ultra Sound Technology)』 

さて、こんなオーディオ界にあるひとつの特殊な技術を紹介しましょう。オーディオインテルによるUST(Ultra Sound Technology)という技術です。詳細はオーディオインテルのUST紹介ページを参照して戴けたらと思いますが、ここでも簡単に説明しておきます。

UST効果とは「可聴電波」であり(正確には「可聴電波」の可能性がある)、UST本体からは全く音は出ませんが、スピーカー(ヘッドフォン)から出る音がUSTに纏わりつきUST方向へ移動します。これを利用して音場をコントロールします。「可聴電波」とはオルゴールから発生する音(電波)で、音速レベルでなく光速レベルの電波であり、エコールームにおいてもエコーが発生しません。

何を言っているのかサッパリわからないですよね。私もわかりません。このように怪しげで謎な技術であることが原因でオカルト扱いされるのがUSTです。個人的な意見を言わせてもらうならば、このオカルティックなイメージによって大きくスタートで出遅れてしまう悲運なヘッドフォンです。失礼な言い方ですが、もっと真っ当な技術であれば認知度であり普及率が変わってくるのは間違いありません。

このような事情もあって、出来る限り詳細にUSTヘッドフォンについて紹介し、USTがどのような技術であるのか、USTヘッドフォンがどのような特徴を持っているのかを知ってもらうことをレビューの目的のうちのひとつとして位置づけています。少しでも多くの人に良い意味でUSTサウンドを届けるために、逆に少しでも多くの人が過ちを犯さないように(リスクを負わないように)、対極の二つの役目をレビューに意義付けたいと思っています。


『UST効果』 

現時点でUSTの実態を証明することはできないようですが、UST効果は「可聴電波」である可能性が高いようです。とすれば、波動伝播でありますから、音速レベルではなく光速レベルで判断する必要が出てきます。これが正しいとするならば、人は光速レベルでの変化を感じ取る能力を持ち備えていることとなります。これが第六感といわれるものなのかもしれません。

「可聴電波」が原因かどうかはわかりませんが、UST効果は誰でも感じられるものではないようです。プロの音楽家やオーディオマニアの人であっても、USTの効果を全く感じ無い人もいるとのことです。
「そんなわけあるか!」と懐疑心に満ちた目で見る人が大多数であるのは言うまでもありませんが、効果を感じられるか感じられないかで驚く程真っ二つに意見が分かれるのを過去何度も見てきています。

この点は特に注意して戴きたい注意点で、これが万人にUSTヘッドフォンをお薦めできない最大の理由です。


『USTヘッドフォン』 

USTヘッドフォンはUST技術を組み込んだ機器の代表作と言っていいでしょう。USTヘッドフォンは大きくわけて3つ用意されています。SONY MDR-E931LPをベースにUST技術を組み込んだUSTイヤフォン。オーディオテクニカ ATH-A900をベースにUST技術を組み込んだUSTヘッドフォン(以下900UST)。伝聴研とのコラボレーションにより誕生した300個限定発売のオリジナルUSTヘッドフォン EXH-313(以下313)。

なぜSONY MDR-E931LPやオーディオテクニカ ATH-A900がベースとして使われているのかと言えば、過去に様々な機種にUSTを組み込んだ結果、最もUSTらしさを発揮できるのがこれらの機種であったからです。USTは元々のヘッドフォンから更なる音質向上をさせるものとは一概には言い切れません。よりハイエンドな機種に組み込めば良いというものではないのです。ハイエンドモデルにUST技術を搭載しても、相性が悪くUSTの真価を発揮できなかったり、音質が逆に劣ってしまったり、故障してしまうこともあります。音質面以外にコストパフォーマンスという観点から見ても、MDR-E931LPとATH-A900の二機種に組み込むという選択はベストだと考えられます。オリジナルUSTヘッドフォンのEXH-313は、USTを組み込むことを前提として作られたオリジナル機種であるため、「基本性能とUSTらしさが最も高いレベルでバランス良く共存している機種」だと言えます。


