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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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05a456de.jpeg型番:Bose on-ear headphones
メーカー:Bose
インピーダンス:32Ω
感度:96dB
プラグ形状:Φ3.5mmステレオミニプラグ
重量:約130g
付属品:キャリングポーチ、入力ケーブル(110cm、40cm各1本)


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耳乗せ型ですがモチっとフィットする柔らかいイヤーパッドの素材が気持ちよく、また130gという超軽量により長時間リスニングに最適。ケーブルの細さ、取り回しの良さ、小型でシンプルなデザイン。ポータブル用途として高水準なデザイン、装着感、実用性を兼ね備えています。

b26c383f.jpeg基本性能は価格を考えると少し低め。1万円台でも優れた性能のヘッドフォンが数多くある中で、2万円オーバーでこの性能は残念でなりません。BOSEの機種は総じて価格設定が高めだと個人的に思いますが、「BOSEという世界的な一流ブランドのネームバリューが価格に付加されていると考えれば妥当な価格設定である」と自分を納得させることが・・・やっぱり高めですね。解像度は低め、レンジもそれほど広くありません。バランスはかなり偏った低域寄りです。これだけ低域の量が多いヘッドフォンはそうそうありません。良いか悪いかは別として、解像力が無いのに量だけ増やしたような、簡単に言えばブーストしたようなブワブワした低域が最大の特徴。低域に限れば自然さは皆無、人工的に弄った低域であるのは間違いありませんが、個人的にはこの強烈な低域の個性は「面白い」という意味で好意的に受け入れられました。低域の量が多い点以外は以外に普通で無難な音作りをしています。音場はどちらかと言えば狭いですが、程よい響きを持っているのでそれほど狭い、又は耳横サウンドといった印象はありません。エッジは若干丸めで柔らかく、素の音ではなくて若干ではあるものの艶っぽさを色付けされたような音色、聞きやすさを重視して調整したような鳴り方、音色をしています。全体的な印象としては低域寄りで高域側は抑え目で落ち着いた聞きやすい音のヘッドフォン。大多数のソースでは低域過多だと感じますが、中にはgoodバランスだと思える鳴りをすることがあるので、そんなソースを探してみるのも一興かもしれません。

s-PICT0034.jpgBose on-ear headphones、低域の量が多すぎるだけに、環境やソースによって大きく印象が変わってきてしまいます。どういうことかと言えば、単純に解像度が低い、分離感が弱く全体感の強い鳴りをする環境で鳴らした場合、低域が支配的で他の帯域を邪魔してしまいます。また、低域がブワブワとして全体的に曇ったような音になってしまうのもマイナスポイント。しかし、ある程度高解像度で分離感が強めの環境で鳴らしてあげると、低域がこれだけ強いにも関わらず中高域は非常にアッサリとしていてクリアー。驚く程に低域が中高域を邪魔せず、ブースト低域と繊細な中高域が見事に分離してくれる点は驚かされます。それでも低域の量感が多いことには変わりありませんので、「低域の量感重視」な人向けなヘッドフォンだと思います。

得意ジャンルは無し。低域の量感が欲しい人向けのヘッドフォンです。量は多いものの、ローエンドまで低域が延びるわけではないので注意。質ではなく量で勝負するタイプです。

低域を拒否するか受け入れることができるかで大きく評価がわかれそうですね。ハイエンド機種を複数所有している人のほうが逆に「面白い」という意味で個性を受け入れることができるのではないかと漠然と思います。明らかに低域が不自然、低域出すぎ、加えて解像度低い、レンジ狭い等々頭ではわかっていても、不思議なことについつい聞き続けてしまう「どこか普遍的とも言える聞きやすさ」を持った音だと感じるのはBOSEマジックでしょうか。私の味覚の好みで例えるならば「美味いとは思わないのに無性に食べたくなる時がある天下一品のラーメン」みたいなヘッドフォンです。

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★はじめに~ポータブル環境構築の経緯~

89a38dd1.jpeg高音質で音楽を聞きたいという思いがあるため、ポータブル環境への興味はほとんどなかった。
しかし、ポータブルでもそれなりのサウンドを確保しておくことに関しては肯定的であり、機会があればポータブルシステムを完成させようという思いは頭の隅に常にあった。
そんな時、巷で高評価を得ているポータブルヘッドフォンアンプ「SR-71A」(限定500台)が完売間近という情報を得たため、これをポータブル環境を構築するキッカケとすることにした。
早速Ray Samuels AudioのRay氏に発注メールを送りアンプを購入。
同時にiPod、ケーブルやケースなどを注文し、とりあえずポータブル環境を完成させた。
ホームシステムと比べれば遥かに安価に環境構築できる点は文字通りお手軽。


★構成

s-PICT0025.jpgiPod nano(16G)
iBasso iPod ラインアウトドック
mini-miniケーブル(オーディオインテル)
SR-71A(Ray Samuels Audio)

iPodとアンプを持ち運ぶ用の入れ物としてCHAOTIC ORIGIN DUBというシザーケース専門店でケースを購入。
iPodとアンプが丁度ピッタリ納まるのでオススメ。
2~3万円で購入可能。


★サウンド

初めてのポータブルヘッドフォンアンプのため、ポータブル機器としてどの程度の基本性能を持っているのかが全くわからない。
ホームシステムと比べると基本性能、及び性能に付随する要素が低いと言わざる得ないが、ポータブル機器限定で見れば優れているのかもしれない。
いずれにせよ、基本性能に関しては憶測の範囲内にすぎないので性能面の評価は避けることにする。

