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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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★PowerCD

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1993年発売、外付けCD-ROMドライブ。
PC用のCD-ROMドライブとしてではなく、単体で音楽再生やフォトCDの再生が可能。
AppleComputerとPHILIPSの共同制作で、CD読み取りのメカ部分、DAC部分にはPHILIPS製のものが使われている。


★インプレ

※極力Power CDそのものの音を検証するためヘッドフォン出力使用

1993年発売という古いCDプレイヤー(CD-ROMドライブ)のためか、良い意味で古臭い音が鳴る。
肉厚でアナログライクな音、密度感がありグイグイ音が迫ってくるようなパワーを持っている。

ハッキリ言って現在の最新のポータブルCDプレイヤーと比較してもレベルが違うのは明らかで、比較するなら据え置きCDプレイヤーでないと失礼だろう。

ポータブルプレイヤーにしてこれほど解像度が高く、音が分離し、しっかりと音ひとつひとつを聞き取れるのは驚異的である。
情報量が多く多数の音の再生を実現しているにも関わらず、そこそこ音が分離している点は「本当にポータブルプレイヤー?」と思わずにはいられない。
SN比も優秀で、空間を感じられる音場感があることにも驚かされる。
低域はブリブリと粒立ち良く、繊細さは無いが芯のしっかりした力強い高域、肉厚で密度感の高い中域。

迫力や圧倒感といった前面方向への押し出し感、パワー面に優れつつも聞き疲れのしない柔らかな輪郭の音はとても心地良く気持ちよい。


★まとめ

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やはり特徴は音の厚み、そして力強さだろう。
ガツンとくるストレートな力強さではなく、響きを内包したソフトさを兼ね備えたパワフルさ。
この手の音が好きな人は探してみる価値があるかもしれない。

巷では音が良いとの評判だが、入手困難なため過大評価されている部分はあるだろう。
しかし、確かに現行のポータブルCDプレイヤーと比較しても音は良い。
普通のポータブルCDプレイヤーを買うぐらいならこっちのほうが音が良いので使い道はあるだろう。

1993年に発売されたPCの周辺機器であるCD-ROMドライブから、こんな音が出ることに不思議さを感じる。
いったい何を考えてこんなものを作ったのだろうか?
謎めいた逸品、Power CD。

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うぃす、電源馬鹿のまみそです。

本日で「まみそぶろぐ」設立から丁度一年が経ちました。
「よく一年存続できたなぁ」という思いは微塵も無く、「もう一年も経ったのか」という思いのほうが強いですね。

内容の濃いオーディオライフ、散財もしてきました。
しかし全ては経験、財産として私の中に蓄積されています。
これは今後のオーディオライフで役立つモノなので、今までの過程に後悔の念は一切ありません。

一年前に比べればずいぶんと理想の音に近づいてきてはいますが、まだまだです。
試してみたいことは頭の中に数多くありますし、ソレは今後増えていくでしょうから、終わりは近づいているようで遠のいてもいます。
オーディオセッティングに終わりはありません。

私は音楽を聞く際ヘッドフォンのみを使用しています。
(現状まともなスピーカーシステムを組めるような環境ではないため)
「ヘッドフォンなんか」と思われる方もいるかもしれませんが、ヘッドフォンシステムも馬鹿にできません。
スピーカーに比べれば様々な意味で規模が小さいことは否めませんが、コレはコレで魅力的な音楽再生能力を持ったオーディオ機器です。

環境によって音が変化するのはスピーカーでもヘッドフォンでも一緒。
トランスポート、DAC、アンプ、電源ケーブルやインコネ、インシュレーターなどなど、何を変えても音は変化します。

私はヘッドフォンという機器からできる限り好みの音を出せるよう積極的にオーディオシステムの更なる改善にトライしていきたいと思っています。
現状に満足してしまってはそれ以上の改善はありえません。
常に貪欲に上を目指していきましょう。
考えている以上に「上の世界」は果てしないものです。

「まみそぶろぐ」は今後もオーディオアクセサリーの紹介をメインに邁進していきます。
亀レベルの更新頻度ですが、気長に見守ってやってください。

最後に定番のアレを皆でご唱和ください。

「オラにクリーンな電気をわけてくれ!」

失礼しました。

それでは本日より2周目の始まりです。
今後ともよろしくお願いします。

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★アピトン

黒檀やアサダ桜、松や楓などはオーディオ界を代表する木材。
インシュレーターやオーディオボード、オーディオラック、スピーカーやヘッドフォンのハウジングなどによく使われている。
一方、アピトンという木材を使った製品はあまり目にしない。