『ver』

過去にver1.4やver1.5が存在し、ver2.0の試行錯誤の末、結局ver1.5の良さとver2.0の良さを合わせたver3.0が現verとなっています(2007年8月)。ちなみにver1.5は臨場感重視、ver2.0は音場感重視でした。旧verからver3.0への変更が可能(チューニング代が掛かります)ですが、ver1.5はver1.5で貴重だと思いますし、ver2.0も同様に貴重だと思います。微妙な差ではありますが各verに違いがあり、必ずしもver3.0のほうが良いとは言えません。

USTイヤフォンは更に進化し、type.x(ドットエックス)となっています(2008年12月)。
加えて、UST効果をお手軽に体験できる廉価版type.s(ドットエス)が用意されています。


『USTの特徴~USTは養殖魚~』 

まずはUST全体で共通するUSTの特徴について説明します。まず最初に言っておくべきは「USTは特殊な鳴り方」「特殊な音色」であることでしょう。USTの特徴を言葉で表現するのは非常に困難なのですが、「特殊な鳴り方」「特殊な音色」であるのは間違いありません。

ただし、数あるヘッドフォン全てが独自の鳴り方、音色を持っており、それがヘッドフォンの個性になっているわけですから、USTだけが特別だとは言えないでしょう。しかし、USTの鳴り方、音色は他に類を見ない鳴りであり音色なので、「特殊」であるという表現が適切かと思います。

楽器の出す音というのは間近で聞くのと距離をとって聞くのとでは違うものです。「直接的に聞くか間接的に聞くか」という違いです。つまり、直接的に間近で聞いたときの楽器の音色及び鳴り方と、コンサートホールでVoや楽器の音がホール全体に響いた音⇒「音響的な鳴り、及びその響いた音」の音色は違います。このような区別をした時にUSTヘッドフォンは「音響的な鳴り方」に属します。

この「音響的な鳴り方(そのもの)」、「音響的な鳴り方での音色」の二つの点を人工的に再現しているのがUSTです。UST技術によって音場をコントロールし、人工的に作ってはいるものの、人工臭さを感じずとても自然に聞こえます。蒼天肉雄氏の言葉を借りるなら「USTは養殖魚」で、これは言いえて妙だと思います。天然魚では無いが天然魚とは違った養殖魚ならではの美味さを持つのがUST(養殖魚)なのです。


『USTの特徴~鳴り方・音場~』

USTの特徴である「音響的な鳴り方」について詳しく説明しましょう。USTの音場感を説明するのは非常に難しいのですが、USTは間近で音が鳴っていると同時に遠くからも音が聞こえてきます。ソースにもよりますが、例えばVoでは「間近で聞こえて細かなニュアンスまで聞き取れるリアリティ溢れる表現力であると同時に、声が空間いっぱいに広がり満ち響きます」。そして、上下左右前後あらゆる角度から音が聞こえてくるので立体的な音場を形成します。このような鳴り方のため、音が拡散的に広がり響き、空間いっぱいに満ちた音に自分が包まれるような感覚になります。

全ては「音響的な鳴り方」という表現に集約されるように思います。USTヘッドフォンは「楽器から出た音やVoの声が空間全体に響き満ち、その響いた音の成分を聞く」といった鳴らし方のため、その響き満ちた音全体を聞くことになります。

同時に、USTヘッドフォンは「音響的な鳴り方」のため、直接的な鳴りで強く感じる「力感」をあまり感じることができません。響いた音を聞くので、間接的な耳に優しい音であり、これはUSTの音が心地良い、耳障りではないと感じる一因であると私は思います。


『USTの特徴~なめらかさ~』

USTは非常に音の繋がりがなめらかです。音の出だしの超微音から音の終わりの超微音(残響音、余韻)までをシームレスになめらかに描き出すことができます。音を波形に例えるなら、USTは限りなく曲線、他機種は波形をズームアップすると階段状にカクカクしているという例えが適切でしょう。艶っぽさでVoを活かすのも良いですが、なめらかさでもってVoを活かすというのもまた良いものです。

 
『USTの特徴~基本性能~』

※わかりやすいようにedition9との比較を例として使用します。

オーディオにおける解像度とは、①『解像度が高いほど滲みが無く鮮明でクリアーなサウンド』 = ②『解像度が高いほど細かな音、表現までハッキリ知覚できる』と私は考えます。