柔らく暖かい音で、特徴的な空気感の強いふわ~っと広がるような音場感を持っている。
その代償としてクリアーさ、キレや鋭さ、音の締まりは苦手要素。
緩く丸い音でありながら迫ってくるような押し出し感があるため、聞きやすくもダイレクトに音楽を楽しめるようなサウンドとなっている。
音の方向性をヘッドフォンに例えるならATH-L3000といったあたりだろうか。

もう少し音を締めたい場合などはヘッドフォンを使い分けることで調整可能だろう。
ヘッドフォン次第で結構印象がコロコロ変化するので、方向性として「アナログライクで聞きやすい音系」程度に考えておくのが良さげ。


★まとめ

ポータブルとして十分な音質を手に入れることが出来たと思う。
限界点が低いだけにそんなにこだわる必要性を感じ無いので、おそらくこれで完結。

個人的に弱いと感じたのは最上流のiPod、つまりトランスポート及びDAC部分。
この部分は改善する余地あり、他のプレイヤーを検討するかも。


★SR-71A備考

ac8d620f.jpeg最初は酷い音、ボワボワしてて締まりがなく音が安定しない
音のモタつきが気になるが、このあたりはエージングで改善される

フォンジャックが緩め、ガッチリ食いつかない

>使用可能な電池(使用したことのある電池)

・Panasonic アルカリ 9V

電池室にキツキツ、長持ち、パワフルな音

・MAHA NiMH 9.6V 230mAh

割りと電池室にジャストフィット、充電池、優しい音



※今後ポータブル環境が変わった場合(プレイヤー、アンプ等)はこの記事に追記していきます。

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★M1/M2

M1・・・受け皿
M2・・・スパイク

>一般的と思われるスパイク(M2)を上、受け皿(M1)を下で設置

s-PICT0031.jpgおおまかに音の傾向を分類わけした場合、同じマグネシウム素材のメタルバブルと同じカテゴリーに属する。
バランス型で、極端に響きを削ったり、極端に高解像度になったりということはない。
多少響きを削る特性があり、音が締まり分離感が強くなる。
また、音の輪郭が明確になり音像が形として認識しやすくなる。
しかし、その代償として全体の音の繋がり感、音の広がり、音場感は特別優れているとは言えない。
このあたりのバランスは好み次第で左右される部分なので一概に良い悪いとは言えないだろう。

同じマグネシウム素材でも形状の違いによって音が変わってくるようで、メタルバブルと比べると多少音がカッチリしており、響きが抑えられていてそれぞれの音が締まって明確、メリハリがある音となる。
逆に言えばメタルバブルのほうが自然な音の広がり、及びそれによる音場感を出すことが可能で、なおかつ修正されすぎない自然な鳴りを実現できているように感じる。
M1/M2にはメタルバブルのような「木製インシュ的なイメージ」はあまり感じられない。
メタルバブルの特徴のひとつである量感ある低域、これはM1/M2では出すことができない。
音が引き締まるぶんだけ低域の量感は減少し、その代わりにタイトでキレのある低域表現が可能となっている。

マグネシウム素材はインシュレーターの下のボードの材質の影響も強く受けるようで、解像度、レンジ感、情報量といった基本性能部分は勿論、音の広がり、響き、締まり具合、量感、音色といった部分がボードの素材次第で変わってくるので、インシュレーターとボードの組み合わせによって幅広く音を調整することが可能。
例えばM1/M2を使って音がシャープすぎると感じたのならば、その時にはボードに厚めの木製ボードを使えば豊潤で厚みのある音となる。
逆に音を引き締めたいのならば、金属製のボードを使うと更にシャープで高解像度な音となる。

「スパイク(M2)を上、受け皿(M1)」の使い方で唯一気になるのはレンジ感。
明らかに音が伸びず、加えて抑圧感があり漠然と嫌味を感じる。

>スパイク(M2)を下、受け皿(M1)を上で設置

高域の詰まり感が解消され、ずいぶんと音が伸びるように改善される。
高域同様に低域もより低いところまで音が伸びるようになり、明らかにワイドレンジになる。
音場が広くなったわけではないが、抑圧感が見事に消えて気持ちの良い鳴りっぷりだと感じる。
どちらが正しい設置方法なのかわからないが、私の場合スパイク(M2)を下に置いた時のほうが断然好印象であった。


★まとめ

木製インシュレーター的なナチュラルな鳴りを求めるのであればメタルバブル、多少スタイリッシュに整えられた音を好むのであればM1/M2。
どちらも大きくバランスを崩すようなインシュレーターではないので、重宝するインシュレーターだろう。
インシュレーターの下の素材が金属でも木材でも上手く適応してくれる点も嬉しいポイント。
価格も安く入門用としては強くオススメ。

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★ピュアチタンインシュレーター

ケーズラボ(K's Lab)のピュアチタンインシュレーターと、同じくケーズラボのピュアチタン受け皿、真鍮受け皿(見附精機工業)、PTS-A(TAOC)をそれぞれ組み合わせて試聴、比較してみた。