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イルンゴ社の"grndezza"というアピトン材を使用したオーディオボードがあるが、今回紹介しているアピトンボードは"grndezza"ではないので、同一の音ではない点に注意してほしい。


★オーディオボード

s-PICT0017.jpgオーディオボードというのはシステム全体の音のコンセプトの方向性をガラっと変えてしまう力を持っている。
影響力が大きいので、新しいボードを導入することでせっかく完成していた音のバランスを崩してしまい、細かな調整をし直さないといけない羽目になることは当然のようにありえる。
しかし、自分にとって最適なオーディオボード、言い換えれば「素材・材質」を見つけることができれば、それはどこに導入しようが上手く適合するので、自分好みの素材探しは妥協せずに探求するべきだと思う。
私はアピトン材こそが自分にとっての理想の音を実現する素材であると確信し、現在はオーディオシステム全体に使用している。


★インプレ:400(W)mm×300(D)mm×40(H)mm

93c1ace3.jpg

まず音場感。
空間表現を一言で表すなら「漆黒の縦穴」。
クリアーに澄み切るような透明感のある空間ではない。
無の状態に「闇」という成分が満ちた空間。
「闇」という成分が満ちていることを感じられる空間。
静まり返った闇の中にいる状態を想像してほしい。
「闇」の存在を感じないだろうか?
つまり、空間の存在感が強い。
そのため、スカっと透き通るようなクリアーさはないのだが、黒く深みのあるクリアーさを持っている。
同時に、この「闇」の黒さによる陰影表現の上手さ、コントラストの表現に優れている。
Voなどの前で出るべき音はしっかりと前へ出てきて、その後ろに広がる空間は広く、残響成分がスーっと伸びていく。
"深い空間"であり"深い鳴り(鳴らし方)"という感覚は初めて味わった。
これは物理的に下方向へ深いのではなく、懐が深いという意味のほうが正しい。
アピトンの雄大な懐の深さの中で音楽が鳴っている。

次にエネルギー感。
エネルギー感が強い音になる。
が、活発的なエネルギッシュという感覚とは違う。
動的ではなく質量的な意味でエネルギー感が高く力強い音、重さのある、存在感のある音。
電源ケーブルで言えばallegretto ACが似ているだろうか。
音の粘土が上がり生気が吹き込まれることで力強さを生み出すタイプ。
音をクッキリハッキリ分離して微小な音まで表現するタイプではなく、また電源ケーブルの例えになってしまって申し訳ないのだが、EPIPHANY X2のように隅々の音までエネルギーをいきわたらせて存在感を増して微小な音を認識させるタイプ。

柔らかく角がなく、音が締まると言うよりはグっと密度感が高く凝縮されたようなエネルギー感に満ちた音でありながら、しっかり響き成分があり心地良い音。かといって、丸く柔らかいというイメージが強いということはなく、力強さや迫力を出せて、木材にしては音の立ち上がりが速くダイナミズムが生まれ躍動感があり、打音等ではキレの良さと重さが相俟ってインパクト感が強い。音は太く、ガシっとした芯はないが、凝縮された密度感の高い部分がある意味「芯」の役目を果たし、音の柱を形成している。このような特徴を持っていながら、高域は非常に繊細で刺激の無い優しい音色。

木材らしいと言えば木材らしく、ニュートラルで自然、聞きやすい心地良い音。
しかし、他の木材と比較すると異質と言わざる得ない。
これほど濃く深みのある、そして密度感のある音になる木材を私は他に知らない。

基本的にHiFiな音とは真逆の方向性なので、解像度を上げたい、音をハッキリ分離させたい、メリハリをつけたい、鮮烈な音が欲しい等の効果を求めている場合にはNG。
響き重視、響きを活かすという方向性を大前提とし、自然な鳴りでエネルギー感のある生命感、存在感のある音にしたい場合にオススメ。


★インプレ:500(W)mm×450(D)mm×90(H)mm

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40mm厚ではボードの下にスパイダーシートを挟んでいたが、90mm厚では厚さ3mmのフェルトマットを挟んでみた。
この場合、振動を抑えるには抑えるが、スパイダーシートほど強く振動を抑えないので、響きを活かす方向になると思われる。