>解像度

USTヘッドフォンは②の意味での解像度が非常に高いです。「解像度、細かな音、表現までハッキリ知覚できる」、という意味ではUSTヘッドフォンはedition9を上回ります。「奏者の意図していること、微妙なニュアンス」までもしっかり感じ取ることができます。過去多くのヘッドフォンを聞いてきましたが、「奏者の意図していること、微妙なニュアンス」、又は「場の雰囲気」を感じさせる能力においてはコレ以上優れた機種を私は知りません。

>分離感

次に分離感を説明しましょう。音の分離感とは、言葉通り「各音がどれだけハッキリ分離するか」という意味です。音の輪郭感が強く、エッジのあるedition9は非常に音の分離感が強いです。逆に各音を完全に分離するという意味ではUSTヘッドフォンの分離感は弱いと断言します。

しかし、USTヘッドフォンは各音それぞれの主張感が強く、全ての音が個々で主張し独立するという意味で結果的に分離感が強いと言えます。ですから、edition9を聞いたあとにUSTヘッドフォンで同じ曲を聞くと、「こんな音あったっけ?」「なんだこの音?」と、今まで気づかなかった新たな音を発見することが多々あります。その後edition9で確認してみると、editioin9でも確かにその音は出ているのです。

なぜこのような差が出るのか、確信を持って原因を述べることはできませんが、「edition9は主旋律的な音が強調されるためか微小音に意識がいきにくいのに対し、USTヘッドフォンは全域にわたって強調される部分が無く(言い換えれば全ての音が主張している)、微小な音を含む全ての音に意識がいきわたる」のだと私は考えます。ですから、一般的な意味での音の分離感とは違った意味で、USTヘッドフォンは分離感が高いと言えなくもありません。

>情報量

情報量はedition9と同等、それ以上。情報量は一般的な意味で普通に多いと言えます。超微小な音まで再生しきるのは勿論、細かなニュアンスまで鮮明に描き出し、今まで聞こえなかった音がたくさん聞こえ、奏者の意図までも感じ取ることができます。環境次第で情報量は天井知らずで増え続けていきます。私の環境はまだまだチープなものですが、現状でもついてこれているのはedition9とUSTヘッドフォンのみですから、情報量に関してはヘッドフォン全体の中でもトップクラスだと言っていいのではないでしょうか。


『USTヘッドフォンは環境次第』

ヘッドフォンは環境次第で音質レベルを上げることが可能です。USTヘッドフォンも例外ではなく、音質レベルを環境レベルを上げることで向上できます。しかし、私がここで言いたいのは音質レベル(基本性能)のことではありません。「音の鳴り方そのもの」のことです。USTヘッドフォンは環境を変えると「鳴り方」が大きく変わってしまいます。音色やバランスなども変わりますが、それ以上に「音場の広さ、音の定位する位置、響き」の変化が激しく、音場の狭いセッティング、響きのデッドなセッティングにしてしまうと聞けたものではありません。非常に環境にシビアなため、使いこなすのが難しいヘッドフォンだと感じます。


『USTの特徴~リズム・ノリ~』

「音楽を楽しむ時に最も重要なのはリズム感でありノリの良さである」という考えから、この点を突き詰めたのがUST技術です。言い換えれば音の立ち上がりが速い、応答速度が速いということです。私の経験上、AKGのK1000をバランス接続した時の音の立ち上がりの速さ、ノリの良さに似ていると感じます。K1000を初めて聞いたときにはUSTみたいだと感じたものです。ヘッドフォン全体を相対的に見てもトップクラスの音の立ち上がりの速さ、応答速度、ノリの良さを持っています。


