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スピーカー、ヘッドホンとオーディオアクセサリーのレビューをメインとしたオーディオブログ。感じ取れ音楽!
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★仕様

THE SHELF 19×15

サイズ:19×15 (標準サイズ) 482×380×20(mm)
重量:5.6kg

Black Diamond Racing(ブラックダイヤモンドレーシング)社製のオーディオボード。 

c93e80d3.jpg



ブラック・ダイヤモンド・レーシング社の製品に使用される、カーボン・ファイバー素材は、「鉄」の5倍の張力、「御影石」の25倍の共振抵抗を保持しRFI/EMI等有害な、ノイズに対しても有効なシールド効果を有し、音響特性を徹底的に分析した設計により音的にニュートラルで、オーディオ・コンポーネンッが発生する不要振動をコントロールして音響的に有害な共振を制御します。従来聴くことが出来なかった、不要共振に埋もれていた音楽信号を再生し、ディテールとS/N比の向上で滑らかな音質で、鮮明な音像感と立体的で広い音場を再生します。



私はこんな説明されても「だから何?」ってタイプなので、実際に音を聞いて体感してみよう!


★インプレ

s-P1010128.jpgボードの上にm902を直置きでテスト。

まず最初に気づくのがSN比が少し上がったこと。
サンシャインシート程激変はしない。

音の響きをチェックするために低域に耳を傾けると、響きの減少を最小限に食い止めている印象。
そのため低域が大きく音痩せすることもなく、システムの音のバランスを維持できている。
本当に極僅かではあるが高域寄りにシフトするように感じるが、全くと言っていいほど気にならないレベルなので問題ないだろう。

空間がクリアーになり見通しが良くなるため、立体的な空間が広がっていく。
同じ理由から音の分離感がよくなり、各音を聞き取りやすくなる。
音の太さが減少、言い換えれば音が締まり、低域のぼわつきを抑え、高域をより繊細に表現する。

低域はより沈み込み、高域はより伸びるように感じる。

また、振動を逃がす速度が速いため?かどうかはわからないが、音の躍動感、抑揚感が若干上昇。

癖が少なく変な味付けが極めて少ないようで、良いのか悪いのかラック直置きと比べてパっと聞いてすぐわかるような大きな変化はあまり無い。
どの変化も「比較すると確かに違うな」というレベル。
バランスを大きく崩さないのはある意味優れていると言えるのではないだろうか?
癖が少ないので、刺激的な音も出ず、とても聞きやすい耳障りのよい音で長時間聞いていても疲れない。


★総評

響きとクリアーさを絶妙のバランスで実現しているなぁ、という感想を持った。
クリアーな空間にしっかりと音が響き、音の厚みも維持できているのは好印象。
ふんだんに響きを出したい人には合わないだろうが、完全に音がデッドになるわけではなく、ほぼ現状維持と言えるほど響きを残し、それでいてクリアーな方向へシフトする。
現状のシステムで「音がモヤモヤしている」と感じる人には是非試して欲しいオーディオボード。

高額なボードなだけに大きな効果を期待したいところだが、実際の変化量は微小。
しかし、この微小な変化が大きい。
小さな変化なのだが、バランス良く正当な方向に改善できるという意味で価値があると思う。

じわじわと良さが後からくるスルメのようなオーディオボード。



※関連記事

pacific audio AUDIO SPIDER SHEET(オーディオシート)

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★「Muse-Cable AC No.001」の材料

s-P1010172.jpg s-P1010146.jpg

Muse-Cable 1m(オーディオインテル) ×2 31600円
電源プラグ / IECコネクター M1 / F1(オヤイデ) 定価48300円(税込)
AIRBOW F5.5/6/CR/(Yラグ)
Ti-102(線材クリーニングに使用)
ハンダ

s-P1010147.jpg

許容消費電力を上げるため線材を二本使ったタイプ
音質的には1本の時との違いは無いと感じる

★「Muse-Cable AC No.002」の材料

電源プラグ / IECコネクター C037/P037(オヤイデ)

刺激的な音で好みでなかったため解体

★「Muse-Cable AC No.003」の材料

s-P1010179.jpg s-P1010149.jpg

Muse-Cable 1.5m(オーディオインテル) 23700円
電源プラグ / IECコネクター 330 / 350(wattagate) 定価29000円
AIRBOW F5.5/6/CR/(Yラグ)
Ti-102(線材クリーニングに使用)
ハンダ
オーグライン単線(外部アース用)

87ee7eb0.jpg


★製作方法

Muse-Cableの構造図は以下の通り


Muse_structure.gif


電源ケーブルを作る際には赤と緑をホット、白と青をコールドで使用。
本来は黒(シールド線)全てをまとめてアースになるが、ループがひとつ増え音質劣化の元になるのでアースは無しとする。

