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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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 ★PHONON LIQUID
 
PHONON LIQUIDは、最先端ナノテクノロジーを用いた電気接点再構築液。
オーディオアクセサリーで言う接点回復剤の一種。
オイルを含んでおらず、酸化による音質劣化の心配がなく、研磨による回復剤のように接触面が削れる心配もないようです。
詳細は紹介サイト参照。
 
★ユーザーにとって大事なのは技術じゃない、効果
 
私は、以前から機器やオーディオアクセサリーの技術面には無関心で、実際に使ってみてどのような音がするのか、又はどのような効果を感じ取れるかという一点を重視してきた。
それは今回も同様で、ナノテクノロジーだとか難しいことは置いておいて、「実際どう変わるのよ?」、そこんとこをリアルに伝えられたらと思っている。
 
★レビュー

IMGP0444.JPG接点回復系のオーディオアクセサリーは、過去に何度か使ったことがある。
全ての製品を使ったことがあるわけではないので、信憑性の低い意見として聞いてほしいのだが、私の経験の範囲内で言えば、この手の製品で効果を感じたことがないというのが正直なところ。
そのため、「汚れたプラグを掃除する」ぐらいの感覚で使っていた。
私にとっての接点回復剤とは、「何もしないよりは綺麗にしておいたほうがいいかな?」、そんな気休め程度の部類に属するオーディオアクセサリーであった。
 
そんな経緯もあって、PHONON LIQUIDにはあまり期待していなかった。
とりあえずヘッドホンのプラグに塗ってみる。
 
「・・・驚いた」
と言ってしまうと、大きな変化があったのかと思われそうなので止めておこう。
地味な変化ではあるが、この手の製品でハッキリと違いが感じられたのは初めての経験。
 
音色は変わらない。
当然と言えば当然だろうか。
 
何が変わったかと言えば、情報量と音のパワー感の2点。
音の響き成分、微小な音、音にしっかりとパワーが乗ってくる。
それはいろいろな点へ影響を及ぼすようで、音の厚みが増す、細かい音を認知できるようになる、音の存在感が増す、ぼやけた感じがなくなり音が明確になる、などなど・・・
他にも様々な部分に影響しているだろう。
 
例えるならば、「吊り橋」から「石橋」へ。
不安定でソワソワしながら渡らなければならない橋から、何の不安もなく駆け抜けられる頑丈な橋へ。
今までの接点は、「"情報という名の砂"を積んだトラックが、揺れによって吊り橋の隙間から砂を撒きつつ渡っていた」ようなものだ。
 
PHONON LIQUIDを使ってみて、これほど接点で情報量をロスしていたことに初めて気付かされた。
たかが接点と言うなかれ。
オーディオシステムを考える上で、接点は想像以上に大事な部分なのかもしれない。
 
情報量の向上や、それによるパワー感のアップというのは、機器側で実現しようとするとコストのかかる部分。
その点、安価に対処できるのがオーディオアクセサリーの強み。
PHONON LIQUIDの費用対効果は、なかなか優れているように感じた。
音の変化がわかりやすいヘッドホンユーザーには是非一度試してみて欲しい。
勿論、ヘッドホン以外のいろいろな箇所で使えるので、あったらあったで使い道は多くあるだろう。
音声だけでなく、映像系に使うのも面白そうだ。

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 ★因果律

誰もが聞いたことのある言葉だと思います。
ただ、詳細を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
興味のある方は一度調べてみてください。
簡単に言えば、物理学的に見て全ての事象は決定されているということです。
これは人間の思考や行動も含みます。

私が感覚的に因果律に気づき始めたのは中学2年生の頃。
大学時代に物理学の講義で因果律を学んだ時に、自分の考えとビタっと一致したのを今でも鮮明に覚えています。

人間の誕生の瞬間から見てみるならば、人間は誕生したその瞬間から死ぬ時までに、何を考え何を行動するか、その全ては決まっているわけです。
このような考えに対し、「努力によって未来を変えていこうという意思に欠ける」、「最初から全て決まっているなんて悲しい」といったような声をよく聞きますが、そこまでも全て含めて決まっており抗えないのが因果律。
もっと過去から見るならば、宇宙が誕生した瞬間から全て決まっています。

今その瞬間に「頑張ろう!」と思うか思わないか、それまでもが決定されています。
今までの環境、その瞬間瞬間に何を考え何をしてきたか、その影響により未来が決定していきます。
「頑張ろう!」と思うか思わないかは、それまでの経験によって答えが導き出されるわけです。

私のプロフィールにある座右の銘「なるようにしかならん」というのは、因果律を言い替えたもの。
この考え方を悟っている人というのは、心に余裕が生まれるように私は思います。
オススメというのは違和感がありますが、因果律の法則は是非とも深く理解してほしい考え方のひとつです。

今まみそぶろぐを見ているのも、記事を見て何を考えどう行動するかも全て決まっています。
全てを流れに任せることで、多くの悩みから開放されるかもしれませんよ。


オーディオとは関係のない話でしたが、まみその考え方の中で大きな割合を占めている因果律についてでした。

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★本音こそ正義

2009年を振り返ると、潜在的なまみそぶろぐ閲覧者が減ったなぁ、と実感している。
アクセス数で言えば、100~200/日は減っている。
原因としては、不況によるオーディオファンの減少もあるだろうし、更新頻度の低下もあるだろうが、タイミングなどを総合的に見て、一番の原因は傾倒した記事内容、つまりはローゼンクランツに関する記事の増加なのではないかと個人的には感じている。
アクセス数の減少は予測できていたことであり、リスクを理解した上であえて情報を発信していた。
しかし、私はアフェリエイトをやっているわけでもなければ、ブログでお金が貰えるわけでもないので、アクセス数は何の意味もなさず、だからこそアクセス数の減少をリスクとは捉えない。

何が大事なのか。
それは自分の本音を書くこと。
私が初めてWebサイトを作った2000年ぐらいからずっと言い続けていることだが、個人サイト、ブログは自己満足を満たすためのツール、この意味合いが最も強い。
そう考えるからこそ、アクセス数といった周囲の評価、周りの目、周りの意見を気にする必要は一切ないし、言いたいことを一方的にぶちまけている。
それがブログだと私は思う。

客観的に見れば、と言うよりも私自身が記事を書きながら、気持ちの悪いブログになったものだと痛感しているわけだが、自分の感想を正直に書かなければ意味が無いわけで、そこが守られなければそれこそ無意味な情報でしかなくなってしまう。

私はメーカーではないので、売れる情報、大衆受けする情報、又はそのように仕向けられた方向性を意識する必要はない。
受け手側(ユーザーサイド)からの情報発信である以上、そこを意識する必要はなく、意識することは情報のクオリティの低下に繋がるはずだ。
あらゆる方面から好感を持たれる内容にするか否かは、書き手次第でいかようにも操作が可能。
しかし、操作された情報に情報としての価値があるかと言えば、私は低いと断言する。
あえて「無い」と言わないのは、その情報による多大な影響があり、社会的役割を担っているからだ。
極端な例を言えば、お金で操作された情報誌の内容がわかりやすいだろう。
平気で嘘をつく世界、テレビ業界などはその最たる例だ。

政治の世界での正義論でもわかるとおり、正義という言葉は安易に使うと問題の起こる言葉のひとつである。
だが、そこであえて言おう。
オーディオの世界での感想、評価は「本音こそ正義」であると。

ただひとつ注意が必要で、本物と偽者は自分の感性で嗅ぎ分け選別しなければいけない。
それは勿論まみそぶろぐにおいても同じことで、私の発信している情報が嘘か本当かを閲覧者自身が判断して取捨選択しなければならない。
その判断に書き手の入り込む余地はない。


★強く輝く星を求めて

今後もローゼンクランツの記事は続いていくことになるだろう。
今以上にオカルトめいて怪しげな、そしてアンダーグラウンドなブログになっていくのは間違いない。
しかし、それによって離れていく読者が多数いたとしても、私はそれ以上に本物に辿り着ける人が一人でも多く出てきてほしいと思っている。
この台詞自体が全てを象徴していると言ってもいいかもしれない。
このような発言は何をも恐れず吹っ切れていないとできないのだから。

相対的に見てどれだけ信頼性、信憑性が薄れようとも、本音を発信することでしか伝わらない想いを感じ取ってくれる希少な存在に私は目を向けている。
そのような人との出会いを大切にしたいし、そのような人をできる範囲内で支援したいと思っている。

私がローゼンクランツ関係で書く記事は、言葉では伝わらないようなことを言葉で伝えようとしている。
なので、ほぼ全ての人は意味がわからないだろうし、理解できなくて当たり前、理解できたら逆におかしいぐらいだ。
一般的な音楽論と大きくかけ離れているから当然である。