『USTの特徴~まとめ~』

USTの特徴をまとめると、「情報量、ノリの良さ」が優れている「音響的な鳴り方」をする機種だと言えます。更に細かく特徴を羅列すると、「音場感が優れているので窮屈感が無くスケールが大きい」「音の広がり、響きがありながらタイトで締まりのある音でボワつき感が無い」「高域がキンキンして痛いなどといった刺激とは無縁」「Voが引っ込むといったことも無く、極めてなめらかで独特の艶が乗り美音」「音の立ち上がりが速いのでノリが良い(リズム感が良い)」「情報量が多いため細かな音まで再現され、空気感を感じることができる」などなど、人によってはもっとセールスポイントが増えるかもしれません。逆に人によっては欠点となりえるのが「力感の無さ」「刺激の無さ」「原音の粗さが無い(原音忠実性が低い)」「低音不足」などなど、こちらもまた人によってはもっと欠点が増える場合もあるでしょう。

USTは一般的に嫌がられる傾向の強い欠点と言える欠点が無いため、非常に聞きやすく心地良い音を聞かせてくれます。全域にわたってお互いの長所を打ち消し合うことなく両立しているのがUSTヘッドフォンです。あえて悪く言うならば突出した個性の無いヘッドフォンとも言えます。

得意とするのはLIVE音源。コンサートホールの音の響き、鳴り、臨場感をここまで出せる機種は他に無いでしょう。また、「なめらかなVo」、「音響的な鳴り」という特徴から、女性Voで打ち込みのアニソンには最適だと感じます。空間いっぱいに満ち響く声や音に包まれるのを体験できます。私的にはオールジャンルで高いレベルで音楽を楽しめる機種だと感じます。


『USTの方向性』

USTの特徴の中でも、「Voや吹奏楽器などの息遣いが直接的に感じ取れるものでは、奏者の微妙なニュアンスであり、感情、意図を如実に感じ取ることができる」点と、「空間内で音が響くことの美しさ」は感動モノで、生命の宿った生きた音、音楽性に溢れた音を聞かせてくれます。これが「音楽の楽しさ」であり、本当の意味での「音楽を楽しむ」ということだと私に教えてくれました。これこそがUSTの目指した方向性なのだと私は感じます。「USTは理屈でなく感性で聞け」と言わせてください。


『313 or 900UST~HiFiとアナログ~』

ノイズの無さ、クリアーさ、細かな音まで鮮明にリアルに、といった部分では313は900USTを上回っています。この二機種を比較した時に、鳴り方そのものが大きく違うということはなく、本当に感覚的なレベルの差です。基本性能は絶対的に313のほうが上にも関わらず、私は心地良さ(聞きやすさ)の一点で見るならば、900USTのほうが優れているように感じます。なぜなのか。私の出した解答は「HiFiとアナログ」です。



先程述べた通り313と900USTはほとんど差がなく感覚的なレベルの差しかありませんが、僅かではあるものの差があります。以下の文章はその差を誇張して書いていますので注意してください。


 313はSN比が高くクリアーで、音の分離感も強く細かな音まで鮮明に聞き取ることができます。これは言い換えれば、HiFi的な音だとも言えるでしょう。一方900USTは313に比べるとノイジーで、空間全体の粗を感じます。この空間全体を漂う(覆う)粗がポイントなのではないかと私は思うのです。

「性能は劣るけどこっちのほうが聞きやすくて心地イイなぁ」

という体験をしたことがないでしょうか?

解像度が低く粗を感じるが、この粗を感じることが逆に空気感を強く感じることに繋がっているのではないかと思うのです。つまり、粒が細かいよりも、粒が大きいほうが見えやすい。これを音に置き換えると、大きな粒に付着した音成分のほうが聞き取りやすい(感じやすい)となります。勿論粗があると微小な音表現ができなくなって(感じ難くなって)しまいますが、心地良さを感じるには逆に粗いほうが、基本性能が低いほうが良いのではないかと私は思います。

900USTは粗があるので、313と比べると全体的に音が繋がってしまっているような感覚になり、音の分離感は313と比べると劣ります。ですが、逆にこの音の繋がり感、空間全体で聞かせる感覚は、音の調和、ハーモニーといった点では有利なように思います。更に空間全体で聞かせる感覚は、空間全体の密度感、音の厚みをより感じさせてくれるように思います(313=アッサリ、900UST=密度厚み)。私は900USTを「アナログ的な音」と表現します。