まず両端から3センチの部分までテフロンチューブを切断除去。
中心の絶縁体とシールド線を全て切断。
信号線の先端1センチほどの被膜をライターで焼き払う。
むき出しになった線材をチタンオイルでクリーニング。
クリーニング終了後、Yラグにハンダ付けする。
Yラグをプラグに取り付け完成。


★Muse-Cable AC

Muse-Cableは本来電源ケーブル用に使うような線材ではない。
信号用ケーブルであり、デジタルケーブル、アナログケーブル、SPケーブルとして使うものだ。
電源用ケーブルではないので非常に細い。
構造図を見てもらうとよくわかると思うが、信号用導体は0.03mm×18で一本。
Muse-Cable一本では消費電力許容量が20Wであるのも頷ける。(←重要、製作する人は注意)


★インプレ

驚くべきは広大すぎる音場だろう。
前後左右上下方向へ無限に広がっていく空間。
宇宙空間に放り出されたかのような錯覚に陥ってしまった。
真面目な話、自分が浮いているのかと思った程だ。
ヘッドフォンにして足元まで音が広がっていったのも初体験。

情報量はallegretto ACを上回る。
私が経験してきた電源ケーブルの中では最も多い。

無理にバランスを作らない印象を受ける。
特別低域が強いとか、高域が強いとか、中域が張り出すということはなく、いたってフラットバランス。
どの帯域も突出していないが、逆に言えば全帯域が主張してくる。

非常に繊細で細かな表現までリアルに描き出す。
ある意味解像度が高いとも言えるが、解像度とはちょっと違うような気もする。
が、とにかくこの細やかな表現力によるリアリティは驚きだ。

広大すぎる音場、リアリティある音、情報量の多さから、臨場感が凄まじい。


★総評

バランス型だが、特に音場感はずば抜けている。
Stealth Cloude Nine Fullの物理的に広さを広げるのとは感覚が違い、壁を無くすタイプ。
「広さはココまでだな」と今までは境界線をひいていたが、Muse-Cable ACではその境界線が無い。

一言で言えばUSTヘッドフォンの音であり、Muse-Cableの音。
同じような効果が見込めるが、その効果の度合いはインコネのMuse-Cable以上。

欠点は製作の難しさ。
極細の線材をプラグに固定するのは至難の業。
強度的にも不安である。

音の面ではストレート感、力強さ、迫力を出すような音ではないので、この系統の音を求めるならNG。
音場が優れている反面、全体的な重心をグっと下げるタイプでもない。
他のケーブルと組み合わせることで、このあたりのバランスは調整可能。


★「Muse-Cable AC No.001」と「Muse-Cable AC No.003」の違い

オヤイデのM1/F1を使用した「Muse-Cable AC No.001」
wattagateの330/350を使用した「Muse-Cable AC No.003」

一言で表現するなら「001はエレガント」、、「003は官能的」。

001は自然で癖の無い音。
落ち着いており気品に溢れつつも、潜在的に性能の高さを見せてくれる。
あらゆる機器に対応可能だろう。

003は艶やかで厚みがあり「ぬくもり」を感じる暖色系の音。
低域の量感が多く安定感があるが、m902のように低域を締めれる機器で使用しないと低域が制動しきれずにボワボワになる可能性がある。
001と比べると味付けが濃いが、深みや味わいを求める場合は003のほうが合いそうだ。

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サウンドカード96/8 PSTのアナログ出力とm902の内蔵DACを比較してみる。


★環境


①96/8 PST ⇒ Muse-Cable(デジタル) ⇒ m902(DAC&アンプ)

②96/8 PST ⇒ 【フォン→RCA変換ケーブル】 ⇒ Muse-Cable(アナログ) ⇒ m902(アンプ)

①ではm902側でデジタルからアナログへ変換
②では96/8 PST側でデジタルからアナログへ変換

m902の電源環境に注意。

壁コンセント:ER-PSX(Eau Rouge) 
電源タップ:SBT-4SZ(オーディオリプラス) (コンセント:ER-PSX)
壁コン~タップ:Cloude Nine Full(Stealth) 
m902:allegretto AC

①ではm902のアンプ部にのみに上記の電源の影響があり
②ではm902のDAC部とアンプ部に電源の影響があるということ


★比較インプレ

情報量はm902内蔵DAC(以下m902)のほうが若干上。
(m902と96/8 PSTの情報量の差を1とするなら、m902とDenDACの差は2)
SN比もm902のほうが上だが、これは96/8 PSTのデジタル出力が優秀なためかもしれない。
解像度は96/8 PSTのほうが上。