今のブログの雰囲気はUSTヘッドホンの駆け出しの頃に似ているなぁ。
ふとそう感じた。

決して音基準を否定するわけではないが、少しでも多く音楽性基準で音を決めれる人が増えるよう、これからも尖った文章を発信していきたいと思っている。

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★2009年まみそ的オーディオ事件 BEST5

毎年恒例となったこの記事、今年もいきます。
個人的に衝撃を受けたオーディオ機器やオーディオアクセサリーのBEST5を紹介。
機器やアクセサリーによる音質変化、及びそれによる音楽観への影響力等も考慮しチョイス。


2位:PB-CORE

今思えば、この製品との出会いはローゼンクランツと深い付き合いになる布石であったのかもしれない。
遡れば、2008年まみそ的オーディオ事件 BEST5で2位にランクインしたPB-REX Ⅳも布石だったのだろう。
私の中に、ローゼンクランツの音はガッツリと刻まれていたのだ。

全てを吐き出すコンセプト、それがPB-CORE。
PB-COREを機器の下に置いたとき、エネルギッシュで熱い音が飛び出してくるようになる。
この製品を試してみて、熱い何かを感じ取れた人には、是非ともローゼンクランツの他の製品も試してみてほしい。


3位:ローゼンクランツ AC ケーブルシリーズ

まとめてで申し訳ないのだが、ローゼンクランツの電源ケーブルシリーズ。
隠れ1位と言ってもいい、それだけ凄いケーブル達だ。

音は凄い綺麗だし、ワイドレンジで高解像度、そこは文句ないんだけど・・・
何かこう、、、心に響かないんだよね・・・

そんな人にこそ使ってみてほしいのがローゼンクランツの電源ケーブル。
音に血が流れ出す。


4位:
edition9 カイザーサウンドver

ローゼンクランツの技術によって生まれ変わったedition9。
無機質な音から有機質な音へ。
ユニットの方向性の管理、そして線材は変えずにケーブルの処理方法を変えただけでこれほどの変化が。
信じられないカイザーマジックを目の当たりにした。


5位:DPAT Seven 64

OJI Specialが送り出すトランスポート。
高音質と利便性を極めて高いレベルで実現している。
音質もさることながら、その便利さを知ってしまうとCDトランスポートには戻れないだろう。
音質、利便性を考えると驚きのコストパフォーマンスであることも見逃せない。
次世代ハイエンドオーディオの先駆けとなる機器と言っても過言ではない。


1位:
NIAGARA Jr.Ⅳ

非常に迷ったが、今年の1位はNIAGARA Jr.Ⅳ。
電源タップの常識を覆す逸品。
これほどまでに大きな改善を感じさせてくれる電源タップは他メーカーでは無いのではないか。
と言うよりも、狙い、方向性が違うので、同様の効果を得られる電源タップは他に存在しないだろう。
電源タップは「良くて現状維持」という私の中で固まっていた考えを破壊し、電源タップは「音質改善できる装置」という考えを植えつけてくれた。
システム全体へ命を吹き込む魔法の箱である。
いつの日か最上位モデルであるNIAGARAを使ってみたいものだ。


★2009年総括

2008年とはうって変わって激動の一年となった。
全てはローゼンクランツ、カイザーサウンドとの出会い。
音楽とはなんたるかを再確認し、それを実現できるオーディオアクセサリーを手に入れた。

特に電源環境を全てローゼンクランツにしたことが大きい。
今まで数多くの電源ケーブルを試し、どれもこれも理想の音とは一致しなかった。
そんな難問中の難問を、いとも簡単に解いてしまったのがローゼンクランツのAC ケーブルであった。
苦しみに苦しみ抜いた電源環境だからこそ、この凄さにはただただ感服するばかりである。

2010年はヘッドホンからスピーカーへ。
新たなステージへ向かう一年となるだろう。
貝崎氏に設計してもらったオーディオルームで鳴る音はどんなだろうか。
スピーカーの世界でも、今まで同様に高い理想を追求していくつもりだ。

これからは迷いなく突き進んでいける。
そう確信している。

2009年は、音楽観を固めることができた記念すべき年。

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★Maximum 36 ver.15a
 
まさか、自分の名前を冠した製品を手にする日がくるとは夢にも思わなかった。
ローゼンクランツ、Type36まみそ専用モデル。
全力のカイザーサウンドを堪能できるケーブル。
いったいどんな音を聞かせてくれるのだろう。
 
★Maximum 36 ver.15aの経緯
 
以下貝崎浄氏談
 

 
日頃のケーブル製品は、極限まで音楽を追求した造り方をしてしまうと周りの機材・アクセサリーが着いて来れず、最終的な音は却って逆効果になることが往々にしてあります。
そのため、設計本来の音から3%程度まで、つまり97%捨てたレベルの音で造ってあります。
それが当社とお客様双方のためとなりますので、、、
 
しかしごく稀に個人を対象とした、つまりはお得意様の内でオーディオマニアではなく音楽馬鹿である方へ特注の全力全開版を提供させて頂く場合があります。
 
聴こうと求められている音楽が同業他社のオーディオ関係製品ではまともな再現は不可能にも程があるという、オーディオ的最高難易度ジャンルを網羅されているようですので AC Power Line Maximumシリーズの完結を締めくくることになった「Maxi36 ver.15a 」、これの一号機をまみそさん専用に造っています。
 

 
このような経緯で誕生した電源ケーブル。
 
それはもう、かなりの期待を持って試聴に挑んだ。
しかし、残酷なもので私の耳は馬鹿正直で、良くないものは良くないと感じてしまう。
いくら高価なものであっても、駄目なものは駄目だと判断してしまう。


★ファーストインプレ

 >アンプに使用
 
ローゼンクランツの音に馴染んだ耳が「何かが違う」と感じ取った。
それはすぐにわかる。
ローゼンクランツの音にしては、ワイドレンジ、静寂、解像度が高い。
これらは悪いことではない。
部分的に見れば良いと言っていい要素。
 
ローゼンクランツの音というのは、中域に意識を持っていく傾向がある。
しかし、今回のケーブルは非常にレンジが広く、下から上まで平坦に鳴らすイメージ。
サラっと綺麗に鳴らす感じがする。
その影響からか、広大でスケールの大きい鳴り方となっている。
また、サラっとしたことも影響しているのだろう、優しさの表現に長けている。
 
自然で癖の無い、変な言い方になってしまうが「掴みどころの無い音」。
エネルギー感が弱く、熱さのない音。
そしてリズム感の微妙なズレ。
 
私は瞬間的に「くる」か「こない」かで音を判断するが、この音は「こない」と判断された。
 
 
>トランスポートに使用
 
次にトランスポートへ使用してみた。
 
エネルギー感はよく出ておりパワフル。
また、キレがあり音の実態感も強い。
ローゼンクランツの「らしさ」がよく出ている。
 
しかし、今度は音の抜けが悪く抑制されたような感覚がつきまとう。
それ以上に、リズム感の違和感が強い。
非常にキレのある音なのだが、リズムの波長が合わないのだ。
アンプに使用した時以上に嫌な感じを受けた。
 
 
>DACに使用
 
他の場所に使用した場合と比べると明らかに良い。
リズム感のズレが最も少なく違和感がない。
とは言ってもまだまだ僅かなズレを感じる。
実態感、音の熱さもあるが、有機的な音かと言われれば素直に頷けない。
 
現状では、以前のノーマルType36のほうが断然しっくりくる音だという結論に至った。
そして、釈然としないまま試聴を終えた。
全ては微妙なリズム感のズレ、流れのズレ、この点に尽きる。
 
※後から聞いたのですが、Maxi36 ver.15aはDAC専用だそうです
 
 
★期間を置いて
 
多忙のため音楽を聴く機会がなく2週間ほど経ったある日。
疲れを癒そうと少しだけ音楽を聴いてみた。
 
・・・・そこには本来のローゼンクランツの音があった。
 
過去ローゼンクランツ製品では特にエージングというのを意識したことがない。
最初から良さを発揮してくれていたからだ。
しかし、今回に限ればエージング効果があったのでは?と思わざる得ない。
 
ドラムの第一音が出た瞬間に体が反応する。
あの時とは別物。
窮屈な抑制感はなくなり、平坦さは消えて美味しいところを鷲づかみにする鳴り方へ。
 
なによりリズム感がビタっと合っている。
この変化が一番大きい。
抑揚と体がリンクし音楽に乗れるリズム感。
 
当初はキレや鋭さが目立っていたが、ずいぶんと肉厚で空間的な鳴り方に変化し、全体の調和が取れるようになった。
その場の空気感、空気の流れ、音の流れを感じられる音とでも言うのだろうか。
細部まで繊細に表現できるようになった点は新たな境地。
特に「優しさ」の表現力は今までにないものが感じられる。
ただし、優しい音だから柔らかいといったことはなく、逆に通常のType36よりも剛直。
余計な緩みを削ぎ落とし、より味付けを排除する傾向が強まっている。
あらゆる表現力を持ちながら、その中で優しさの表現力が上手くなったという言い方がいいだろう。
 