厚みが90mmになることで、40mm厚と比べて更に厚みと濃さ、そして雄大さが出る。
その程度に考えていた。
その予想は当たってはいたが、それ以外に想像していなかった変化を確認できた。

90mm厚では「厚み、濃さ、密度感」といった要素と「クリアーさ、高解像度」を非常に高いレベルで両立できるようになっている。
40mm厚と比べると更に濃厚で密度感の高い音になっているのだが、音が濃いのにクリアーで澄み切っている点がポイント。
空間の密度感が非常に高いのを存分に感じさせつつ、その空間はクリアーであり、見通しが良く音場感が良好で広さを感じられる。
とことん重く濃く、腹に響く説得力のある低域、高域はクリアーな空間に豊富な残響成分を伴い軽やかにふわりと舞う。
響きの美しさは言うまでもないだろう。
音が抑制されず伸び伸びとしておりレンジ感は申し分ないし、40mm厚のコントラストの良さを更に発展させた多彩な色調と言うか、グラデーションの豊かさは絶品。
低域ひとつでも様々な濃さの低域を感じさせてくれる。
例えば、黒という色ひとつを取ってみても、薄い黒~濃い黒まで感じられるのだ。
これは中域でも高域でも同じことで、微妙な色の濃さの違いを音として感じさせてくれる。

ボードを指で叩いてみると、90mm厚のほうが余計な響きがなくカンカンカンとすぐに音が収縮する。
40mm厚は90mm厚と比べると叩いた時に少し響く、音で言えばコンコンコン。
この結果からも90mm厚のほうが解像度、音の締まり、分離感、定位感に優れていると予想できる。
40mm厚で感じていた「性能面」の不満を見事に改善できており、40mm厚でのアピトン材の「らしさ」を伸ばしつつも「性能面」が向上している。
アピトンボードの真骨頂ここにあり!と言わしめるに値する90mm厚の威力。
響きを活かす木材ボードを使用するのであれば、是非とも極厚のボードを利用してみてほしい。

木製ボードとの相性が良いローゼンクランツのインシュレーター(PB-REX Ⅳ等)を使うことで、更なる向上を狙えるのでオススメ。

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★インプレ

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性能と言うよりは聞きやすさを重視したタイプ。
これといった特徴はなくバランス型で、自然でニュートラルな質感。
厚みがあり安定感のある音。
響きを削らず濃いエネルギー感のある低域は重みも感じられ非常に魅力的。
中高域は優秀な金属インシュレーターや石英インシュレーターなどとと比較するとそれほどクリアーだと感じ無いが、繊細でなめらか、サラサラとしていて聞きやすい。

全体的には音が浄化され雑味が取れるような感覚があり、張りや角の無い滑らかで刺激の無い音。
情報量が多くエネルギッシュな点はローゼンクランツのよう。
そして音が浄化され無機質さが無くなり有機的になる点はD-PROPのようだ。
この二点が大きな特徴。

★まとめ

バランスを崩さずエネルギー感を加え、音を浄化してくれる。
雑味をスーっと抜き取ってくれて聞きやすい音になるという効果は同じAcousticReviveの水晶アイテムQR-8に似ている。
どんな環境にも安心して導入できるインシュレーターだろう。

インシュレーターとしてでなく、天板の上に置いたり電源プラグの下に置いたりするだけでも驚く程同様の効果を発揮する。

騙されたような気がしないでもないが、優れたインシュレーターであることは間違いない。
何か独特のエネルギー感を感じるのはプラシーボだろうか。
水晶パワー恐るべし。

★余談

個人的な意見を書くと、インシュレーターとしてのコストパフォーマンスは悪い。
これだけの値段を出すならD-PROPを選択したいのが本音。
水晶独特の特徴にどれだけ価値を見出せるかがコストパフォーマンスを左右する。
水晶の効果はどうも振動対策だけではないようで、間接的であっても効果を発揮する。
特に電源まわりに水晶を置いた時は効果が大きい。