96/8 PSTは非常に明瞭でクリアー、メリハリがあり輪郭のあるシャープなサウンド。
96/8 PSTと比較するとm902はぼやけた音に聞こえる。

96/8 PSTは力強くエネルギッシュ、音に芯があり押し出し感がある。
m902が粘土が高くて重く、沈み込むような低域なのに対し、96/8 PSTは芯があり力強くパワフル、量感も多く、音圧をより強く感じられる低域で、電源ケーブルに例えるならEE/F-S2.6と似たような低域。
96/8 PSTの高域はエッジが立っており刺激的、繊細で全く痛さの無いm902とは対照的。
96/8 PSTは音の分離感が強く、Voもクッキリ分離、音の実在感を感じる。
一方m902は全体感が強くて響き豊か。

96/8 PSTは明瞭、クリアー、音の分離感が強く、メリハリがありシャープでエネルギッシュな力強いサウンド。
m902は空気感を感じ、全体感が強く、柔らかく優しく、深みのある落ち着いた大人なサウンド。


★総評

なぜこれほど音色に差が出たのだろうか。
全てはm902の電源環境がm902内蔵DACに及ぼしている影響によるものだと考えられる。
特にアレグレットACの特徴がm902側で強く出ている。
今回の実験結果から、DACには電源ケーブルの影響が強く乗るが、アンプにはあまり乗らないことがわかった。(しかし、これは環境によって変わってくるように思うので、私の環境での結果だと補足しておく)
なぜなら、96/8 PSTのアナログ出力によるセッティング、つまりm902のアンプ部にのみ電源環境の影響があるセッティングの場合、アレグレットACの特徴がかなり削ぎ落とされてしまっているからだ。

m902は元々モニターライクな音である。
しかし、電源環境によってこれほどまでにアナログ的な音となっているのだ。
音色は電源環境次第でかなり自由に変えることができると言えるだろう。

さて、となると、性能を比較するのに最適なのは情報量だろう。
今回の比較ではm902のほうが情報量は僅かに上回っていた。
しかし思い出して欲しい。

②96/8 PST ⇒ 【フォン→RCA変換ケーブル】 ⇒ Muse-Cable(アナログ) ⇒ m902(アンプ)

 【フォン→RCA変換ケーブル】の部分。
 96/8 PSTのアナログ出入力はフォン端子なのだ。
そのため急遽用意した安物の 【フォン→RCA変換ケーブル】を使用している。
この部分でかなり情報量をロスしているように思う。

このことを考慮して再度考えてみると、m902と96/8 PSTの性能はほぼ同等だろう。
解像度や音の分離感といった部分も含めると、96/8 PSTのほうが性能が高いと言えるが、m902も電源環境次第で96/8 PSTのような音にすることは可能であるのは過去の経験上わかっている。
ちなみにDenDACも解像度が高いと言えるような音ではなく、アナログ的な音なので、見かけの性能は低く感じるかもしれないが、出せている情報量は96/8 PSTよりもm902よりも多かった。


★最後に

一般的な意味での高音質、となると96/8 PSTのほうが上だろう。
しかし、私は圧倒的にm902の音のほうが好みである。
ただ、ロックやジャズには明らかに96/8 PSTのサウンドのほうが合う。
打ち込みも96/8 PSTのほうが合うが、女性Voはm902の音のほうが合う。

私の今までの環境(m902をDAC&アンプで使用)ではロックは聞けたものではなかった。
今回の実験の結果は「ロック用サウンド」という嬉しい副産物を与えてくれた。
96/8 PSTからのアナログ出力とデジタル出力をm902側のセレクターで切り替えて使うことで、ジャンルごとにより適正な音で音楽を楽しめるというものだ。
このあたりがm902の利便性を感じる部分でもある。

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★CV-S3.5(CV-S5.5)自作電源ケーブル

s-P1010167.jpg

材料

線材・・・CV-S3.5(藤倉電線)525円 / m
線材・・・CV-S5.5(藤倉電線)693円 / m
電源プラグ・・・P-037(オヤイデ)定価7000円(税込み7350円)
IECコネクター・・・C-037(オヤイデ)定価7000円(税込み7350円)

SFチューブ・・・外装、見た目をよくするため

高域の抜けをよくする目的でC/P-037使用
SN比の悪化を防ぐため、片側のシールド線は未接続

今回は1メートルで作成。
制作費は1万円ちょっと。


★インプレ

s-P1010170.jpgEE/F-S2.6と同系統と言える音。
馬力、エネルギー感が強く、ストレートで押し出しの強い印象。
EE/F-S2.6と比較するとバランス型で聞きやすい。
しかし、それでも癖の強い部類に入る。