強烈なエネルギー感、スピード感、勢い。
まるで激流の如く音が流れ、大地の底から湧き上がる地響きの如く音が身を貫く。
その曲をどのように表現したいのかが手に取るように理解できる。
 
ただ、以前の音と比べてそんなに良くなったと言えるのだろうか?
という疑問が頭から離れない。
まだ答えを出すには早計であると頭のどこかで警笛が鳴っている。
 
一回元のケーブルに戻してから再評価しよう。
 
 
★ケーブルを元に戻し再評価
 
違いがよくわかる・・・
 
>ノーマルType36
 
・スッキリ
・軽い
・キレが際立つ
・無機質
・空間の見通しが良い
 
>Maxi36 ver.15a
 
・エネルギー感が物凄い強い
・パワフル、スピード感がある
・有機的、肉々しい
・表現力が豊か、多彩、細かなニュアンスを感じとりやすい
・エネルギーが満ちすぎて開放感に欠ける
・音数の多い音源において音が密すぎる
 
ノーマルType36は当然ローゼンクランツ特有の有機的な音を持っているが、それ以上にMaxi36 ver.15aが有機的で肉々しい音を出す。
明らかに違うのがエネルギー感の強さ。
Maxi36 ver.15aは過剰なまでに「生命力」的なエネルギー感が強い。
音数の多い音源で感じたことなのだが、ヘッドホンシステムではこの膨大なエネルギーを処理しきれない。
エネルギーが密すぎて、まるで満員電車のようだ。
この点に関しては、ノーマルType36のほうが適度な余白が余裕を生んでバランスが良い。
 
ボーカルひとつとってみても、文字通り「肉声」と言えるような声を聞かせてくれるMaxi36 ver.15aのほうが音楽性は間違いなく高いと断言できる。
しかし、悲しいかなヘッドホンの限界。
この膨大なパワーをヘッドホンのような小さな筐体で鳴らすのは無理がある。
 
 
★結論
 
ヘッドホンシステムにおいてはノーマルType36のほうがトータルバランスで良さを引き出せる。
全力ケーブルであるMaxi36 ver.15aのほうが良いとは言い切れない。
ヘッドホンシステムに限れば、個人的にはノーマルType36のほうがバランスが良いと感じた。
 
ただし、「バランスが良い」のであって、どちらが心に響く音かと言えばMaxi36 ver.15aだと断言する。
第一音を聞いた瞬間にゾクリとしたドラムの音は本物の証。

ノーマルType36に戻したものの、Maxi36 ver.15aの音が恋しくなってすぐに元に戻した。
戻して再度確認。
この音の生命感は異常。
血が通った音と表現してきたローゼンクランツの音、更にそこに魂、そして意思がしっかりと入り込んでいる。
それほどまでに生々しいサウンド。

ヘッドホンでは特に低域を余裕を持って鳴らすことができないのだが、早くスピーカーで鳴らしてみたいものだ。

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★ローゼンクランツヘッドホンモディファイの経緯

AH-D7000
ATH-W5000edition9
結果的に3機種全てをローゼンクランツの技術でモディファイすることとなったが、当初の目的はAH-D7000のモディファイだけであった。

AH-D7000。
他2機種と比べ、本来持つ音の方向性が違うとは言うものの、あまりにも淡々としていてつまらない音で我慢ならなかった。
身近な人はご存知だろうと思うが、私はかなりAH-D7000を売却するかモディファイ(バランス化リケーブル)するかで悩んだものだ。
実際、9:1の割合で売却するつもりだった。
それぐらいAH-D7000の音に失望していたと思ってもらって構わない。
心に響かない、魂の抜けたような音であった。

しかし、1割の希望、可能性を捨てきることが出来なかったのも事実。
僅かに見え隠れする起死回生の可能性を感じていた。
そこで、とりあえず改善の余地があるかどうかを貝崎氏に見てもらうことになった。
モディファイするかしないかは、その後考えればいい・・・

ヘッドホン解体新書の記事でも少し触れたが、ATH-W5000とedition9の音には満足しており、「AH-D7000をこのような音にしてほしい」という比較資料、サンプルとして一緒に送っただけであった。
だがしかし、ここでまさかの展開。
貝崎氏に「3機種全て音楽の体を成していない」という厳しい評価を戴き、結局全てモディファイすることとなったのだ。
とは言え、やはり一番の目的はAH-D7000のモディファイであることに変わりは無い。

各機種を送り出す前に私が貝崎氏に送ったメールの内容を公開しよう。



・DENON AH-D7000


これが問題の機種です。
現状、淡々としていてつまらない音がします。
他の二つのヘッドホンと比較すると一目瞭然だと思いますので、聞き比べてみてください。
音は、DENONらしいと言えばらしいのですが・・・

・オーディオテクニカ ATH-W5000

私が最も好きなヘッドホンです。
応答速度が速く、躍動感溢れるサウンド、そして臨場感、バランスに優れています。

しかし、実はバランス化に伴うリケーブルによって多少応答速度が遅くなったのが気になっています。
元々もっとキレる音だったのですが・・・
ローゼンクランツ的に言えば、一番勢いのつくところにケーブルの長さが合っていない感じです。
ケーブルの長さの微調整で改善の余地がありそうでしたら手直しして戴きたいヘッドホンです。
ATH-W5000、edition9と比べることで、いかにAH-D7000が現状つまらない音なのかがよくわかると思います。



まずはじめに、ATH-W5000をモディファイし、その効果を確認してヘッドホン解体新書を書き上げた。
そして、次にAH-D7000とedition9をモディファイすることになった。
その時に私が出した要望が以下のメール内容である。



・edition9

実際、私はこのヘッドホンをヘヴィーメタル(の中でも激しいジャンル)を聞くときにしか使用しません。
その一点においてのみ、このヘッドホンはヘヴィーメタルの攻撃的な部分をこれでもかと表現してくれます。
なので、「攻撃的な音」を追求してみてほしいのです。
現状でも特に不満の無い音なので、線材はそのままでモディファイをお願いします。

・AH-D7000

現状のまったりしすぎている音を何とかして欲しいのが一番の要望です。
あまりに淡々としていてつまらない音なので・・・
この点は調整技術で確実に改善できると思いますので、それを踏まえた上で、
D7000らしい懐の深い落ち着けるサウンドを目指してほしいです。
こちらはリケーブルから手直しして戴けたらと思います。



さて、このような要望を出した結果、どのような音に生まれ変わったのだろうか。

★AH-D7000のモディファイにおいて


AH-D7000は使用されているパーツ数が多い。
使用パーツが多いということは、それだけ各素材の方向性のズレが生じる可能性が高くなる。
逆に言えば、モディファイにより方向性を全て整えることでの改善効果に期待が持てる。
パーツ数が多い機種ほど個体差が出てくる可能性が高く、またそれに比例して改善効果が大きい可能性が高い。

>品質管理の甘さ

s-P1010225.jpgAH-D7000のモディファイの過程において、大きなミスが発見された。
右chのプラスとマイナスが逆相に配線されていたのだ。
画像を見て戴くとわかりやすい。
右ch(R)側で、本来白いマーカーがある側(左側)に黒い配線、赤いマーカーがある側(右側)に赤い配線がされていなければならないにも関わらず、赤いマーカーに近い側という解釈をしてしまって配線が逆になっている。
この勘違いはわからなくもないが、間違ったにしても、その後の確認、平たく言えば製造工程での管理の甘さであり、マニュアル化された製造システムを曝け出す事例と言っていいだろう。

ヘッドホンでは、このようなミスが他のメーカーでも稀に見られ、DENONに限った話ではないとは言うものの、また、メーカーを代表するリファレンスモデルだからという話ではないにしても、徹底した管理下のもと製造してほしいと声を大にして言いたい。

いずれにせよ、私の環境において、他機種に比べてあまりに熱の無い淡々としたつまらない音だったのは、逆相に配線されていたのが一番の原因だろう。
最初はAH-D7000の個性だろうと思っていたが、ローゼンクランツの支配力が上がっても依然として変わらなかったAH-D7000の謎が解けた気がする。
貝崎氏曰く、「音が遠かったのは逆相が原因」「右が左の1/3ほどのエネルギーしか出ていなかった」。

s-P1010220.jpgさて、話を戻そう。
AH-D7000はハウジングに難点あり。
AH-D7000の分厚くコーティングされたハウジング表面。
これは木の響きの良さを殺してしまい、ガチガチに塗装されていることによって自然な音色を損なう要因となってしまっている。
AH-D7000のハウジングの面を触った時のような、ぬめっとした感触をそのまま音としてイメージするのが分かりやすいだろう。
ハウジングの外側と内側の響きに差が生まれ、上手く響きが抜けていかないようになってしまっており、見た目の美しさを重視した結果、音質が失われてしまっている典型的な例である。