間接的な効果目的で使用するのなら形状は関係ないと思われる。
水晶通の人からは「水晶の形状で水晶パワーが変わる」と言われるかもしれないが、そこまでいくと完全なオカルトの世界。
水晶にオーディオ用も何もあったもんじゃないので、RIQ-5010である必要性は正直言って無い。
そのため、間接的使用法による音の浄化作用目的であれば、水晶屋で天然水晶を購入したほうが安上がりだろう。
実際に試したわけではないので確証はないが、同じ天然水晶なのだから同様の効果が得られるはずである。

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39a09c49.jpg型番:MDR-SA5000
メーカー:SONY
タイプ:開放型ヘッドフォン
再生周波数帯域:5 - 110,000Hz
インピーダンス:70Ω
感度:102dB
質量:260g
ケーブル長:3.5m(両出し)/6N-OFCリッツ線
プラグ:6.3φステレオ

メーカー製品紹介ページへ



装着感は良好。重量が軽く、ヘッドバンドは幅広で頭頂部が全く痛くならないのは良いのですが、イヤーパッドが硬めで耳まわりがカッチリした装着感なのは少し気になります。見た目は近代的でクール、ある意味高級感を感じられます。

3c1ad688.jpg基本性能は非常に高いです。価格からは考えられない高性能ぶりで、総合的に見ればトップクラスのヘッドフォンに迫る基本性能を持っています。情報量や解像度、音の分離感も優秀なのですが、それ以上に帯域の広さが際立っています。特に高域方向への伸びは目を見張るものがあります。(正直嘘臭いスペックを疑っていたのですが、あながち誇大表示でもなさそうです。)バランスは僅かに高域寄りですがほぼフラット。低域は必要量出ていますし、締まっておりビシビシとアタック感のあるもので高品質。高域は繊細で気持ちよく伸びます。ダイナミック型で性能的な意味でこれほどの高域を実現していることに素直に感動。全体で見ると、味付けが無く素の音を聞かせてくれるヘッドフォンで、艶やかさや柔らかさ、演出的な響きといった味付けの無い音色。線は若干細めで芯がありカッチリした音、オーディオ的な音ではなくどちらかと言えば機械的な無機質な音です。無機質とは言ってもモニターライクなイメージは無く、独特のオーディオ的な味を持っていますが、このような味わいを持った無機質な音こそ本来のモニターライクと言える音なのかもしれません。高い性能に裏づけされた良い意味での「粗さ」を出せるヘッドフォンで、綺麗に聞きたい場合には適さないものの、ロックやメタル、ジャズ等ではギターやVoなどの音の粗さを実にリアルに表現できます。ジャギっとしたメタリックでエッジの効いたギター音、男性Voでの掠れによる緊張感を伴った声音を堪能することができます。この「音の粗さ」をリアルに出せる点がMDR-SA5000の最大の特徴であり利点、癖、味付けと言えるかもしれません。音場は明確かつ明瞭、響きから広さを感じさせるタイプではなく、定位感から広さを形成するタイプ。音場は広く優秀な部類に入ると思います。なかなか速い音の立ち上がりからキレが良く、キレの良さからくるノリの良さを持っています。

s-P1010136.jpg性能が高いので何でもそつなく高品質に鳴らすことができますが、音楽を聞く時にオーディオ的な要素(味付け)を求める場合には適さないヘッドフォンだと感じます。音の持つ「粗さ」を活かせる曲がMDR-SA5000の得意とするところではないでしょうか。個人的にメタルに適したヘッドフォンとしてPS-1SR-325ATH-AD2000editioin9HD25K1000がありますが、音の粗さでもってメタルの良さを引き出せるという意味でSA-5000はこれらの機種と肩を並べるメタルフォンだと私は思います。余計なオーディオ的な味付けのない素の音を出せるという意味ではK1000に似ているかもしれません。また、音場感が違いますが、パワフルさを抑えて線を細くしたATH-AD2000とも言えそうです。

s-P1010139.jpg一見味付けが無く癖の無いヘッドフォンのように見えて、「粗さ」や「高域の伸び」といった珍しい部分を魅力として持っている個性的な機種。なかなか使い難いヘッドフォンのように思いますが、環境とソースがはまるとカッコイイ音を鳴らしてくれます。基本的には癖の無い音であることは間違いないので、艶やかさや柔らかさ、豊かな響きなどといった要素を求める人には合わないでしょう。同時に心地良くまったりと音楽に浸りたい場合にもあまり向かないと思います。個人的にはATH-AD2000が音、性能、価格の面で良いライバル機だと思います。同系統の方向性に属するニ機種ですが、「粗さ」を求めるならMDR-SA5000、多少オーディオ的でパワフルさを求めるならATH-AD2000でしょうか。使い分けが十分可能なレベルで差はあります。