音場はEE/F-S2.6より若干広く、響きもある。
音場及び音像が定位する位置はX-DC15SM [Studio Master](Harmonix)に近い。

躍動感ある弾けるような低域が特徴。
EE/F-S2.6ほどのインパクトは無いが、同種の弾けるような元気な低音を聞くことができる。

EE/F-S2.6と比較すると高域表現がなかなか良い。
艶やかさも若干ありポップス等にも十分対応できる音だと感じる。

情報量はEE/F-S2.6のほうが少し多いが、解像度はCV-S3.5のほうが高い。


★総評

s-P1010168.jpg癖は強いものの許容範囲、低域好きな人向け。
ただし低域の質に注意が必要。
深く重く沈みこむタイプの低域ではなく、エネルギー感が強く弾けるような元気な低域である。

合性が良いのはロック、ジャズ。
このタイプの音が好きならば、ポップスも気持ちよく聞けるだろう。

圧倒的な迫力を持つ低域を求めるならEE/F-S2.6。
低域を妥協してバランスを求めるならCV-S3.5。

ちなみに、CV-S5.5で電源ケーブルを製作したところ、EE/F-S2.6に酷似した音であった。

癖の強さは

EE/F-S2.6≧CV-S5.5>CV-S3.5

低域の強さ

EE/F-S2.6≧CV-S5.5>CV-S3.5


個人的にはCV-S3.5をオススメしたい。
EE/F-S2.6とCV-S5.5は癖が強すぎて使いこなしが難しい。
が、「とにかく低域にこだわる」のならアリだ。

CV-S5.5はEE/F-S2.6の1/10の値段であり、音質的には非常に似通っているので、CV-S5.5のほうがコストパフォーマンスは高いと言えそうだ。

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★EE/F-S2.6自作電源ケーブル

s-P1010164.jpg

材料

線材・・・EE/F-S2.6(オヤイデ)定価7800円(税込み8190円) / m
電源プラグ・・・P-037(オヤイデ)定価7000円(税込み7350円)
IECコネクター・・・C-037(オヤイデ)定価7000円(税込み7350円)

SFチューブ・・・外装、見た目をよくするため

高域の抜けをよくする目的でC/P-037使用
SN比の悪化を防ぐため、片側のシールド線は切断し未接続

今回は2メートルで作成。
全ての材料込みで制作費は約23000円程度。


★比較しながらインプレ

実力的に近いと感じるX-DC15SM [Studio Master](Harmonix) と比較。


★定位、音場

Vo、楽器、全ての音が前面へ張り出し、距離感はほぼゼロ距離。
そのため、どちらかと言えば平面的な空間表現となる。
凝縮された音場で、音が前方からストレートにズバっと迫ってくる感覚。
コンサートで例えるなら最前列で、目前でボーカリストが熱唱する。

X-DC15SMと比較して

距離感・・・若干近い
左右の広さ・・・若干狭い
前後の広さ・・・若干狭い
上下の広さ・・・ほぼ同等

X-DC15SMもそんなに音場感の優れたケーブルではないが、EE/F-S2.6と比較すると全ての項目で若干音場が広く、空間の広さを感じる。
X-DC15SMではVoとの距離感が多少広がり、5列目あたりから聞いている感覚になる。
EE/F-S2.6では全ての楽器が密集して演奏している感覚だったのに対し、X-DC15SMでは各楽器が少し距離をとって演奏している。


★低域~高域の特徴

高域・・・量感少ない、繊細な表現が苦手、粗い
中域・・・中域の主張激しく、若干ピーキーな部分あり
低域・・・弾けるような低域、量感、音圧に優れている

特に注目すべきは低域の質。
弾力ある低域で、躍動感に溢れロックやジャズでは最高に気持ち良い。
沈み込むような深く重い低域ではなく、元気で快活な若々しくエネルギッシュな低域。
とにかくエネルギー感が強く、音圧までも感じられる。
この手の低域では間違いなく最高レベルにあるだろう。