・モディファイのポイント

一番の改善ポイントは常に同じ。高い音楽性を引き出せるように。
キレの無いねっとりした音を改善するため、音に輪郭や力強さを加えられるようなケーブルをチョイス。
パーツの方向性の管理により、勢いと抜けの良さを生み出す。
可能な限りAH-D7000の欠点を打ち消す方向でモディファイ。

★インプレ

s-P1010230.jpgATH-W5000の改善っぷりを体験した後だけに、AH-D7000のモディファイには非常に大きな期待を寄せていた。
そんな想いを胸に早速試聴。

人形に生命が宿るかのように、AH-D7000に息吹が吹き込まれる。
生きた音が出るようになったこと、この変化が最も大きい。

しかし、どうしても気になる音質の違和感。
貝崎氏は「音楽性が高まれば、必然的に音質も良くなる」と言うが、私にはどうしてもこの音に「○」という判断を下せなかった。
全体が繋がったようなモヤモヤした音の鳴り方が私の言葉を詰まらせる。

ケーブルを交換したことによる影響だろうか。
ケーブルのエージング、そして耳の慣れも考慮し、しばらく鳴らしこみと聞き込みを続け、落ち着いてから改めて評価することにした。
一ヵ月後改めて再評価。

元々低域が強く、低域に意識がいってしまうようなバランスであったが、音楽のど真ん中がストレートにぶつかってくるようなバランスに変化。
音楽の本質を鷲掴みにできるような鳴りっぷりは、ローゼンクランツらしさが良く出ている。
低域には僅かだが輪郭、そして跳ねるような弾力感が生まれ、アタック感がしっかり感じられるようになった点は驚かされる。

s-P1010237.jpg音が遠くで鳴っている感覚がかなり軽減され、モディファイ前に比べるとずいぶん近くで鳴るようになった。
振動がスッっと綺麗に抜けていかないため、よく言えばホール的な「体感できる低域」となっている。
音抜けが良く壁を感じ無いATH-W5000やedition9と比べると、良くも悪くも箱庭的な鳴り方。
この点はハウジング表面の塗装を溶かし、振動が綺麗に抜けるようにしないと改善されないのではないか、と貝崎氏談。

粗い音は粗く、歪んだ音は歪んで、多様な音を再現できるようになったのは、環境側の音を引き出す能力、環境追従性が高くなった証拠だろう。
AH-D7000の音をベースにしつつも、以前に比べれば遥かに私のオーディオシステムの音を出せるようになっている。

総評としては、落ち着きのある雰囲気はそのままに、感情表現が上手くなってノリの良さが加わった感じ。
淡々としたイメージは払拭された。


★editioni9モディファイにおいて

s-P1010200.jpgedition9は公式バランスリケーブルされた状態。
この状態から、ATH-W5000と同様、ケーブルの線材はそのままに、ケーブル処理とユニットのモディファイで追い込んでいく。

貝崎氏が言うには、公式のバランスリケーブル、ケーブルの処理は完成度が高く良く出来ているとのこと。
また、パーツ数が少ないこともあり、ユニット部の完成度も高いとの評価。

貝崎氏によると、edition9のハウジングの形状は理にかなっているそうだ。
理想形と言っていいかもしれない。
一般的なドーム型のハウジングでは、パラボラアンテナを逆にしたかのように、振動が反射して戻ってきてハウジング内に溜まり、抜けが悪くなってしまう。
その点、edition9のような円柱形では振動が綺麗に抜けて好結果に繋がるようである。
ただ、理想的な構造を持っていたとしても、それを活かすも殺すも他の部分とのバランス次第なのではないかと感じた。

・モディファイのポイント


一番の改善ポイントは常に同じ。高い音楽性を引き出せるように。
edition9の攻撃的な特徴に更に磨きをかけつつも、よりオールマイティに何でも聞けるような音に、というコンセプト。
低域がドーン・・・と沈んでいってしまうのを改善、耳へスパーンとキレ良く飛び込むような低域へ。


★インプレ

s-P1010203.jpg実は今回の3機種のモディファイの中で最も驚かされたのがedition9。
この結果は正直意外であった。
edition9は、元々の音に満足しており、これ以上どうしようもないだろうと自分の中で考えていた機種。
と言うよりも、edition9は私の中である種の完成形として確固たる地位を築いていた。
edition9はどちらかと言えば無機質な音で、それがこの機種の個性であり良さだと捉え、この個性を私は実際歓迎し楽しんでいた。

その個性が破壊された。
イイ意味で。

edition9がモディファイによって何が変わったか。
それは無機質な音から有機質な音へ。
たったこれだけ違いと言うなかれ、この違いが大きな変化を生む。

s-P1010204.jpg元々性能の高さが高評価されているedition9、その相乗効果もあったのだろう。
命の宿ったedition9は、奏者の音楽性の理想形を真っ直ぐに伝えてくれるヘッドホンとなった。
その点に関しては、ATH-W5000を超えている。
どちらも素材の持つ音が個性として出ており、ATH-W5000は臨場感に優れており、edition9はストレートな表現力。
スケールが大きく、音の繋がり、そして包容力のあるATH-W5000は安心感を感じられる。
対して、真っ直ぐに音楽性を伝えてくれるedition9。
今まで散々ATH-W5000を絶賛し、edition9を軽視してきた私が言うぐらいだから、どれだけedition9が良くなったのかを察してほしい。

音で見ると、やはり中域を重視した鳴り方に変わっている。
ボーカルが前面へ出てきて目前で展開される。
これは全てのローゼンクランツモディファイ機で共通。

3機種の中では最も音抜けが良く、ハウジングの存在を全くと言っていいほど感じ無い。
振動が篭ることなく綺麗に抜けている。
耳への負担が少なく聞きやすい。
また、おそらく抜けが良くなったことが影響していると思われるのが音場感の向上。
元々持つ立体的な音場感はそのままに、伸びきる音、それにより広さを感じられるようになっている。

s-P1010243.jpgヘヴィーメタルでも激しい曲限定でしか使用していなかったedition9だが、今のedition9はあらゆるジャンルで使ってみたくなる。
以前と違い、アコースティックな音源やボーカルが堪能できるようになったedition9。
しっかりと音楽性を引き出せるようになったことが一番の原因だろう。
edition9から出てくる音に、これほどの温もりや生命力、安らぎを感じられることは、本来のedition9の音を知っている人であれば誰もが驚くに違いない。

線材が変わっていないのにこれだけの変化があったedition9。
ケーブル処理の重要性、方向性の管理の重要性を思い知らされた。

★まとめ

いずれの機種も生まれ変わったと言っていいだろう。
音楽性をどれだけ引き出せるか、という点が別物となっている。

特に感動したのはedition9。
最も違和感を感じ無い鳴り方をする。
音抜けの良さがずば抜けており、音の流れが非常に綺麗な点がポイント。
edition9はキレの良さが特徴の一つであるが、今のedition9は流れによるノリの良さへと変わっている。
奏者がどう表現したいのか、実際に出てくる音を超えた音楽の本質である音楽性をこれでもかと伝えてくれる。
惜しいのは装着感の悪さ、いくら音が良くても頭が痛くなるのは大きなマイナスポイントだ。

どの機種も音楽を楽しめるクオリティーを持っているので、今までのようにほとんど使わない機種というのはなくなるだろう。
どのヘッドホンを手にとっても楽しく音楽を聞くことができるから。

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「まみそぶろぐ内におけるローゼンクランツ関連記事へのLink集」

★カイザーサウンド

第一章~初心忘れるべからず~

第二章~カイザーサウンド(音は生き物)~

第三章~破滅からの転生~

第四章~貝崎親子来訪記Part.2~

第五章~ヘッドホンサウンド~

第六章~スピーカーサウンド~

第七章以降未定

ローゼンクランツケーブル総合

ローゼンクランツのケーブル導入履歴及び各ケーブルのレビュー

Maximum 36 ver.15a

妥協を一切許さない全力全開のカイザーサウンドを具現化したACケーブル

★インシュレーター

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カイザーサウンド 貝崎氏来訪日記

オーディオ観の転機となった貝崎氏との初遭遇

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ヘッドホン解体新書

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ローゼンクランツによるヘッドホンモディファイ第二弾!