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★インプレ

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HiFiさとアナログさを上手く両立したAcousticReviveらしい音作り。
バランス型ではあるが僅かにHiFi寄り。
解像度の高さや音の分離感を伸ばしつつ響きや音場感もしっかり維持できている。

全体的なイメージとしては金属インシュのそれであるが、限りなく金属特有の癖を抑えた自然な鳴り。
程よく音を締め(響きをガッツリ削るわけではない)、低域はタイトで弾けるようなブリブリとした質感になるが、その影響で厚みや重さは若干削がれる。
高域は鮮やかでギターの音などを鮮烈に表現してくれる。

★まとめ

クリアーさや音の分離感、解像度を上げたいが響きも程よく残したい。
そんな時にはDBP-3が適切だろう。
多少音が張る傾向があるので、ゆったりと心地良く柔らかなサウンドを求める場合には向かないように思う。
基本的にはメリハリを付けるタイプであることに注意が必要。

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★インプレ

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コレといったわかりやすい癖が無くナチュラルなサウンドとなる。
全ての要素が平均して高水準、バランスが良いのが特徴。
解像度だけを取ればもっと優れたものは存在する。
キレやスピード感だけを取ればもっと優れたものは存在する。
響きだけを取ればもっと優れたものは存在する。
などなど。
一点だけで見れば負けていても、総合力で見ればD-PROPは確実にトップクラスに入るだろう。

情報量、SN比、解像度、音の分離感、響き、量感バランス、音場感、定位感、実体感、繊細さ、力強さ、エネルギー感、スピード感、キレなど、あらゆる要素が十分満足いくレベルを持っており、優れたバランス感覚による聞きやすさは特筆すべきものがある。
特に音場感であり定位感、言い換えれば空間表現力に長けているので音場重視の人にはオススメ。

D-PROPならではの特徴を挙げるとすれば"有機的な音"になることだろう。
D-PROPは中に液体が入っているため、おそらく液体の影響でなめらかで瑞々しく有機的な音となっていると思われる。
有機的な音へと変化するインシュレーターとして天然水晶インシュレーターRIQ-5010(ACOUSTIC REVIVE)があるが、微妙に有機的のニュアンスが違う。
「有機的⇒生物的⇒生命を感じる音」。
生物的の「生物」は動物と植物の二種類にわけられる。
これがD-PROPとRIQ-5010の違いに上手く当てはまるように思う。
D-PROPは動物的な有機さ。
肉の旨味のような味わいのある有機さを出せる。
対してRIQ-5010は植物的な有機さ。
音が浄化されるような感覚がある。


★まとめ

事細かに説明したいのは山々だが、優れたものは意外と説明しにくいものだったりする。
価格はインシュレーター界でもトップクラスだが、決して高いとは思わない。
それだけの満足度を与えてくれる。
私が経験してきたインシュレーターの中ではPB-REX Ⅳと並んで最も好み。
システムバランスを大きく崩すことは無いし、変な癖も付かないので安心して導入が可能。
これほど完成度の高いインシュレーターは稀だろう。

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304656e2.jpg型番:T50RP
メーカー:FOSTEX
タイプ:ダンプド・セミオープンRPダイナミック型
再生周波数帯域:15 - 35,000Hz
インピーダンス:50Ω
感度:98dB
質量:390g
ケーブル長:3.0m(片出し)
プラグ:6.3φステレオ

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装着感はなかなか良好。頭頂部にはパッドが付いておらずゴムが剥き出しなので、長時間付けていると頭頂部が地味に痛くなってきます。イヤーパッドは夏だと蒸れそうな点は注意。 

ダイナミック型ではない“RP”(Regular Phase:全面駆動型)タイプの振動板を採用しているヘッドフォン。ダイナミック型とコンデンサー型の中間、どちらかと言えばコンデンサー型寄りの鳴り方で、ダイナミック感、力感が弱く拡散的で響き豊か、全体感の強い鳴り方をします。鳴り方としてはUSTヘッドフォンと似たような系統に属します。