対してX-DC15SMは重心が低く、EE/F-S2.6よりも下まで伸びる。
安定感のある落ち着いた低域。
X-DC15SMと比べるとEE/F-S2.6はどうしても浮ついた低域だと感じてしまう。
EE/F-S2.6はインパクト重視。

s-P1010162.jpg弱点は高域。
高域は解像度が低く粗い音。
艶やかさは少なく乾いた音。
繊細な表現が苦手で、高域の伸びもいまいち。

中域は埋もれることなくよく聞こえる。
高域同様若干粗さを感じ、ピーキーな部分あり。

これらの特徴から、ロック、ジャズでは合性抜群だと感じる。


★響き、伸び

X-DC15SMと比較して

響き・・・少ない
伸び・・・少ない

あまり音は響かない。
音響的ではなく直接的にダイレクトに音を聞くタイプ。
この響きの少なさも空間が狭いと感じる原因だろう。


★基本性能

情報量・・・ほぼ同等
解像度・・・X-DC15SMのほうが上
分離感・・・ほぼ同等

情報量はほぼ同等レベルだが、X-DC15SMのほうが解像度が高いため音が鮮明にハッキリ聞き取ることができる。
各楽器の音、Voのリアリティに差が出る。


★総評

s-P1010163.jpg数本の電源ケーブルと比較してみたが、EE/F-S2.6は特に高域がウィークポイントだと感じた。
高域重視の人は不満を持つ可能性大。
逆に低域の質は素晴らしく、タイプは違うもののX-DC15SMと同等のレベルを持っている。
力感が強く音圧まで感じることができる低域はEE/F-S2.6ならではの魅力だろう。
この低域の特徴と、全体的な粗さを感じる音から、ロックやジャズとの合性は抜群。
逆に女性Voモノ、空間表現や繊細な表現を必要とするクラシックなどには合わない。

もうひとつ、音がかなり前面へ迫ってくるので、この特徴を受け入れることができるかもポイントとなってくるだろう。

X-DC15SMと比較して、「明らかに音質レベルが劣る」という感覚は無し。
それよりも音作りの完成度の高さ、音楽性といった部分で差を感じる。
ハイエンドケーブルは性能はあって当たり前、「いかに音楽性(個性)を付加させるか」という点に重点を置いている。
その音作りの完成度の高さ、音楽性に魅力を感じて高額なケーブルを買う人が存在するのだ。

EE/F-S2.6は「電源ケーブルで音が変わる」のを体験してみたい人にはオススメ。
驚きの変化を体験できるだろう。
性能は価格(材料費)のわりには高く、コストパフォーマンスは高い。
市販品の5万円前後レベルのケーブルを買うぐらいならEE/F-S2.6を使用した自作ケーブルのほうが質は良さそうである。

が!

このケーブルかなり癖が強い。
万人に受け入れられるような音ではないと断言できる。
ガッツがありストレートな音、ヘッドフォンに例えるならHD25
ロックやジャズをメインで聞く人には一度使ってみてほしいケーブルだ。
私的にも過去体験してきたケーブルの中で最もロック、ジャズに限れば合性が良いと感じた。
この鳴り方がツボにはまれば最高の逸品となるだろう。

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★ノイズ

一般に処理対象となる情報以外の不要な情報を「ノイズ」と定義するが、「ノイズ」の定義は情報の形態や分野によって変わってくる。オーディオ界においての「ノイズ」となると、「雑音、騒音、うるさい音、不快と感じる音」と定義していいだろう。例えば代表的なのが電気的ノイズであるハムノイズ(電源周波数に準じた低い「ブーン」という雑音)やバズノイズ。オーディオ用語でよく言われる「SN比(信号対雑音比)」という言葉の中での「ノイズ」が一般的に言われる「ノイズ」だと定義として問題ないだろう。

私が唱える「ノイズ」は上記の意味での「ノイズ」とは意味が異なる。それなら「ノイズ」という言葉を使うなと言われるかもしれないのだが、上手く言葉で表現することができない要素なので「ノイズ」という言葉を比喩的に使用している点に注意して戴きたい。

私の言う「ノイズ」とは

『「空気感」「雰囲気」「臨場感」といった要素そのもの』

『もしくはこれらの要素を引き出すために必要な要素』

であり、マイナスイメージではなく、むしろプラスイメージでの要素と考えてほしい。「空気感」「雰囲気」「臨場感」という言葉、又は「付帯音」「倍音」といった言葉を使用したほうが適切なのかもしれないが、それらの言葉では個人的に感覚的なズレがあるため、違和感の少ない「ノイズ」という言葉を先ほど新たに定義した意味での「ノイズ」としてこの場では使用することとする。

わかりやすいように以下の文章では

一般的な意味でのノイズを『ノイズ』

私が定義する意味でのノイズを『ノイズ』

と色分けしておく。


★SN比、付帯音、ノイズ

オーディオの世界では『ノイズ』を除去することでSN比が向上し、SN比が向上することで本来持つ音の情報がより鮮明に聞き取れるようになる。SN比改善による音質向上は根本的な部分での音質向上であり、全面的に音質が改善され(全要素の改善向上)、また「自然な音」を手に入れるためには徹底的な『ノイズ』の除去が不可欠である。これに関しては異存はなく、実際私自身『ノイズ』は徹底して排除している。