★ピュアチタンインシュレーター(K's Lab) + ピュアチタン受け(K's Lab)

s-PICT0050.jpgどちらかと言えば響きを生かすと言うよりも余分な響きをカットするタイプに属する。
しかし、響きが削られているという感覚は無く、音の輪郭のモヤモヤをスっと取り除く程度なのでそれほど気になることはないと思われる。
非常に低いところまで音が出るため、実体感と重みのある低域を出すことができ、高域も気持ちよく伸びてくれる。
性能面だけを見れば間違いなくトップクラスの「スパイク + 受け」の組み合わせだろう。
鮮烈で緊張感を味わえる音で、簡単に言えば「金属的な癖」が高域に出てくる。
同じチタン素材のIS-700tiでも同様の癖を感じる。
個人的にこのチタン特有の癖が非常に苦手。


★ピュアチタンインシュレーター(K's Lab) + 真鍮受け(見附精機工業)

「ピュアチタンインシュレーター + ピュアチタン受け」の音と全くと言っていいほど同じ。
聴覚上の違いはほとんど感じられない。
あえて違いをあげるとすれば、「チタン + チタン」のほうが僅かに中高域寄り、と言うよりは高域の主張感であり押し出し感が強く癖が感じられる。
逆に「チタン+真鍮」は高域が大人しくなり柔らかく滑らか、フラットバランス。
違うと言えば違うがプラシーボレベルの範囲内。
個人的に使い分けるとすれば、オーディオシステムの下流に使うなら真鍮の組み合わせ、上流に使うならチタンの組み合わせ。


★ピュアチタンインシュレーター(K's Lab) + PTS-A(TAOC)

非常に高解像度でワイドレンジ、HiFi傾向が強い。
今回の組み合わせの中では最も空気感が削がれソリッドで音の輪郭が明確になる。
明らかに無駄な音、と言うよりも空気感を研ぎ澄ませたという印象で、空間はとことんクリアーに、そして漆黒に、その中に音を浮かび上がらせるイメージ。
音一つ一つを浮き彫りにし、隅々の音まで知覚しやすくなるので、全ての音をハッキリ感じとりたい人向けだろう。
しっかりと空間の前後感を出せて立体的な音場を形成する。
音場感は「チタン + PTS-A」>「チタン + 真鍮」>「チタン + チタン」。
「チタン + チタン」は音の張り出し感が強く前面へ音が出てくるため、奥行き感を表現するのが苦手。
PTS-Aの特徴は中高域は高解像度かつクリアーでありながら、中~低域を肉厚で重いエネルギッシュな音を出せる点だろう。
チタン、真鍮が振動を逃がす傾向が強い(素材より形状による差のほうが大きい?)のに対し、PTS-Aは若干オーディオボードの要素を取り込んでいるような印象を受けた。
木製ボードを使っている人はが上手く適応するのではないだろうか。


★まとめ


分離感を強めたい、解像度を高めたい、クリアーな音質にしたい、そんな人にオススメなピュアチタンインシュレーター。
わりとバランスを保ちつつ解像度を上げれるので、解像度不足で悩んでいる場合には有効だと思われるが、チタンという素材は高域の癖を感じるか否かで評価が大きく分かれそうなのでリスキーでもある。
響きを最重視、言い換えれば響きが少しでも削がれることを嫌う人にはオススメしない。
個人的に今回気になったのはTAOCのスパイク用プレートPTS-A。
落ち着きがあり空間表現も上手く、どっしりとしたサウンドを目指している場合にはオススメしたいアイテム。

基本性能を大きく向上できる「チタン + チタン」のようなタイプは、音色に大きく影響するアンプではなくDACやトランスポートに使うことで音色への影響力を抑えることができる。
デジタル部分で見れば振動を逃がすという面から見てプラス効果が大きいので、アンプでいまいち合わなかった場合には上流へ移動させていくといいだろう。
適材適所、アンプで合わなくてもDACやトランスポート、又は電源部で上手く適合することがあるので、いろいろな組み合わせを試してみてほしい。

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s-PICT0019.jpg型番:K240 Sextett(無印)二代目
メーカー:AKG
タイプ:セミオープン
インピーダンス:600Ω
感度:94dB
再生周波数帯域:18 - 20,000Hz
プラグ形状:6.3φステレオ
重量:約295g

※生産完了モデル




 

無印K240、通称Sextettの二代目になります。Sextettという呼び名はパッシブラジエーターが6つある(電子回路が無く6つの小部屋にパッシブ振動板がある)ことから由来しており、パッシブラジエーターの色でSextettの初代、二代目、三代目を区別することができます。一代目はオレンジ色、二代目は真ん中が白色で周りがオレンジ色、三代目は白色。また、ヘッドバンドは初代は穴あき、二代目は穴あきと穴なし、三代目は穴なしとなっています。同じSextettでも初代~三代目は全て音が違うようで、初代のほうが低域重視、三代目は現行のAKGのようなアッサリ傾向にあるようです。二代目はその中間といったところでしょう。