1b959116.jpg基本性能は価格なり~低め。特に解像度、音の分離感、帯域の三点が弱いと感じます。解像度が低く高域での音潰れが目立ち綿密な表現は不可能。全体的に音が粗くぼやけた印象になり分離感が弱く、各音像のフォーカス感が曖昧で散漫とした印象を受けます。低域方向、高域方向共に音が伸びず、帯域の狭さからくる窮屈さを感じ、同じ理由から躍動感も弱いです。バランスは帯域の狭さからどうしても若干カマボコ型にならざる得ませんが、細かく言うなら低域寄りのカマボコ~フラットで高域の量感が少し弱いです。低域は多少ぼわついており全体に馴染んでしまうような鳴り方ですが、量感はあるので低域が弱いと感じることはありません。角が無く柔らかいソフトな質感の低域。中高域は性能面を考慮しなければ非常に魅力的で、刺激が無くソフトで滑らか、芯が無くサラサラしており艶やかでふんわりとした心地良い音です。音場感は奥行き感が若干弱いものの、響きの豊かさから狭いとは感じさせず優秀な部類に入ると思います。全体で見ると意図的に作られたような癖が無く中庸な素の音なのですが、無機質ではなく逆に有機的な優しく温かな音で、モニターヘッドフォンでありながら音楽性に富んだヘッドフォンです。

得意とするのは女性Voモノ。空間に満ちるVo成分が心地良く、艶やかな音色が魅力的です。T50RPの範囲内でとても上手く鳴らしてくれます。女性Voモノ以外ではヒーリング要素の強い楽曲にも向いています。何でもそつなくこなせますが、微妙に地味で落ち着いた音調になるので、激しいロックやジャズなどを気持ちよく聞けるタイプのヘッドフォンではありません。クラシックは鳴り方的にはとても相性が良いのですが、「もっと低い音が出せれば」「もっと高い音が出せれば」といった勿体無さを感じます。

s-P1010142.jpg価格からして性能を求めるのは酷ではありますが、かなり性能面の不満は大きく、性能だけで見るとコストパフォーマンスは悪いでしょう。性能の低さが大きく足を引っ張っており、独特の鳴りの魅力を最大限に活かせず半減させてしまっています。しかし、通常のダイナミック型とは違った力の抜けた鳴り、響き豊かで拡散的、ふんわりとした幻想的な鳴りはT50RPならではの特徴であり、この点に特化していることがT50RPの売りだと思います。女性Voを楽しむという目的であれば、低価格モデルの中では一歩二歩リードしているのではないでしょうか。このタイプの鳴り方をするヘッドフォンは稀なので、高級機に慣れてしまっている人でも意外と使い道のあるヘッドフォンかもしれません・・・性能面に目をつぶれればの話ですが。この鳴り方のまま性能を引き上げることで数々の不満点がスッキリ解消されるように思うので、是非とも高性能なモデルも出して欲しいものです。鳴り方がツボにはまればコストパフォーマンスの高い面白い機種です。

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s-P1010148.jpg型番:AH-D5000
メーカー:DENON
タイプ:密閉型ヘッドフォン
ハウジング:天然木製ハウジング
再生周波数帯域:5 - 45,000Hz
インピーダンス:25Ω
感度:106dB
質量:370g
ケーブル長:3.0m(両出し)/7N-OFC線
プラグ:3.5φステレオ(6.3φステレオ変換プラグ付属)

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装着感は大変素晴らしく最高レベル、長時間リスニングでも快適です。頭頂部は痛くなりませんし、イヤーパッドもフカフカしていて良い感触。木製のハウジングはどこかノッペリした艶。ケーブルがHP-DX1000に似ていてそこそこ太さがあります。程よく柔らかさがあるので取り回しが困難と言うことはありませんが良くもありません。