ここで「付帯音」という言葉を使わせてもらう。この場では基礎となる音にまとわりつく(付帯する)音。音と言うよりも基礎となる音が空気に溶け込んだ音の部分(実際には聞こえない雰囲気的なモノ、空気感)を「付帯音」だと考えてほしい。基礎となる音とは別の余計なモノであり、音の分離感を阻害し、細かな表現まで鮮明に描き出すのを邪魔し、解像度を落とす原因になり、粗さを感じさせる原因になる。HiFiな音を目指す時には必要の無い部分であり、ある意味「付帯音 = 『ノイズ』」と考えることも間違いとは言い切れないだろう。

SN比を向上させるということは、ハムノイズを除去するのと同時に、「付帯音」を除去するという意味も含む。私はSN比を向上させることに異存はないと先程述べたが、これには条件がある。ハムノイズは限りなく0に近づけるのが理想だろう。しかし、「付帯音」は削ってはならないというのが私の考えだ。

「付帯音」を削ることで、SN比は向上し、より解像度が高く、各音の分離感が強まり、細かな音まで鮮明にハッキリ聞こえるようになり、音の粗さが無くなり洗練され、音場がクリアーで明瞭になり、音場の広さ、奥行きをより把握しやすくなり、低域はぼわつきが減りシャープになる、といったような好結果を生む。しかし、その代償として失うのが「空気感」「雰囲気」「臨場感」といった部分だと私は感じる。

『ノイズ』の除去 = 付帯音の除去 = 「空気感」「雰囲気」「臨場感」の除去 = 『ノイズ』の除去】

となるわけで、私はこれを良しとしない。ただ、「付帯音」を削った音が恐ろしいまでに一般的な意味での高音質なのは事実。音質的に見れば『ノイズ』を除去したほうが確実に高音質だと私も感じる。しかし、私の個人的な感覚によるものではあるが、高音質ではあるものの、「どうにも音楽に没頭できない、落ち着かない音」だと感じ、違和感が大きいのである。SN比を下げれば途端に「音が粗い」「ノイジーな音」だと感じるが、全体的に音が繋がるようになり、重厚感、音の厚みが増し、体全体で感じるような「空気感」「雰囲気」「臨場感」が出てくるのである。適度に『ノイズ』を残すことで、HiFiな音とは逆のアナログ的な音を作り出すことができるのではないか。

何が言いたいのかというと、一文にまとめるならば

『ノイズ』 = 「付帯音」 = 『ノイズ』

ということ。

※ただし、『ノイズ』 の除去は必ずしも「付帯音」を削ることはなく、『ノイズ』を除去しても 『ノイズ』は維持することは可能。


★ノイズ感とリアリティ

音楽を聞く際に重要なのは「楽器の音、Voの音を正確に聞き取ること」だろう。『ノイズ』は楽器の音、Voの音を阻害する要素であり、ノイズレベルが低いほど必要な音を鮮明に聞くことができる。

生録音モノでは、動いた時に服がすれる音、鼻をすする音、咳払い、話し声などが混入してしまう。奏者の声や息づかいも同様。これらも楽器の音以外の音であり、楽器の音をマスクしてしまう『ノイズ』だと言える。

おそらくこの手の『ノイズ』に関しては許容する人も多いのではないかと予想する。これらの『ノイズ』も含めて音楽であると。言い換えれば、これらの『ノイズ』『ノイズ』とする人もいるのではないか。しかし、逆に楽器の音だけを鮮明に聞きたい、観客の咳払いや鼻をすする音などを疎ましく、不快だと感じる人もいるだろう。

私はこれらの「ノイズ」も非常に重要な要素だと考える。なぜなら、これらの「ノイズ」は「場の臨場感」、「雰囲気」、「リアリティ」を引き出す立役者であるからだ。

例えば、スタジオ録音、楽曲の音だけが録音された音源をずっと聞いているとしよう。そこに突然、背後に車が通り過ぎる音が入るとしよう。どうだろうか?車が通り過ぎる音が入った瞬間、現実に引き戻されるような、LIVE感を感じないだろうか?これと同様に、服のすれる音や咳払いなどは人が存在することを意識させられ、場の臨場感であり雰囲気、リアリティが増すのである。

私の言う「ノイズ感の重要性」は、この手の「ノイズ」の延長上だと考えてもらえるとわかりやすいかと思う。


★振動とノイズ

振動からくる「ノイズ」と電気的「ノイズ」を同列で語ることに非常に違和感があるのだが、「ノイズ」と付帯音を関連付けてしまった以上避けるわけにはいかないだろう。『★振動とノイズ』においての「ノイズ」は「付帯音」という意味で捉えてほしい。