9992f560.jpg古い機種にも関わらず、高性能かつ神がかり的なバランスの良さと音楽性を持った機種です。基本性能は古い機種ということを考えると驚くほど高いです。多くの古代機種で悩まされるのが基本性能の低さなのですが、K240 Sextettは群を抜いて高性能だと感じます。多少レンジの狭さは感じますが、そんなことを忘れてさせてくれる音楽性の高さを持っています。バランスはピラミッド型。しっかりと低域が出ており、中域は埋もれることなく前へ出てきて、そして高域はAKGらしい繊細さをもって鳴ります。低域は引き締まっていて量があり、厚みがありつつダンピングの効いた良質なもの。バフッっとした空気感を感じる低域はGRADOのRS-1以上の機種(RS-1,PS-1,GS1000,PS1000)を連想させられ、この空気感は低域だけでなく全体で感じられます。中高域はよく音が響き広がり、空間の広さを感じる鳴り方をします。高域はAKGらしい繊細さを持っており痛さは皆無、サラサラとした質感で綺麗で美音。注目すべきはこの価格帯ではまずあり得ない超高速な音の立ち上がりの速さを持っていることです。それこそ最先端のハイエンド機種と比較しても遜色ありません。おそらくこの音の立ち上がりの速さが高い音楽性の一番の原因だと思われます。ノリが良いのは勿論、細かな音の流れを滑らかかつ明確に描き出すため、そこからくる微妙なニュアンスの表現力の高さは素晴らしいものがあります。強い空気感と立体的な音場感も素晴らしく、ビシっと音を分離するタイプではなく臨場感を感じさせてくれる全体で鳴らすタイプに属し、「音の響きを大事にして音が作られているなぁ」と感じます。緩みなく音は引き締まっていてカッチリ系にも関わらずカッチリした印象がなく、逆に柔らかさを感じるような「どこか懐かしいアナログ感」を体験することができます。音色面の味付けはほぼ無く、作られた音楽性ではなく素の音の良さをそのまま出しているようなイメージで、このあたりも含めてK1000に通じる音の方向性だと感じました。

得意ジャンルはLIVE音源。空気感が強く臨場感重視、LIVEの雰囲気を再現するのが大変上手いと感じます。基本的にカッチリ系で素の音を出すので、艶やかさを求める場合などには向いていませんが、艶やかさとは違った意味でアナログ感からくる優しさを感じさせてくれる音なので、これはこれでVoモノ等にも合うように思います。

9fef4707.jpg私は意識しているわけではないものの、どうしても高性能な機種を好む傾向があります。そんな私が初めて性能を度外視して好きになったヘッドフォンです。日本国内ではなかなか見る機会のないヘッドフォンですが、海外市場では意外に数が多く、しかも低価格で流通しています。購入して損はないどころか、むしろ是非手に入れて欲しいヘッドフォンだと思います。「こんな古いヘッドフォンからこんな音が出るのか!」といった感動を味わえると思います。Sextettに限らなければ、K240 DFを探すのもいいでしょう。こちらのほうが数が多く、また値段も安いので入手難易度は低いです。K240 DFであれば日本国内でもしばしば目にする機会があります。最後に、K240SextettはK1000並に音量がとりにくく、強力なアンプで鳴らす必要があるので注意してください。

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s-PICT0046.jpg型番:HD414
メーカー:SENNHEISER
タイプ:開放型ヘッドフォン
インピーダンス:600Ω
感度:94dB
再生周波数帯域:20 - 20,000Hz
プラグ形状:6.3φステレオ
重量:約74g

※生産完了モデル


1968年に発売された世界初の開放型ヘッドフォン。現在は生産されておりません。音を一言で表現すると、「ふんわりとした刺激の無い心地良いサウンド」。つまり、この頃からSENNHEISERサウンドはしっかりと確立され、今に至るまで脈々と受け継がれているということです。流石に古い機種なので基本性能の低さは否定できませんが、SENNHEISERサウンドが好みの人には是非一度聞いてみて欲しいヘッドフォンです。

装着感は普通。じんわりと耳にタマゴを押し付けているような感覚が常にありますが、特に耳や頭頂部が痛くなるということはないので長時間リスニングに耐えることは可能。なにより重量が軽いのが嬉しいですね。ケーブル交換が可能ですが、ドライバの性能が低いだけにハイエンドケーブルに交換しても伸び白が全くと言っていいほど無いのであまり意味を成しません。

00441133.jpg解像度の低さとレンジの狭さが目立ち、基本性能は低いと言わざる得ません。バランスはカマボコ型。低域は総合的に見て弱く、量は少なめでとりあえず「鳴ってるだけ」といった低域で、ビシっと締まっている印象もありませんが、緩いということもなくバランスのとれた質感。中域が支配的で高域も目立ちませんが、繊細で痛さが無く聞きやすい高域はSENNHEISERらしさを感じます。低域と高域で共通しているのがレンジの狭さからくる質的な面からくる説得力の無さでしょう。低域はどうしても軽くなってしまいますし、高域も伸びないので存在感が弱くなります。GRADOのような耳横サウンドなのですが、ふわっと音が広がるため音場感がそこそこ良好だと感じます。また音の抑圧感が無い点はいかにもSENNHEISERといったところ。音量を絞ってふわ~っと聞くと心地良い、そんなタイプのヘッドフォンです。音量を上げると中域の押し出し感が強まってくるので、Voメインで聞きたい人には好材料となりそうです。最後に、全体のイメージとしてはふわ~っとしているのですが、音の立ち上がりがそこそこ早くてノリが良いので、アップテンポな曲でも上手く対応できます。

s-PICT0042.jpg基本性能が低いので高性能なオーディオシステムで鳴らす必要性が全くありません。むしろ、例えばポータブル環境で弱点である低域の量感の無さ等を補って鳴らす(低域の強いPHPAを使う)、といった方法をとったほうが良さを発揮できます。個人的にはポータブル向けのヘッドフォンだと思いますが、物凄い音量が取り難いのでPHPA必須、また開放型のため音が漏れる、更に外で使うには勇気のいるデザイン。消去法で結局家でイージーリスニング用途・・・難しいところです。