ローゼンクランツユーザーへインタビュー

ローゼンクランツユーザーの生の声をお届けします 

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★ヘッドホン解体新書

ずいぶんと針小棒大なタイトルをつけたものだ。
そう思われるかもしれないが、今回の記事はヘッドホン界にとって革新的な内容だと個人的には感じている。

ヘッドホンの音を決めているのは何なのだろう?
すぐに思いつくのは、ドライバーユニット、ケーブル、ハウジング、プラグ・・・

「パーツの材質で音が決まる」

この考え方が一般的だろう。
これは紛れも無い事実。
しかし、これ以上突っ込んで音をコントロールしようとしている人は皆無に等しい。
線材で言えば、銅線だから、銀線だからこんな音。
ハウジングで言えば、アルミだから、チタンだから、桜だから、黒檀だからこんな音。
材質から音を決め、それ以上は・・・ない。

大衆をターゲットにして製品を作る必要のあるメーカー側は、音質と同等以上に"売れる商品"を意識しなければならない。
そのため、音質を最優先で考えることをある程度妥協せざる得ないだろう。
軽くて、細くて、使い勝手のよいケーブル。
利便性を最重視するのは、メーカーとして適切な判断でありベストな選択だと思う。

しかし、ハイエンドと言われる高額な機種に関しては話は別だろう。
ハイエンド機は、多額のコストを投入し、より良い音質をコンセプトに開発を進めているはずだ。
そんな時に、ケーブルを軽く見てしまうことは妥協以外の何ものでもない。
ユニットに関しては、様々な技術、アイデアがつぎ込まれ、各メーカー個性的な構造を有している。
それに比べてケーブルはどうだろう?
ただケーブルを繋いだだけ、本当にそれだけなのが現状だ。

だがしかし、昨今そんな状況も少しずつ変わりつつある。
利便性を犠牲にしてまでも太いケーブルのヘッドホンが出てきたり、線材の材質にこだわったヘッドホンも増えてきている。
とは言っても、まだまだ甘い、甘いのだ。
線材によるキャラクターとは別に、ケーブルの構造による音質のコントロールが全く出来ていない。
これは音ではなく"音楽"としての完成度を決める部分。
私からすれば最も大事な部分。

音を変えるのではない、"音楽性"を高めなければ音楽として成立しない。


★音と音質と音楽性

ここで少し補足説明しておかなければならないことがある。
音と音質と音楽性の相互関係である。

音とは、高い音、低い音、太い音、細い音、綺麗な音、汚い音、つまり音を要素として部分的に抽出したのが音であり、キャラクターを決定付ける要素、キャラクターそのものと言ってもいいだろう。

音質とは、もっと大きな枠組み、要素の集合体、性能を含めた音の質。
一般的な音質の定義で問題ない。
数学的に言えば、「音質⊃音」と表すのが適切だろうか。

音楽、音楽性とは、奏者の想い、感情、何を伝えたいのかを指す。
音楽性というのは、音楽が誕生したその時に同時に生まれる唯一無二なもの。
ラジカセで聞こうが、ハイエンドシステムで聞こうが、そこには同じ音楽性が存在する。

問題なのは、その再生側の機器が本来ソフトが持つ音楽性を再現できるか否か。
音楽を再現できるのであれば、ラジカセであっても音楽性は高いと言える。

オーディオファンであれば重々理解していることだとは思うが、音質を向上させれば同時に音楽性も高くなっていく。
高性能であれば音質が良くなり、それによって音楽性も引き出しやすくなる。

貝崎氏の言葉を借りるなら、「素人と筆の達人」がそのまま音楽性に当てはまる。
「音楽性の高い音楽 = 達人」、「音楽性の低い音楽 = 素人」、「筆(ペン) = 性能」。
達人は、高級な筆であろうが安物のペンであろうが綺麗な字が書ける。
言い換えれば、音楽性の高い音楽であれば、ラジカセであろうがハイエンドシステムであろうが素晴らしいと感じられる音楽がスピーカーから出てくるわけだ。
音楽性の高い音楽があるのを大前提として、それを引き出せる機器があれば、性能を高めるほどに音楽性も増していくだろう。
達人が優れた筆を使えば使うほどに達筆になるかのように。
当然、素人であっても、書きやすいペンを使えば字は綺麗になるだろう。
しかし、やはり大事なのは性能以上に元である音楽性であり、音楽性を引き出すための土台。

・音質が良くなれば音楽性も高くなる。
・音楽性が高くなっているということは音質も良くなっている。
・音質以上に重要なのは音楽性。
・なによりやってはいけないのは、音(のキャラクター)を見て判断してしまうこと。

以上の4つの項目から、音と音質と音楽性の相互関係を理解して戴けたらと思う。
外見上の音ではなく、音の本質、音楽性を見抜くことが大事。
オーディオ機器で言えば、その音楽性をどれだけ引き出せているかが大事。


★ケーブルの処理方法で音をコントロール

冒頭で述べたことの繰り返しになるが、ヘッドホンの音、音質を決めるパーツのひとつとして"ケーブル"という存在が少しずつ認知されるようになってきている。
それは、全てが音質のためとは言えないまでも、ケーブル着脱式のヘッドホンが存在すること、数々の交換ケーブルが市場に溢れていること、又はリケーブルを商売としているガレージメーカーが増えてきていること、個人でリケーブルする人が増えてきていることからも窺い知れる。

しかし、まだまだケーブルの存在、重要性は軽視されがちなのは事実。
ケーブルなどで音は変わらない。
このような考え方を持つ人が多いのが実態だろう。
しかし、私はあえてその未開の地を切り開くべく、更に一歩踏み込んで進んでみようと思う。

まず、ケーブルで音が変わるというのが大前提となる。
そのように考えている人にこそ読んで戴きたい。

ケーブルで音が変わる。
それは、正確に言えばケーブルの材質で音が変わる、ケーブルの構造で音が変わるということ。
線材を換える人はいても、ケーブルの処理を音への影響も考えながら実践している人は極少数だろう。
ケーブルをねじる、ケーブルにシールドをかけるといった処理を、正確な音への影響を把握して行えている人はどれだけいるのだろうか。

「ケーブルの長さで音は変わる」

「ケーブルのネットで音は変わる」

「ケーブルのねじり方で音は変わる」

このようなことは信じられないだろう。

昔の話になるが、知人がヘッドホンのケーブルを数センチ単位で短くしながらベストな音質だと感じられるケーブルの長さを見つけようとしていたことがあった。
私は「線材が同じなら長さなんか関係ない」「長さより線材の質のほうが大事」「長さを変えたところで音は変わらない」そのように思っていた。
しかし、当時の自分は愚かだったと痛感している。

「ケーブルの処理で音質をコントロールできる」

それを確かめるため、あえてケーブルの線材はそのままに、どれだけ音質を変えることができるのかを、ローゼンクランツの貝崎氏にご協力戴き実験してみた。
貝崎氏にとってヘッドホンという分野は全くと言っていいほど未知の領域。
果たして今まで培ってきた技術がヘッドホンで通用するのだろうか。


★ATH-W5000モディファイの経緯

s-P1010159.jpgATH-W5000そのものは個人的に好きなヘッドホンで特に音質に不満はなかった。
しかし、バランスリケーブルすることによって、本来持っている音のキレ、躍動感、スピード感が減少してしまった点は残念に思っていた。

実は、当初ATH-W5000はモディファイする予定は全くなかった。
本来の目的はDENONのAH-D7000のリケーブル。
そのための比較資料として、ATH-W5000のようにして欲しいという想いで一緒に貝崎氏に送ったところ、「このATH-W5000は音楽の体を成していない」と厳しいお言葉を頂戴した。
私はこの時、「・・・やっぱり、そーだよな」と妙に納得し安心した。
キレキレで躍動感溢れる本来のATH-W5000の姿を取り戻せ!
そして、ヘッドホンのケーブルの謎を解き明かす、という目的を達成するため、あえて線材を変更せずにローゼンクランツの調整技術のみでどれだけ音質が改善するのかを試してみることになった。


★モディファイ内容

変更点を効果の大きい順に並べると以下の通りとなる。


e19067a2.jpeg 5511636c.jpeg

①スピーカーユニットを360度ある角度の中で、時計でいう所の11時の位置(聴き手側に向かう様)に響きの方向性を揃える。


089139ae.jpeg 44d4f2bf.jpeg

②4芯シールドのケーブルのXLRオス端子の結線を2番ホット、3番コールド、1番オープンに変更(元は編組が結線されている状態)。
音のアタックとタイミングを取るのが目的。
尚且つ滲みの無いクリアーサウンドを引き出す。

fe63ed38.jpeg

③振動対策用にRGBネットを左右の長さを変えてグルーブ感を演出。
Red,Green,Blackの3種類の色によって音色が多彩になる効果がある。

④元々使われているケーブルのまったりとした音質の短所を補う目的で音を締める為に左ねじりを施す。

3b655252.jpeg

⑤スピーカーユニットの加速度組み立てを施す。
ユニットを取り付けてあるネジ3個
フレームの取り付けネジ4個
ウッドハウジングキャビ取り付けネジ4個
ネジの響きの抜けで順番を考慮して配置組み換え。
尚且つ、ユニットに偏ったストレスが発生しないようにトルクコントロール調整。