私は『ノイズ』を故意的に残すため、必要以上の制振対策はしないようにしている。機器を全く振動させないのが最も良いのだろうか?私はそうは思わない。ある程度筐体を鳴かせることが「響き」、『ノイズ』を生み出す。世の中には筐体の鳴きまで考慮して設計されている機器もあるのではないだろうか。そのような機器には制振対策をすることで悪化する恐れもある(製作者の意図から逸れる)。

「HiFiな音」と「臨場感、雰囲気のある音」はトレードオフな関係にあり、HiFiな高音質と雰囲気や臨場感重視な音を上手く融合させるために、どこのポイントで釣りあわせるかがオーディオシステムを組む上での課題となってくる。これは環境セッティングの面白さであり、醍醐味でもある。HiFi特化な音にするのもいいだろうし、雰囲気、臨場感重視な音にするのも人それぞれ好み次第。自分にとってベストなバランスのポイントを探してみてほしいと思う。


★最後に

『ノイズ』を含めた音作り、高いレベルでの「高解像度、高SN比やクリアネスさ」と「響き、雰囲気、空気感」の両立。これは私にとって永遠のテーマとなりそうだ。

私は極端に高解像度でクリアーな音質であっても、響きや空気感が無ければ魅力を感じ無い。『ノイズ』を可能な限り減らし、高解像度でクリアーな音質を目指しつつ、同時に響きや雰囲気、空気感といった『ノイズ』を維持、増加させていく。相反する要素ではあるが、この両極端な要素をより高いレベルで両立させるべきだと私は思う。そのための方法を私は既に見つけている。

『ノイズ』を維持しつつ高音質を目指すには⇒電気的な部分で『ノイズ』を除去せよ!

電気的な部分での『ノイズ』の除去で『ノイズ』が削られることは無い。シールド効果の高いハイエンド電源ケーブルやクリーン電源の導入、内部配線のシールドや電磁波吸収材使用により徹底的に『ノイズ』を排除しよう。振動面ではなく電気的な面から『ノイズ』を排除するのが効果的だと私は経験上結論付けた。

同じ「ノイズ」という言葉を様々な意味で使いまわしてしまっているので非常にわかりにくい点は大変申し訳なく思う。「付帯音」という言葉を挟んで振動面と電気面で「ノイズ」という言葉を併用してしまっているのには個人的に違和感が大きいのだが、それぞれの項目で「ノイズ」という言葉の定義を切り替えつつ読解して戴けたら幸いである。

拍手[16回]

★インシュレーターとの組み合わせ

DAC、アンプ:m902
ヘッドフォン:USTヘッドフォン
オーディオラック:木製(タモ材)


①★サンシャインシート無し + メタルバブル

②と比較して、低域が締め上げられ多少主張してくるようになる
②より音の分離感が強い
バランスはフラット

②★サンシャインシート無し + WOOD BOY

トゲのない柔らかく優しい音、とても聞きやすい
音の分離感は弱くなり全体感が強い
低域が全体に馴染む感じ、中域が最も目立つ、バランスはフラット~カマボコ
Voが活きる
響きがあり、ふんわり優しく心地良い

③★サンシャインシート1.4mm + メタルバブル

①と比べ、実体感が増し、音の深みが増す
全体的な雰囲気、空気感が減退する
重心が低くなりどっしりと安定した低域、低域の変化は凄まじい
①と比べ繊細で細かな部分まで聞き取れる
空間がクリアーになる
バランスはピラミッド型へ

④★サンシャインシート1.4mm + WOOD BOY

③と比べると低域が弱い、若干緩くなりモコモコする
バランスはフラット~ハイ上がり
高域が主張してくるせいか、多少シャリつく感がある
常時ツンとした痛さ(黒檀の特徴?)
②と比べると音が厚く、実体感があり音の存在感が増す


★総評

最も聞きやすい音だったのは②のWOOD BOYのみ使用。
タモ材のラック、WOOD BOYの木製コンビ。
非常に耳に優しく、角の無いふんわりした心地良い音。
もっと響きが良くて痛さの出ない木材(黒檀より柔らかい木材)を使用すると更に心地良さを引き出せるだろう。

次に聞きやすい音だったのが①の組み合わせ。
サンシャインシートを使用しない場合は空気感や雰囲気を出せるので、聞きやすさの点で有利。

その次に聞きやすいのが③のサンシャインシート + メタルバブル。
タモ材のラックが下地にあり、金属+金属の組み合わせだ。
この結果は意外だった。
サンシャインシートとメタルバブルが合わさることで、金属感が増すどころか非常に有機的な深みのある音となった点が面白い。
痛さは全く無く、②や①とそれほど遜色ない聞きやすい音。
これはこれで魅力的な音だと感じる。
実体感があり、なおかつ分離感も高く高解像度で細かな音まで鮮明に描き出す。