音質面から言えば「手軽にSENNHEISERサウンドを楽しみたい人」にオススメ。ですが、入手難易度の面から言うと手軽ではありません。ブラックカラーの再販モデルは稀にオークションに出ているので狙ってみるのもいいとは思いますが、所有満足度を満たすためだけの自己満足機種といった感は否めませんので、音のことだけを考えるのならば他の機種を購入したほうが賢いでしょう。ただ、冒頭でも書きましたが、SENNHEISERの音が好きであれば、現代機種には無い魅力を見出すことができるかもしれません。

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s-PICT0001.jpg型番:Edition9
メーカー:ULTRASONE
タイプ:密閉型ヘッドフォン
インピーダンス:30Ω
感度:96dB
再生周波数帯域:8 - 35,000Hz
プラグ形状:6.3φステレオ
コード:oehlbach製 3M
重量:約310g

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★アンバランス接続

 

Edition9を正規リケーブル(AUDICTIVE社製ケーブル+NEUTRIK製コネクター)したものです。Edition9バランスに変換ケーブルを接続してアンバランス接続で鳴らしているため、「リケーブルしたEdition9のインプレ」として読んで戴けたらと思います。ノーマルケーブルとAUDICTIVE社製ケーブルの音質の違いということになり、バランス接続でのインプレではない点にご注意ください。

Edition9で高域の伸びに不満を抱いている人はどれほどいるのでしょうか。高い環境レベルを構築できている人であれば、Edition9の高域のレンジの限界を感じているはずです。この高域方向へのレンジ感が私がEditino9で唯一と言っていい不満な部分でした。細かいことを言えば音場感等も不満ですが、このあたりはEdition9の個性だと捉え、むしろ歓迎し受け入れていた部分です。音の立ち上がりの速さはもう少し・・・とは正直思います。

33aa0575.jpg結論から言いますと、Edition9バランスでは見事に高域方向へもしっかり音が伸びるようになっています。この改善だけでも個人的には十分満足なのですが、その他にも数多くの改善点があります。まず単純に基本性能の向上。まずはレンジ感、低域方向へも更に伸びるようになりますが、低域は元々定評のある高品質なものを持っているので、やはり低域よりも高域方向への改善っぷりのほうが目立ちます。しっかりと高域が出るようになったことで、超低域から超高域までをダイナミックに鳴らしきり、表現力の幅が一段と広がっています。次に解像度、Editino9ノーマルが濁ってモヤモヤしていると感じるほどに高解像度になります。この高解像度による改善効果は中高域よりも低域にあると感じます。オーディオシステムにおいて難題である低域の解像度を更に向上できた点の評価は個人的に非常に高いです。Edition9の重く実体感の強い低域がますますビッシバシに引き締まり、加えて制動力も抜群。レンジ感と解像度に比べるとそれほど大きく変わりませんが、情報量も多少増えてより密な空間、実のある音となります。量感バランスはEdition9ノーマルと同様にフラット傾向ですが、低域が引き締まり、高域が量的にしっかり出るようになったため聴覚上微妙にではありますが高域寄りへシフトしたように感じます。中域がグっと前面へ出てくるようになり、むしろフラット傾向が強まったとも言えそうです。制動力が増して音が締まり、全体のモヤモヤが削ぎ落とされ、スッキリしつつも恐ろしいまでの音の実体感を持ったリアルな音、手に取るように目の前に立体的に浮かび上がる音像を生み出します。コレ以上無いというぐらいの音像型ヘッドフォンでありながら、Edition9ノーマルと比較すると音場が全方位で広がり、頭内の狭い範囲でEdition9ワールドを形成していたEditino9ノーマルとは違い、スケールの大きさを感じさせる音場感となっており、箱庭的な鳴りのイメージは一掃され、逆に自然な鳴りで臨場感を感じるほどです。音場の中では特にある意味弱点であった上下方向の空間の広さも改善されており、よく音が落ちてくるようになった点も見逃せません。Voが近くで聞けるようになった点もVoを大事にする人にとっては大きな改善点となりえるでしょう。そして、少し物足りなかった音の立ち上がりの速さに関しても見事に改善されており、ノリの良さを上手く引き出せるようになっています。

8ba1b8ec.jpgどこか優等生的な鳴りをしていたEdition9ノーマルとは違い、メリハリ感がありスタイリッシュ、超高解像度とワイドレンジで突き抜けた性能の高さを直球で感じさせてくれるヘッドフォンとなっています。カリカリに性能を追い込んだ結果、それがより自然な鳴りと音を出すことに繋がったイイ例のように思います。Edition9らしい音像感を更にパワーアップさせつつ、対極とも言える臨場感、自然な鳴りまでも手に入れてしまった隙の無い音。非公認の改造を除き、メーカー公認の製品としては間違いなくダイナミック型No.1の性能を持っていると断言します。リケーブル恐るべし。そして、Edition9ノーマルでケーブルがボトルネックとなっていることが判明しました。来出せるはずの音をケーブルによって制限されてしまっているので、自作でも良いのでリケーブルに挑戦してみてほしいと思います。