⑥音楽の押し引きが絶妙になるようにケーブルの長さを調整。


⑦音楽のテンポやノリを良くする意味で捻りの始点と終点の位置決めをシュリンクチューブによって施す。

2aebd996.jpeg

⑧ハウジングキャビ内部の白い吸音材の裏表と放射角度の方向性を左右管理。


416443ff.jpeg

⑨ハウジングキャビ外周のウレタンパッキンの裏表の方向性を是正して取り付け。

◆総評

・意外なことに、ケーブルの長さの調整が⑥番目であった。
・②番目になったXLRオス端子の結線は大事。
・RGBネットが③番目、信じ難いが効果大。


★インプレ

efe78388.jpeg線材が同じなので音のキャラクターは変わらない。
それなら同じじゃないか、、、と言う人もいるだろう。
ローゼンクランツの真髄はリズム感のコントロールにあり。

まず大幅に改善されたのは予想通り「リズム感」。
この改善がいかに重要であるか、わかる人にはわかるはずである。

音の出だしの頭が見えるように・・・
節が出来てリズムが見えるように・・・

全てが良い方向へ歩を進め始める。
音が生き生きとし、音が楽しんでいるのが伝わってくるようになるのだ。
これは、言い換えれば奏者が楽しんで演奏しているということだろう。
躍動感溢れるサウンド、音のインパクトの瞬間に力が加わりガッ!っとくるサウンド。
ローゼンクランツのレビューで何度も言ってきた奏者のニュアンスの伝わり具合も向上。
音楽を聞いていて楽しい、その楽しさを存分に味わえる音。
音楽性を引き出すことができるようになっている証拠だ。

もうひとつ、様々な箇所で響きのコントロールをした効果だろうか。
音が綺麗に抜けるようになった。
音抜けがよく、音が綺麗に流れていく。
その影響からか、スケールの大きな鳴りっぷりとなった。

元々性能が高く生々しいサウンドを聞かせてくれるATH-W5000だが、リズム感の向上によりその特徴は更に磨きがかかって言葉では表現できない域に達している。
音質面でも向上し、そこにあるのはただ"音楽"それだけである。

惜しむらくは、ヘッドホンで鳴らすような音ではなくなってしまっていること。
ヘッドホンで鳴らすには勿体無い、そう思ってしまうほどに良い音。
この音はスピーカーで、部屋いっぱいで鳴らさなければ罪である。


★注意点

単純に線材を交換するだけでは、音のキャラクターが線材の持つキャラクターに変わるだけであって、音楽性の向上はあまり期待できない。
ローゼンクランツによるモディファイは音の変化ではなく「音楽性の向上」であって、一般的なリケーブルとは根本的に狙いが違うことに注意が必要だ。
変わるのは音楽性に直結するリズム感や音の抜け、流れといった部分。
音楽性を引き出せるのがローゼンクランツの技術。
"音楽"を聞きたい人にとっては「これを待っていた!」と言えるモディファイとなるだろう。

このモディファイを行うことによって、「何か違うな・・・」と感じる人も中にはいるだろう。
人の好みは千差万別であり、人の感性もまた同じ、何を基準に良い音とするのかもまた人によって様々である。
音によって判断するのであれば、悪化したと感じるケースも考えられる。

もし貝崎氏にヘッドホンのモディファイを依頼するのであれば、まずはカイザーサウンドの真理を知ることから始めるのがいいだろう。
ローゼンクランツの方向性を知った上で納得し、そしてヘッドホンのモデファイをするのが無難な選択なのではないだろうか。


★ヘッドホンモディファイサービス

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・ケーブル部分を中心としたモディファイ ¥31500(製作難易度により価格変動あり)

 線材はそのままに、処理方法、調整のみで音をコントロール

・ユニット周りをモディファイ ¥31500(製作難易度により価格変動あり)

 ユニットの各パーツの方向性の管理等

・リケーブル ¥20000(製作難易度により価格変動あり)

 線材を交換、長さにより値段変動あり

※補足

線材の交換(リケーブル)は追加オプションと考え、ケーブル、ユニットのモディファイがメインとなります。
狙った方向に音をコントロールできるのが貝崎氏の調整技術。
自分の中にある音のイメージを伝えることで、限られた範疇の中で音の特徴を調整可能。
中には分解の困難なヘッドホンもあるので、モディファイ可能かどうか事前にご相談ください。
また、ローゼンクランツの音を理解した上でのモディファイをお薦めします。

◆お問い合わせ

 ローゼンクランツ

 担 当  貝崎静雄 
    
 TEL  03-3643-1236     
 FAX  03-3643-1237    
 携 帯  090-2802-6002    
 E-mail  info@rosenkranz-jp.com    
 URL  http://www.rosenkranz-jp.com


★曲別インプレ

①AC/DC / T.N.T

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AC/DCの初期のアルバムだが、この時からAC/DC節は既に確立されていた。
王道すぎるロックロールでノリの良さをチェック。
体全体が動いてしまうようなノリの良さ、問題なし!
音の押し引きがリズムを生み出す。
流れによるリズム感、心地良い。
エレキギターの音も秀逸。


②The Wildhearts / Chutzpah

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The Wildheartsは、途中からノイジーな音作りを取り入れるようになり、一言で言えば「うるさい」音なので音がグチャグチャに混ざりやすい傾向がある。
厚みのある空間を埋め尽くす音の洪水をしっかり維持しつつ、各音を把握できるように鳴らすのは、オーディオシステムのレベルを測るパラメータのひとつ。
歪みに歪んだギターサウンド、そこに乗ってくるポップなメロディー、それぞれの良さを引き出せており、全体の統一感も申し分なし。
あらゆる音を表現できるカイザーサウンドの真骨頂である。

③Whitesnake / Starkers In Tokyo

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スタジオでのアンプラグド・ライヴ盤。
演奏はアコースティックギターのみなので、ギターとVoを堪能できる名盤。
録音が素晴らしく、現場の雰囲気がよく伝わってくる生々しい音。
言葉ひとつひとつの大切さを感じられ、音楽を噛み締めるように味わえる。
味わい深さ、しっとりと心に染み入るような表現も手馴れたものだ。

④Four Play  / Between the sheets

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私は、メタラーということもありジャズよりもフュージョンが好き。
Four Playのアルバムは何枚か持っているが、このアルバムは中でもお薦め。
豊かな表現力をこれだけ味わえるのは奏者のレベルが高いからこそ。
演奏から生まれるグルーヴ感を見事に再現している。

⑥capsule / FLASH BEST

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打ち込みはどう鳴らすべきか。
そんなことを考えてしまうような音ではまだまだ未完成。
単純に「イイね!」、そう思えるのが大事。
超低音ベースをバックに、キラキラと散りばめられたストリングス。
様々な音が入っており、入念に音作りされているのがよくわかる。
グルーヴ感とはまた違ったキレによる縦ノリ。
このノリの良さもまた気持ち良い。
音楽はジャンルを問わない。


★まとめ

今回最も伝えたかったこと。
それは、線材を換えなくても音楽性であり音質を大きく向上させることが可能であること。
この記事に記した内容は、今までにない全く別方向からのアプローチであったに違いない。
音質と同時に、音楽性にもスポットを当てて音作りをしなければならないことの重大さを教えてくれた。

ヘッドホンはまだまだ発展途上である。
もっともっと音が良くなる余地が残されていることが今回証明されたと言っていいのではないか。

今回紹介した内容は、メーカーと言うよりも個人の領域での話。
更に良い音を目指したい人、特に音楽性の部分で不満を抱えていた人に、ヘッドホンの底知れぬ可能性を知ってほしかった。
勿論、メーカーにはハイエンド機を作る時にはもう少しこだわりを見せてほしいという想いはある。
しかし、コスト的に、それ以上に技術的に考えて難しいものがあるだろう。

高音質を追及したモデルが次々に発売されており、ヘッドホンの性能に関しては限界に達しているように思われる。
この過程を経て、次は音楽性の向上に各メーカーが目を向けるようになるのでは?と私は睨んでいる。
近い将来名機と呼ばれるヘッドホンが続々と発表されることを願っている。

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★ローゼンクランツユーザーへインタビュー

ローゼンクランツユーザーの生の声というのは、いざ探してみると想像以上に少ないことに驚かされる。
実際、Webサイトやブログでローゼンクランツのレビューやインプレを書いている人は極めて少ない。