この機種を一言で表すなら「Best of 無難」です。誰でも嫌とは感じ無いような、誰でも良いと思える音ではないでしょうか。「ずば抜けた美味さは無いが80点ぐらいで美味しくて、いつも満員のラーメン屋」みたいなヘッドフォンです。

f7361c01.jpg基本性能は同価格帯と比較すると少し落ちます。解像度と帯域の面で少し物足りなさを感じる人がいるかもしれません。バランスは低域寄りで良い意味でドンシャリ。低域は厚みと量感があり、全体にどっしりと安定感を与えてくれます。豊かで柔らかさがありつつも元気さを兼ね備えた低域で、HP-DX1000と同系統の低域と言っていいでしょう。豊潤で柔らかいイメージの低域とは対照的に、高域は量感が若干控えめで微妙にではありますが独特の癖があり、僅かにシャリシャリと言うか擦れるような感覚の特徴があります。シャリシャリとは言っても決して刺激があるというような悪い意味ではなく、良い意味で微妙に癖がつけられていると捉えてください。「低域に埋もれず負けないようにあえて少しだけ癖をつけて強調感を出しているのでは?」と私は感じました。この独特の癖のおかげでピンと凛々しく音が張り、弦楽器の音などを粒立ち良く表現してくれますが、人によってはVoの高域などで少し耳障りだと感じる可能性もあります。AH-D5000は量感あるマイルドな低域と少しピリリとした高域との絶妙な調和が魅力的だと感じます。全体的に見ると柔らかさや全体感、心地良さ、といったイメージが強く支配します。低域が量感を伴いそこそこ主張感があり元気系なのに対し、中高域は"秋の静寂な夜"と言ってしまってもいいほどに落ちついた鳴りのため、若かりし頃にスポーツで培ったパワーを低域で覗かせつつ熟年の渋みや落ち着きを中高域で出すという大人サウンドを、そして木製ハウジングを活かした柔らかな響きにより心地良いまろやかな音を奏でます。音場は前後左右に物理的な距離感があまり感じられず広いと言うのには抵抗がありますが、立体的な音場を形成し、聴覚上は強く意識しなければ狭いという感覚もありません。私的に欠点だと感じるのが音の立ち上がりの悪さです。悪いということはないのですが、音の立ち上がりが速いとは言えず、立ち上がりの速さからくるキレを出せるタイプのヘッドフォンではありません。そのためダイレクト感、ビシバシっとしたキレ、キレからくるノリの良さを出すことができないので、この特徴も影響してヘッドフォンのキャラクターがまったり系寄りになっているように感じます。ただし、音の実体感は程よくあるので、まったり一辺倒というほど極端ではありませんが、ヘッドフォンのイメージを総括するならやはり「低域寄りのまったり系ヘッドフォン」となります。

s-P1010145.jpgなにしろ無難な音作りですから、特に得意とするジャンルもなく、特に不得意とするジャンルも無いように思います。ジャンルで使い分けるのではなく、心地良く音楽を聞きたい時に使用すると良さそうに思いますが、程よく力感や実体感があるので心地良く聞きたい時限定と言うわけでもありません。ジャズ等ではグっとくる低域と独特の高域が相俟って落ち着きながらも潜在的なパワーを感じられる魅力的な音を聞かせてくれます。個人的には弦楽器を非常に上手く鳴らせるヘッドフォンだと感じました。なんだかんだ言っても、あまり気にせずに何でもこなせるヘッドフォンでしょう。

DENONらしい低域ベースの音作りなので良質な低音を求める人にとっては満足度が高そうです。性能面から見ると価格が少し高い気もしますが、この価格帯では最も無難で安全牌的なヘッドフォンだと思います。装着感を含め心地良さを求める人にオススメ。

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★ローゼンクランツ

インシュレーターの王様と言われるローゼンクランツ。
よく研究された構造を持っていると同時に、とてもオカルト要素の強いインシュレーターである。
金属に方向性などあるのだろうか?
私はオカルトグッズに抵抗は無いので、余計な邪念無しに純粋に音だけで判断する。
音が良ければ文句は無い。


★インプレ

基本的にこれといった音質面での特徴があまりなく、癖の無い"自然"な音を出すのが特徴。

音の響きを非常に重視している点が一番の特徴だろう。
ローゼンクランツのインシュレーターは木製ラックと併用することを前提としているが、木製ラックの響きを殺さず上手く利用できているように感じる。
木の響きを活かしつつ、クオリティーを高めていくのがローゼンクランツのインシュレーターなのではないだろうか。
そのため音のハーモニーに優れ、綺麗に音が調和する。
空間全体に音が満ちるタイプで厚みが増しエネルギッシュ。
反面空間のクリアーさは高くなく、音の分離感を強めたい人には向かないと思われる。

解像度は特別高くない。(PB-REXやPB-BIGなどの上位モデルはわからない)
材質で言えばチタンや石英、マグネシウムなどのほうが解像度が高くクリアーな音質を得られる。