問題なのは本領発揮させるために高い環境レベルを要求することでしょう。高性能なアンプで鳴らさないとEdition9ノーマルとの差があまり出ません。正直m902程度のアンプ(含む総合的な環境レベル)では情報量、解像度、レンジ感、全てにおいて役不足です。ハイレベルな環境であればあるほどEdition9ノーマルとの違いがハッキリ出るはずです。と言うより、バランス仕様なので素直にバランスアンプで鳴らすのが賢明だと思われます。ハイエンドと言われるヘッドフォンの音の世界から更に一つ二つ先へ行ってみませんか?好み云々は別にして、上には上があることを実感できるのは貴重な体験になると思います。


★バランス接続

バランス駆動だと音がビシっとする。

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★エージングとは

エージング、エイジング、aging、ageing、英語から察するに「歳が進んでいく、歳を重ねていく」といった解釈が本来の意味であり使い方だと思われる。
さて、この「エージング」という言葉が電化製品で多用されていることはヘッドフォンやケーブル類に興味のある人の間では周知の事実!とは言わないまでも、大多数の人は耳にしたことがある言葉だと思う。
電化製品というカテゴリーにおいての「エージング」とはどういった意味なのだろうか。
先述した意味に照らし合わせるなら、「経年劣化」といった意味で使用するのが最も適切だと思われるが、しかし、エージングという言葉は「経年劣化」といったマイナスイメージの言葉として使われることは稀であり、逆にプラスイメージの言葉として使われることが大半である。
その時の意味合いとしては、「本来の性能を発揮するまでの慣らし作業」的なものと考えて大きな差異は無いはずである。
以下、「エージング」という言葉を「慣らし運転」という意味で使用していくこととする。


★エージングは存在するか否か

エージングは存在するのか否か、言い換えればエージングによって本来の性能が発揮されるようになるのか否か、更に言い換えるなら、エージングによって音が変わるのか否か。
オーディオ業界において、真っ二つに意見のわかれる大きなテーマ、それがエージング。

科学的な見解でオーディオを考える人の多くはエージングを否定し、感性重視でオーディオを考える人の多くはエージングを肯定する傾向があるように思う。
音に耳が慣れていっているだけなのか、それとも実際機器そのものの音が変わっているのか、全く音は変わっていないのか。
まず、私の意見を掲示しておかなければならないだろう。

まみそはエージング肯定派です。

私はエージングは有ると考えている。
理由は「音が変わったように感じるから」というなんとも頼りない、説得力の無い理由。
科学的に根拠を示せるエージング否定派と争ったところで勝てる見込みはゼロ、だ。
しかし、エージング肯定派のほぼ全ての人は、音が変わったことの根拠を自分の感性に100%依存しているはず。
「オレが変わったと感じたから変わってるんだよ」
といったジャイアン思考、それがエージング肯定派、なんとも滑稽なものである。

なんにせよ、否定派と肯定派が歩み寄ることは絶対的にありえず、話し合うことが無駄な議題であることは確かであろう。
否定派と肯定派各々が自らの考えに従うしか道はなく、以下の「まみそ的エージング術」は、エージング肯定派の人にしか意味をなさない文章であることを先に述べておくこととする。


★まみそ的エージング論

いよいよ本題に入る。
私のオーディオ経験から導き出されたエージング術の自論とは、

「効果的なエージングを行うには基本性能の優れた環境で鳴らすべきである」

私の経験上、エージングを進めるときに重要なのは時間よりも環境だという考えに辿り着いた。
最終的な結果(完全にエージングが終わったと言える状態)ではなくエージング経過の段階のみにスポットを当てて話すと、「極端に言えば、劣悪な環境でいくら鳴らそうが、その環境で出せる限界までしかヘッドフォンの性能を引き出せない」ということで、よりワイドレンジ、より情報量の多い、より解像度の高い音を出せる環境で鳴らすことが、短時間でヘッドフォンの性能を一気に開花させる最適な手段だと私は考えている。

ケーブルやヘッドフォンを数多くの人と貸し借りしている人の中には薄々感じている人がいるかもしれないのだが、借りたヘッドフォンを自分の環境で鳴らしてみたら全然性能を出し切れていない、まるでエージングが進んでいないような音だった、なんて経験はないだろうか?
逆に、全く同じ機種を借りてみたら、自分が持っているものより断然音が良い、なんて経験はないだろうか?
同じ機種なのに音が違う、と。

特にレンジ感、情報量は鳴らす環境、エージングを行う環境の影響を強く受ける。
高域の伸びが物足りないなぁ、と感じていたヘッドフォンが、ワイドレンジな環境で鳴らしてあげることでしっかり高域が出るようになる。
何十時間、何百時間とかかると言われるエージングが、高い性能を持つ環境で鳴らすことで極短時間でエージングを完了させることができる。
しかも遥かに効率よく、なおかつこれは確証は無いものの理想的と言えるのかもしれない。

単純に高性能な環境に追従して高音質になっているという意味ではない。
例えば低性能環境のAと高性能環境のBが存在し、Aで慣らしていてレンジが狭く情報量も出しきれていなかったヘッドホンをBに繋いで鳴らし、それをまたAに繋いで聴いてみると、同じAで聞いているにも関わらず、Bに繋ぐ前にAで聞いていた音とは明らかに違う、つまりエージングが大きく進行した状態のヘッドホンになっているということを指す。