「ローゼンクランツユーザーの生の声をもっと発信していきたい」

そんな想いから今回の企画を立ち上げた。
まずは、今回のインタビューの対象者(以下"I氏")の紹介を少ししておこう。

レコーディングエンジニア、かつ楽器の演奏者でもあるオーディオファン。
私の学生時代からの友人のバンド仲間、という一風変わった繋がりもあったりする。

ローゼンクランツケーブルに総入れ替えしたという情報を聞き、音の感想をインタビュー形式で聞いてみようと思い立った。

1時間半にも及ぶインタビュー・・・と言うよりはオーディオ談議の内容をザックリ文章化してみたので、少し長くて申し訳ないが、ローゼンクランツに少しでも興味のある方には是非ご覧戴きたい。


★I氏の自宅オーディオシステム

トランスポート:ESOTERIC P-70
DAC:ESOTERIC D-70VU
プリアンプ:Accuphase C2400
パワーアンプ:Accuphase A-60
スピーカー:DALI MS5


★ローゼンクランツを導入しようと思ったきっかけ


まみそ「はじめまして、今日はよろしくお願いします。質問という質問は考えていないので、適当な感じでよろしくです。」

I氏「こちらこそよろしくお願いします。楽しみにしていました。」

まみそ「まずはじめに、ローゼンクランツを導入しようと思ったきっかけは何ですか?」

I氏「以前車関係の仕事をしていた時に、お客からカーオーディオとしてのローゼンクランツの話を聞いたんです。」

I氏「それから何年か経って、まみそぶろぐでローゼンクランツの記事を見たんです。そーいえばそんなメーカーがあったなぁ・・・、と何気なしにオークションでPIN-RGB1を購入しました。」

まみそ「怪しいメーカーだと思わなかったんですか?」

I氏「思いました。」

まみそ「ですよね~。」

I氏「なので、オークションで安いやつを試しに買ってみたんです。」


★PIN-RGB1

まみそ「で、どうでしたか?PIN-RGB1は。」

I氏「PIN-RGB1を入れた時が一番変化が大きかったです。今思えば最初にして最大の効果でした。」

まみそ「どのような変化でしたか?」

I氏「音に熱さが生まれましたね。」

I氏「オーディオグレード的(音質的)には決して高いとは言えない音なんですが、音に熱気が生まれ、演奏者がなぜ演奏しているのか、その理由が伝わってくるようになったんです。」

まみそ「高音質を目指せば目指すほど、クリアーで解像度が高く細やかで綺麗な音になっていく傾向が強いように私は思うのですが、そこにグっと"熱"、言い換えれば息吹、生命感を注入してくれる感じですよね。」

I氏「レコーディングなどもかなりの数をやっており、CDに収められる限界と言うものといつも戦っています。本当はマスターのCDをみんなに聞いて欲しいと思ったりもします。そこにかなり近づけるのがこのケーブルでした。」


★PIN-RL(Limited)

その後、I氏はPIN-RGB2を導入する過程を経て、 PIN-RL(Limited)を導入。

まみそ「ここでケーブルのグレードがアップしましたね、どうでしたか?」

I氏「このケーブルを入れたとき、正直パっとしない音でした。音に熱気はあるのですが、スピード感が遅くなり、派手さの無い音になったんです。」

まみそ「他のケーブルとのバランスが崩れてしまったんですかね。」

I氏「そうかもしれません。オーディオ仲間にローゼンクランツの音を聞かせたとき、"よりグレードの高いケーブルを1本入れようとする人"と"入門モデルを全ての機器に導入しようとする人"がいました。」

まみそ「ローゼンクランツは全体で音を作る傾向が強くて、全体の統一感、バランスを重視するから、その場合入門モデルでも全部に入れたほうが良さそうですね。」

I氏「そうなんです。1本だけハイエンドなケーブルを入れるとバランスが崩れるようです。」


★PIN-RL(Limited)2本目 + AC-RL Limited

そこへ、PIN-RL(Limited)2本目を導入。

I氏「PIN-RGB2を導入して感じた事が倍になったように感じました。音場、S/N、有機的、そんな言葉を必要としない音ですね。とにかく好きな音楽を聞くことに集中できる音。音をチェックする為や、好きなギターの音を聞くのではなく音楽を聞くのです。音楽家にとってこれ以上の幸せはありません。」

まみそ「2本目のLimitedを入れることでバランスが整ったんでしょうか。面白いですね。」

I氏「続いて電源ケーブルAC-RL Limitedを入れました。これは凄かったですね。ローゼンクランツ色が強まるということはないんです。ただ、数日経ってから元のケーブルに戻すと・・・絶対に元には戻れないと思いました。」

まみそ「私も、ローゼンクランツのケーブルを増やしていく中で、その変化が微小だと感じることは多々ありました。ローゼンクランツは常に同じ方向を向いて音が完成に近づいていきますから、音色も音の方向性も全く変わらないため、激変と言えるような変化はありません。ただ、その中で"音楽性"であり、音のアタック感や躍動感、抑揚などが向上していくんですよね。ある意味小さな変化、ある意味大きな変化だと思います。」


★SP-5EX(Perfect)

I氏「次に入れたのがスピーカーケーブルです。これは凄い変わりました。」

まみそ「このモデルは現行モデルじゃなくて以前のリファレンスケーブルですね。」

I氏「そうですね。このケーブルを入れることで、リズム感が非常に改善されて生き生きとしたサウンドになりました。」

 
★AC-RL(Limited) + AC-RL(Maximum) + AC-RL(Maximum)

そして、電源ケーブルを次々に導入。

I氏「ここでは、ケーブルを入れれば入れるほどバランスが整っていく感じでした。」

まみそ「同じ音の中で、その精度が増すと言いますか、洗練されていく感じですか?」

I氏「そうですね。常に同じ方向性でブレることなく改善されていきました。」

まみそ「私も全く同じ感想です。全体で音の完成度を高めていくというのがよくわかりますね。」
 

★DIG-kaiser Sound

最後に導入したのがデジタルケーブル。

まみそ「私のときは、正直何が変わったのかよくわからないぐらい微小な変化でした。」

I氏「確かにデジタルケーブルを入れたときの変化は小さかったです。でも、その後また元に戻してみたら、ここでもまた絶対に戻れないと感じましたね。」

I氏「よく生の演奏が目の前に・・・とか言うじゃないですか。でも何て言うか・・・」

まみそ「そうそう。私もブログでそれを丁度書いたばっかりで、"生の演奏が~"という言葉で片付けてしまうには勿体無い、そんな音なんですよね。」

I氏「そうなんです。とにかくかなり本物に近い音になっていると思います。」

まみそ「デジタルケーブルは音の変化は小さいものの、音の嘘臭さがなくなる感じですよね。」


★スタジオでのローゼンクランツ

まみそ「スタジオではどのようにローゼンクランツケーブルを使っているんですか?」

I氏「スタジオというのは基本的に常時使用しているため、間があくことがありません。そのため、途中でケーブル等で音を大きく変えてしまうと仕事にならないんですよ。今まで基準にしていた音が変わってしまうわけですから。」

まみそ「なるほど、もし変えるとすれば、数週間の間が空いたときに全て入れ替えてしまう必要があるんですね。」

I氏「そうです。ただ、スタジオは何百本というケーブルがあるので、金銭的にも無理な話です。スタジオではケーブルや機材が多いので、オヤイデやAETなどなど、複数のケーブルが混ざって使われています。」

まみそ「そんな中にローゼンクランツを入れるとどうなるんですか?」

I氏「レコーディングでは声質に合わせてマイクを換えたり機器を繋ぎ換えたりするのですが、それと同じようにローゼンクランツのケーブルを使用して音を作るんです。ローゼンクランツのケーブルを使うと音が太くなるんですよ。」

まみそ「アクセントとしてローゼンクランツの味を付け加える感じですね。」

I氏「そうです。ただ、スタジオで使うのと自宅で使うのとでは効果が違うんですよね。機器との相性などもあると思うのですが・・・不思議です。」

まみそ「音が太くなるのはローゼンクランツの特徴なのか、それとも機器の特性がより強く出た影響なのか、どちらなんでしょうね。そーいえば、スタジオを全てローゼンクランツに、なんて考えたことはないんですか?」

I氏「それはないですね。仕事にならなくなるので。ローゼンクランツは音を生っぽく、本物のようにしてしまいます。なので、スタジオで本物のような音を作ってしまっても、自宅で聞くと無機質な音に・・・なんてことになっては困りますから。例えば、ローゼンクランツは響きも含めて音をコントロールしますが、スタジオは吸音して所謂デッドな音になるようにします。」

まみそ「そうすることによって、万人受けする音作り、誰もが聞いて第一印象で良いなと思えるような音作りがしやすくなる、音を自在にコントロールしやすい、そんな感じですか。」

I氏「そうですね。」

まみそ「自宅は自分が楽しめる音を作る。スタジオでは万人受けする音作りをする。ここに自宅とスタジオの音作りの決定的な違いがあるんですね。」

I氏「そうです。以前自宅でJBLのスピーカーを使っていたことがあるのですが、確かにスタジオと同じような音にはなるんです。ただ、疲れるんですよね。家でまでこんな音でいいのか?家ではもっとくつろげる音にしたい、そう思って今のDALIのスピーカーに換えました。」


★ローゼンクランツの一番の魅力は何?