音場感は響きを活かすタイプなので優秀な部類に入るだろう。
立体的な音場を形成し大変素晴らしい。

ローゼンクランツならではだと感じたのが"音の流れ"と"音の熱さ"という二つの要素。

>音の流れ

"音が流れる"という感覚はローゼンクランツ以外ではなかなか味わえないように思う。
例えばノリを例に挙げてみると、ローゼンクランツでは立てノリではなく八の字(∞)ノリになる。
なめらかに曲線を描き、流れるようなノリを生み出し、テンポの速い曲でも直線的なノリに抵抗があり、曲線的なノリのほうが上手く適応できる。
チタンのような超高速でキレのあるタイプではなく、うねるようなダイナミックな曲線的な流れを生み出す。

>音の熱さ

空間、そして音のひとつひとつが非常に熱くてエネルギッシュになる。
材質による特徴と言えばそーなのかもしれないが、熱い・・・
言葉にするのが難しく何とも言えないのがもどかしい。
あえて言葉にするなら熱い、魂がこもっているとしか言い様がない。


★PB-COUSIN

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他メーカーの同価格帯のインシュレーターと比べて特に優れていることは無く価格なりの性能を持っており、変な癖がついたり響きが殺されて音場が死ぬということもなく、無難に使いやすいインシュレーター。
ローゼンクランツの特徴である"音の流れ"はしっかりと感じられる。
"音の熱さ"はあまり感じられないが、エネルギー感のある音になるのは確かである。
なめらかで響き豊か、聞きやすく自然な音がベースではあるが、ダイナミズム、エネルギー感に優れ、ロックなども熱く聞かせてくれる。
正直このクラスではあまりローゼンクランツである必要性を感じ無い、というのが本音。


★PB-JR

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PB-COUSINと比較するとグっと解像度が上がり音質グレードはアップ。
性能的には同価格帯のインシュレーターと比較すると少し劣るかもしれない。
もっと安くて高性能なインシュレーターはいくらでも存在する。
しかし、ローゼンクランツならではの"音の流れ"と"音の熱さ"をより強く感じられるようになり、なんとも言えないエネルギッシュな音楽性溢れる音となる。
PB-COUSINに比べて特に高域方向への音の抜けが改善され、気持ちよく音が伸びていくようになっている。
解像度が上がり音が繊細に表現されるようになり、ひとつひとつの音の分離感も上昇。
響きを大事にした鳴りをしっかりと維持しながらクオリティーを高めることができている。
PB-JRではしっかりとローゼンクランツ色を感じることができる。
ローゼンクランツを味わうには最低でもこのクラスのモデルを使うと良さそうだ。


★方向性

ローゼンクランツのインシュレーターには方向性が定められている。
「A」の向きを変えることで音質が変わるとか。
実際に試してみた。

結論から言えば音は面白いように変わる。
音の抜けが良くなったり悪くなったり、低域が強くなったり弱くなったり、エネルギー感が強くなったり弱くなったり。

なぜこんなことが起こるのかサッパリわからない。
が、とりあえず音が変わるのは確認できた。
自分の好みに合わせて方向性をセッティングしてみよう。


★オマケ

余談だが、ローゼンクランツの理想とする音は私の理想の音と方向性が同じだと感じた。
響きを重視し、響きを活かして場の臨場感や雰囲気、空気感を出す。
音はビシバシに分離するのではなく、音の存在感、実在感、実体感を増すことで分離させる方向性。
作為的でない"自然"な音。
このような音を目指している人にはピッタリなインシュレーターだろう。


★まとめ

音に明快さ、明確さ、クリアーさ、高解像度、高い分離感、キレやスピード感を求める場合には向かないインシュレーター。
豊富な情報量、豊かな響き、音の流れ、エネルギー感、なめらかさといった要素を求める場合にはオススメ。
特に魂のこもった熱い音と流れるような音はローゼンクランツならではの要素なので、是非一度味わってみてほしいものだ。
性能面で見るとコストパフォーマンスは悪い。
しかし、ローゼンクランツならではの特殊な要素に大きな付加価値があるように思う。
金属インシュレーターでありながら、響きを活かす木のインシュレーターの延長上と考えていいだろう。
インシュレーターの王様と言われるのも納得。


※上位モデルPB-REXⅣはそのうち購入してインプレ書きたいと思います

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