ハイエンド機種になればなるほど性能面の潜在能力が高いため、本来の性能を発揮させるために要求する環境レベルも比例して上がる。
私自身、ハイエンドと言われるヘッドホンの性能にはまだまだ伸び白があるのではないか?と考えている。
現在の自宅の環境では出し切れない未知の性能を秘めているのではないか、と。
その部分を開拓するには更なる環境レベルの向上が必要になり、それを実現出来ればエージングは更に進み、ヘッドフォンはますますポテンシャルを発揮できるようになるはず。
先ほども言ったが、これは単に環境追従という意味ではなく、ヘッドフォンそのものの性能の幅、ポテンシャルの幅を広げるという意味である。

「音量を大きめで鳴らすことでエージングの進行が早くなる」という意見も見かけるが、それに似た考え方なのかもしれない。
より高いレベルの環境でエージングを行うことが、ヘッドフォンの能力を引き出す最善策だと私は思う。

わかりやすい例を出すならば、ATH-W5000を5000円ぐらいのアンプで200時間鳴らしたあとに10万円クラスのアンプで鳴らしてみる。
200時間鳴らせばエージングは終わっているはず。
否、ヘッドフォンに見合う環境でなければ本当の意味でのエージングは実現しない。
200時間鳴らした後であっても音は変わる、というのが私のエージングの考え方。
つまり、ATH-W5000にとって、5000円のアンプで200時間鳴らそうが、それは鳴らしてないのも同然ということ。
エージングとは環境の影響を強く受ける。
エージングとは高い環境レベルで行ってこそ大きな効果を発揮する。
そのためにも環境レベルを上げる必要性がある。

長い時間をかければ、結果論で言えば全く同じ音を奏でる状態になるのかもしれない。
しかし、エージングの過程において、環境によってエージングの効果に差があるということを私は言いたい。

たかがエージング、されどエージング。



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s-PICT0066.jpg型番:AH-D7000
メーカー:DENON
タイプ:密閉型ヘッドフォン
ハウジング:天然木(マカボニー材)製ハウジング
ドライバー:φ50mm、ネオジウムマグネット
再生周波数帯域:5 - 45,000Hz
インピーダンス:25Ω
感度:108dB
質量:370g
ケーブル長:3.0m(両出し)/7N-OFC線
プラグ:3.5φ金メッキステレオ標準プラグ
付属品:拭き布 1枚

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AH-D5000同様に神の装着感。オーディオテクニカがウィングサポート形式で素晴らしい装着感を実現しているのに対し、こちらはスタンダードな形で装着感を極めています。側圧バランスが絶妙で、長時間使用していても全く頭頂部が痛くならず快適です。ケーブルの取り回しが悪いということもありませんが、若干太いので取り回しが良いとも言えません。

AH-D7000の音を一言で表すなら「大人サウンド」でしょう。AH-D5000ほどではありませんが、落ち着きのある音の部類に入ると思います。しかし、ノリの良さや躍動感、レンジの広さといった要素から、全体的なイメージとして「地味」といったマイナスイメージは皆無で、むしろ安堵感、安定感、安心感といったプラスイメージが支配しますし、落ち着きのある音の範囲内で鮮烈さや鮮やかさもしっかり表現できています。

e8242654.jpg解像度、情報量、レンジ感といった基本性能は非常に高く、同価格帯、つまりトップクラスのヘッドフォンと比較しても恥ずかしくない性能を持っています。バランスはドンシャリ、低域は実体感が強く重さと弾力を兼ね備えたゴムボールのような質をしており、キレよりも重さ、深さ、実体感、説得力で勝負するタイプ。重いという枠の中でキレがあると言ったほうがいいかもしれません。広範囲でビシっと締まる質の低域ではありませんが、広範囲ながら決してボワつくことがなくズムズムとした弾力感と躍動感が気持ち良いです。高域にはAH-D5000でも感じられる若干の張りとシャリつきのある独特の癖があり、この癖のおかげで高域が埋もれることなく存在感をしっかり感じさせてくれます。初めはシャリつき感をほとんど感じませんが、エージングが進み高域の量がしっかり出るようになり、レンジ面でも高域方向へ伸びるようになってくるとシャリついた癖が出てきます。AH-D5000と同様の高域の癖ですが、解像度が上がって不自然さが減少したことでより全体へ自然に溶け込んでおり、加えてレンジが広く高域方向へよく伸びるようになっているため、高域の存在感がグンと増しています。結果的にAH-D5000譲りの弦楽器の表現力の高さを更に高めてくれているように感じます。音場感はソースに忠実、という言い方が最も適切でしょう。まず漠然とヘッドフォンそのものの特性として若干遠めで音が鳴りますが、それ以上にソースに忠実に、言い換えればソースによって大きく音場の特に前後感が変わってきます。非常に遠くで鳴ったり、間近で鳴ったり、言葉通りソース次第です。これは定位感が優れていることも関係しているように感じます。さて、その定位感ですが、これほどビシっと音像が定まる機種は稀で、量感ある低域でありながらビシっと定まる制動力は「強力」という言葉がこの上なく相応しく、コレはAH-D7000特有の強みの一つだと思います。後に詳しく述べますが、明確なハッキリとした音場を形成し、AH-D7000の懐の中で、AH-D7000の庭の中で鳴らす、といった印象を強く受ける点はedition9を思わせます。AH-D5000と比較した時に、個人的に最大の改善点だと感じたのが音の立ち上がりの速さ、言い換えれば応答速度の速さで、この点が改善されたことによりノリの良さを出せるようになり、淡々とした感じが綺麗サッパリなくなっています。この改善の効果は大きく、単純に音楽そのものを楽しく聞けるようになっています。AH-D5000とAH-D7000を比較すれば、応答速度の重要性、ノリの重要さを痛感できることでしょう。総合して見てみると、単純に基本性能の高さからくる音のリアリティ、伸びる低域と高域、実体感のある低域、中高域の解像度の高さ、適度な音の広がりと響き、優れた定位感、ハスキーさから艶やかさまで柔軟に対応できる音色。なんとバランスの取れた、そして安定感のある、安心できる高音質、そう感じる人が多いはず、と思わずにはいられません。あまりにも「普通に高音質」なため、ハイエンド機種で毎度感じさせられる強烈なインパクトはありませんが、スルメのようにジワジワとくる凄みを感じさせてくれる機種です。