極端な例えになりますが想像してみてください。

「漆黒の闇の中に各音が分離して点々と存在する313」
「粗はあるがソレによって空間全体で音を聞かせる900UST」

そうです。決定的に313と900USTには違いがあるのです。

普通ならば、313と900USTを比較した時に「ただ基本性能が違うだけ」という結論に至るでしょう。この答えでは313だけを使うことになり900USTの出番は全くありません。事実私も過去に313しか使っていない時期がありました。しかし、この"HiFiとアナログ"という答えを導き出してからは、900USTの出番がグっと上がったものです。この理論からいくと、必ずしも高性能なほうが良いとは言えなくなりますが、人によって求める最高の音は違うわけですし、高性能=良い音でなくて当然なのではないでしょうか。


『USTイヤフォン』

USTイヤフォンでも基本は『USTの特徴』で述べた特徴を持っています。イヤフォンですのでヘッドフォンに比べ装着感が良いと言いますか、装着してる感が薄いです。そしてUSTは音場感に優れているので、目を閉じれば「あれ・・・イヤフォンつけてるよな?」といった感覚を覚えます。そのためUSTラインナップの中では最も聞きやすい音を出すと言えるかもしれません。イヤフォンとは思えない空間を感じることができるでしょう。

更に、USTイヤフォンはUSTラインナップの中で唯一の開放型です。開放型であることからか、USTイヤフォンは空気を上手く利用できているな、と感じます。空気感の押し引きする感覚を一番強く感じることができるのがUSTイヤフォンです。イヤフォンの数少ないヘッドフォンに勝る部分と言えるでしょう。


『最後に』 

長々と書いてきましたが、とにかく聞いてみないことには始まらないのがUSTヘッドフォンです。謎多き技術であることは否定できませんが、一度音楽理論や分析的な思考を頭から外し、何も考えずに純粋な気持ちで一度USTサウンドを聞いてみて欲しいです。UST効果を感じることができ、好みのツボにはまれば至高の品となるクオリティーを秘めています。いきなり313や900USTを購入するのに不安がある人は、まずUSTイヤフォンから入るといいでしょう。USTがどんな感覚を与えてくれるのかを是非体感してみてください。


『オーディオインテルサウンド』

USTヘッドフォンの音がオーディオインテルの理想とする音そのものです。このオーディオインテルサウンドは以下で紹介している『Muse-Cable』や『DenDAC』でも一貫して貫かれています。つまり、USTの音が好みであればMuse-CableやDenDACを強くお薦めできますし、DenDACの音が好きであればMuse-CableやUSTヘッドフォンを強くお薦めできます。

Muse-Cable

ケーブル版USTと言えるような音のケーブルです。特徴はUSTコラムの内容をそのまま流用できるほど似たような特徴を持っています。USTの鳴りであり音を気に入った方には是非試してみて欲しいケーブルです。

DenDAC

PC用のUSBオーディオデバイス。コンパクトでPCに挿し込みヘッドフォンを繋ぐだけで高音質で音楽を楽しめます。これもまたUSTと似たような特徴を持った音を出します。




『USTヘッドフォンデータ』

メーカー:オーディオインテル

 s-P1010029.jpg s-P1010027.jpg


★EXH-313 

価格 48,000円(消費税・送料込み)

形式 密閉ダイナミック型
感度 102dB/1mW at500Hz
周波数特性 5~40,000Hz
最大入力 1600mW(JEITAに準拠)
インピーダンス 60Ω
質量 300g(コード除く)
プラグ 標準/ミニ 金メッキステレオ2ウェイ
コード 布巻き/FC-OFC/3.0m(片出し)


★A900UST

価格 52,500円( 消費税・送料込み)


★UST Earphone type .x

21,000円(消費税・送料込み)


★UST Earphone type .s
 
12,600円(消費税・送料込み)

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プロフィール
名前:
まみそ
競馬:
性別:
男性
「まみそぶろぐ」って何?:
ヘッドフォンやオーディオアクセサリーの感想などを筆ペン先生がぶった斬るWebサイト。
軽く自己紹介:
「永遠のオーディオ初心者」「糞耳筆頭」「ケーブル患者」「アクセ馬鹿」かつ「競馬中毒者」です!よろしく!








ついったー

売ります・買います
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