まみそ「そろそろ締めに入っていきたいと思います。ローゼンクランツの一番の魅力は何だと思いますか?」

I氏「"音楽"を味あわせてくれること、ですかね。」

I氏「音楽に対する姿勢、考え方、さらには生き方、人生にまで影響する音だと思います。同じ読み方でも字が違ってて意味が異なる言葉ってあるじゃないですか。ローゼンクランツの音は"音楽"でもあり"音学"でもあると思うんです。音から学ぶことが多くなったように思います。」


★ローゼンクランツの音を知ることで自分の中で音楽観の変化はありましたか?

まみそ「ローゼンクランツの音を知ることで自分の中で音楽観の変化はありましたか?」

I氏「嫌いなジャンルがなくなりました。」

まみそ「どんなジャンルでも楽しんで聞けるようになったということですか?」

I氏「そうですね。奏者がなぜ演奏しているのか、その意思が伝わるようになったことで、今まであまり聞いていなかったようなジャンルでも、音に入り込める、音と真摯に向き合えるようになりました。どんなジャンルでも音を理解しようとするようになりましたね。」


★客観的に見てローゼンクランツは怪しいと思いますか?

まみそ「客観的に見てローゼンクランツは怪しいと思いますか?」

I氏「怪しいです。あのWebサイトは損をしているように思います。何も知らずに購入するのはいいと思いますが、あのサイトを見てしまうとひいてしまいますね。」

まみそ「ローゼンクランツの理論って一般的なオーディオ理論とは根底から違っているから、ほとんどの人が理解できないでしょうね。特に方向性なんかは普通の人には全くわかりませんから、普通に考えてオカルトだと捉える人ばかりでしょう。」

I氏「ただ、一度はまると全てをローゼンクランツで揃えたくなってしまう魔力を持ってますよね。貝崎さんとは是非一度会ってみたいと思っています。」

まみそ「是非会ってみてください。物凄いエネルギーを持った人です。オーラがある。音楽にかける情熱は凄いものがありますよ。」

I氏「会いたいですね。私は全てを同一メーカーでそろえることに抵抗がある(怖さを感じる)のと、現状の音に満足しているので、これ以上変える必要はないと思っています。ただ、もっと良くなるのだろうか?という想いもあるので、数ヶ月時間を置いてから貝崎さんにオーディオクリニックをしてもらおうと思っています。あと、今までは中古で買ってきたので、本来の値段を出していません、本来の値段で購入することで感動の大きさも変わってくると思うので、次は直接購入したいですね。」


★ローゼンクランツ導入を迷っている人へ一言

まみそ「最後に、ローゼンクランツ導入を迷っている人へ一言お願いします。」

I氏「まずは入門モデルを実際に体験してみてほしいですね。」

I氏「入門モデルは3万円程度で購入できるので、決して手が出ない額ではないでしょう。そこで熱い何かを感じるか否か、それで決断すればいいのだと思います。そこで音質ではない"音楽"を感じとれた人は、ローゼンクランツの道を進み始めるのだと思います。」

I氏「オーディオ仲間を家に招いてローゼンクランツの音を聞かせると、好きと嫌いが綺麗にわかれるんですよ。ローゼンクランツを使用した時の音が好きな人もいれば、使用していない状態の音のほうが好きな人もいるんです。」

まみそ「単純に好みの話なので当然ですよね。良い音の基準、良い音の考え方は人それぞれ違います。事実、高音質を追求する人が多くいて、それはそれで凄い良い音なのだと思います。」

I氏「少しオーディオとしての経験を積んで、いろいろな音を知ってからローゼンクランツの音を聞いたほうがいいのかもしれません。」

まみそ「実はそれと同じことを何人かから聞いています。いろいろな音を聞いてきて知っているからこそ、ローゼンクランツの音の何が良いのかがわかるのだと。確かに、普通に考えれば最初は"高音質"を目指してしまいます。私も実際にそうでした。音質から入ってしまう時点でローゼンクランツの良さは理解できないように思います。」

I氏「そうですね。音楽と音質の違いを判断する意味でも、興味のある人にはまず入門モデルを使ってみてほしいです。」

まみそ「このインタビュー企画で少しでもローゼンクランツに興味を持ってくれる人が現れてくれたらいいのですが・・・。今日は本当にありがとうございました。」

I氏「こちらこそありがとうございました。」

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★導入履歴

ローゼンクランツのケーブルはケーブル単体ではなく全体で判断し評価する必要がある。
ローゼンクランツのケーブルを導入する度にどのように音が変化していくのか。
①から順番にレビューを読んでいくことで変化の様子を感じて戴きたい。

AC-RL(Maximum)Type33 : PCトランスポートへ接続

AC-DA(Maximum)Type36 : DAコンバータへ接続

AC-RL(Maximum)Type33 : ヘッドフォンアンプへ接続

NIAGARA Jr.Ⅳ : 電源タップ

DIG-Kaiser Sound/3 : デジタルケーブル

AC-RL(Maximum)Type32 : 電源タップへ接続

MessageⅡ : アナログケーブル

AC-Music Conductor Type35 : CDトランスポートで比較試聴

ローゼンクランツケーブル総合


★MassageⅡ

s-PICT0184.jpgMassageⅡの導入により、電源ケーブル、インコネ、全てがローゼンクランツケーブルとなった。

さて、この音をどう表現したものか。
過去様々なオーディオ機器やアクセサリーのレビュー書いてきた私だが、今回ほど言葉に困ったことはない。

「音を表現する言葉が見つからない」

これが全てを物語っている。

ローゼンクランツの音が完成に近づけば近づくほどに、その音を表現するのが困難になってきていたわけだが、いよいよ何も言葉が出てこなくなってしまった。
オーディオ的要素を無理矢理にでも見つけようとしても見つからない。
特徴がないのだ。

あるのはただ"音楽"・・・それだけである。

それだけ癖のない、色付けのない、違和感のない音だということだろう。
まるで生活音のように自然に耳に馴染む音。
抵抗無くスッと体に入ってくる音。

オーディオ的要素を見たときに何一つ取り上げるべき箇所がないため、このような漠然かつ主観的な表現しかできないことを申し訳なく思う。

一つ言えることは、音に色っぽさ、冷たさ、濃さ、落ち着き、明るさ等々、個性を求める人にはローゼンクランツの音は合わないであろうこと。

無個性であることが個性。

無個性により音の本質を抉り出す。

その音は、あらゆる音色、あらゆる感情を表現できる。

音は部分的に見るのではなく、トータルで見なければならないこと。
そして、全ての足並みを揃えることで総合的に完成度の高い音になること。
それを教えてくれるのがローゼンクランツだと私はケーブル導入の過程で強く感じた。

解像度が高くなった。
それで良いのかどうかもう一度考えてみてほしい。
他の部分はどうなっているのか。
総合的に見て良い方向に進んだと言えるのかどうか。
本当に解像度が大事なのか、もっと大切な何かを忘れていないだろうか。

なによりも確かな良い音の判断装置、それは自身の感性。
自分の直感を信じ、単純に聞いていて楽しいと思える音を取捨選択すること。
この積み重ねが必ず"より良い音"へ導いてくれるはずである。


★まとめ

まとめと言うよりも反省文。
私の感性ではこの音を文章にすることはできない。
「MassageⅡに興味があるのですが、どのような音なのですか?」
そう聞かれたら、「実際に聞いてみてください」としか言えない。
「目の前に生の演奏が広がる」などといったよく使われるような表現も、この音の前では恥ずかしくて使うことができないし、申し訳なささえ感じてしまうほどだ。
それだけ崇高で"音楽"としての完成度の高い音。
ローゼンクランツにどっぷりはまっているユーザーには、是非ともMassageⅡという頂きまで到達して戴きたい。
必ずや満足いく音を手に入れることができるだろう。

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ヘッドフォンやオーディオアクセサリーの感想などを筆ペン先生がぶった斬るWebサイト。
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「永遠のオーディオ初心者」「糞耳筆頭」「ケーブル患者」「アクセ馬鹿」かつ「競馬中毒者」です!よろしく!








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