s-PICT0064.jpg得意ジャンル、と言うよりも基本的には落ち着いた曲を得意とします。派手さ、明るさ、といった陽のイメージの曲では特別良さを引き出せないようにも感じますが、何でも当たり前のように高音質で鳴らせるので苦手は無いといったほうが適切でしょうか。低域が強い楽曲で低域過多になると思われるかもしれませんが、太い低域をガッチリと制動するパワーを持っているので、緩みのない凄みのある低域となってくれます。あえて得意ジャンルとして挙げるならば、個人的にはジャズが得意だと感じます。低域の質的に相性抜群なのは言うまでもありませんが、高域の癖が金管楽器の張りであったりハスキーな要素を絶妙な匙加減で引き出せているように思います。低域ばかりにどうしても目がいってしまいますが、低音楽器が使われていないクラシック等、中高域をメインとした楽曲もまた魅力的で、中高域の解像度の高さを存分に引き出し、細かな音まで凛々しく鳴らしてくる様、中域の音の広がり、繊細かつ芯のある高域、コンサートホールの最上段、ビップルームで達観して音楽を聞くような、又は優越感を味わえるかのような鳴りも見せてくれます。オールラウンドっぷりはヘヴィーメタルまで上手く鳴らせることからも見て取れます。量感がありつつもキレのある低域、ジャギっとしたメタリックな質感を出せる高域、音の立ち上がりの速さからくるスピード感もあり、見た目からは想像できませんがヘヴィーメタルが得意と言ってもなんら問題ありません。

音色の面で環境追従性は高いとは言えず、ある程度固定的なAH-D7000の音色を維持するのに対し、基本性能及び鳴り方そのものは大きく環境の影響を受け、環境追従性が高いと言えます。わかりやすい例を出すならば、真空管アンプを使用した時のような全体感、臨場感重視で鳴らした場合と、半導体アンプを使用した時のような分離感、定位感、音像重視で鳴らした場合で、それぞれの特性が素直に鳴り方として出てきます。個人的には音像重視なセッティングで鳴らしたほうがAH-D7000の良さを出せるように感じます。その良さとはガッチリと決まる定位感、及び音の分離感。その定位感の良さからくる音像と音像の距離感による音場の形成。認識しやすい、又は把握しやすい、「この広さの空間で演奏されている」とハッキリとわかるような確立された音場を作ることが出来る点はAH-D7000の強みであり、これはedition9での音場形成の特徴とよく似ています。AH-D7000を臨場感重視のセッティングで鳴らした場合、音が重なり混ざり、空間の見通しが悪くなり、個人的には相性が悪いと感じます。おそらく音の太さ、そして響きの範囲が広く、尚且つ音のエネルギー感が強いため、音の調和の点に関してはあまり得意ではないのが原因だと思われます。臨場感重視の鳴り方を得意とするATH-W5000GS1000等とは違い、edition9タイプの鳴り方をするので、臨場感重視のヘッドフォンと使い分けるのであれば、二つのアンプ、二種類のセッティングを用意するのが理想でしょう。

s-PICT0070.jpgAH-D5000と似ているようで当たり前ですが別物です。AH-D5000の延長上の音であることは間違い無く、解像度、レンジ感、情報量といった性能面が大きく向上し、強力な制動力と定位感、ノリの良さを手に入れたAH-D5000といった感じです。インピーダンスが低いにも関わらず、パワーのあるアンプを使用しないと良さを発揮できません。音量を上げるほどにAH-D7000がいかに優れているかがわかると思います。このような理由から、バランス仕様にすることでAH-D7000の特徴をもっともっと出せるようになり化けるのでは?と予想できるのでいつの日かやってみたいですね。個人的な感想になりますが、AH-D5000がAH-D7000に勝っていると思える部分はありません。あえてAH-D5000の利点を挙げるならば、利点と言えるのかどうかは人それぞれだと思いますが「緩さ」でしょう。AH-D5000のほうがゆったり感が強いです。ビシバシキレキレのATH-W5000を太らせたような音なので、もしATH-W5000と使い分けるならば、ホッソリとフットリで使い分けが可能です。いずれにせよ、典型的な密閉型の鳴り方であり音なので、密閉型が嫌いな人には合わないと思われます。また、再三書いていることですが、制動力が強く緩み無くガチっとしており、音の太さで目立たなくはなっているものの、どちらかと言えば硬質で柔らい音ではないので、ふわりとした心地良さを求める場合に最適とは決して言えません。このような要素を求めるのであれば、柔らかさや暖かみを感じさせてくれるGS1000を選択するのが良いと思います。まとめると、まず第一に密閉型の音が好きであり、厚み、太さのある音でありながらビシっとした音が好きな人にオススメなヘッドフォンとなります。今までありそうで無かったタイプのヘッドフォンですね。

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