これも意外だったのが④の組み合わせ。
タモ材のラック、サンシャインシート + WOOD BOY。
インシュレーターが木製なので、柔らかい音の方向へシフトするかと思いきや、逆に聞き疲れのするシャリつく音になってしまった。
サンシャインシートとWOOD BOYの合性が悪いのだろうか、今回の実験で最も耳に痛い音であった。
黒檀の欠点が出てしまったのか、サンシャインシートの欠点が出てしまったのかはわからないが、この組み合わせは個人的にはハズレであった。
WOOD BOYはラックに直置きが最も合性良し。

以上の結果から、サンシャインシートはメタルバブルと併用することで好結果が得られること、WOOD BOYはサンシャインシートと併用すると癖が出現することがわかった。

勿論、WOOD BOYと合性の良いボードが存在するだろうし、サンシャインシートともっと合性の良いインシュレーターもあるだろう。

組み合わせ方によって全く違った鳴り方になるのがオーディオアクセサリー。
いろいろ試してみて良い結果の得られる組み合わせを探すのもまた面白いものだ。

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★CB1 & CFRP-1

716cb3ce.jpgAcousticReviveのコンセントボードとプレート。
ボードはA2017ジェラルミン製、プレートはカーボン製。

結論から言えば音質の変化を感じることができなかった。

事前に集めた情報から、ボードによって安定感があり迫力ある音になり、プレートによってスッキリクリアーな音になったような気がしないでもないが、プラシーボレベルの範囲内でハッキリわかるほどの変化は感じられない。

正直、購入前から音質UPは期待していなかった。
コンセントボードやプレートで音が変わるとは思っていなかったし、音質UPするにしてもヘッドフォンじゃ効果が確認できるほど変化ないだろうなぁ、と思っていた。
まぁでも、コンセントの見た目がクールビューティーになったので満足だ。

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P1010138.JPG型番:SRS-4040(SR-404 + SRM-006t)
メーカー:STAX

メーカー製品紹介ページへ

型番:SR-404
形式:エレクトロスタティック型プッシュブル
再生周波数帯域:7 - 41,000Hz
感度:100dB/100V r.m.s.
静電容量110pF
ケーブル長:2.5m
質量:約475g



コンデンサー型はダイナミック型とは鳴り方が異なっており、ダイナミック型の鳴り方に鳴れた耳では非常に違和感を感じます(勿論違和感を感じずすんなり受け入れられる人もいるでしょう)。まずはこの鳴り方に慣れる必要があるように思います。私はコンデンサー型特有の鳴り方を受け入れる(心の整理がつく)のに2時間近く費やしました(初めて音を鳴らした時は「なんだこれ、微妙・・・」と落胆したものの、音に慣れながらコンデンサー特有の鳴りの良さを考え自分の中で消化することで不満は解消しました)。

P1010137.JPGダイナミック型は音の粒ひとつひとつにエネルギー感が感じられ、力感や実体感、ダンピングが効いてて迫力あるサウンドを聞かせてくれるのに対し、コンデンサー型では肩の力をスっと抜いたようなリラックスした音で、全体的にサラサラとした音、ゆったり音楽に浸るような印象を受けます。
ダイナミック型ではいくら頑張ってもコンデンサー型の鳴り方を再現するのは無理でしょうし、逆にコンデンサー型がいくら頑張ってもダイナミック型のような鳴りを出すことはできないでしょう。同じヘッドフォンという括りでなく、完全に別物として捉えてもいいのではないか?と思えるぐらいに根本的な部分で鳴り方が違っています。

SR-404の装着感はまずまず良好。イヤーパッドの質感は悪くなく、頭頂部も痛くならないのですが、ヘッドフォンを付けているという感覚が結構強いのが唯一の難点でしょうか。あと、夏場はかなり蒸れる点も注意が必要です。

情報量、解像度、共にトップクラス帯に属するレベルを有しており、とても細かな音まで拾ってくれます。ダイナミック型では「微細な音までエネルギーが伝わり微小音がよく聞こえるようになる」といった感覚を受けるのに対し、コンデンサー型では「普通に細かな音まで聞こえて当たり前」的な、さも当然かのように微小音まで再現します。

以下は「SR-404 + SRM-006t」でのインプレとしてご覧ください。おそらくドライバー(やその他環境)によって鳴り方が変わってくるはずです。

P1010141.JPGあまりハッキリと音を分離して聞かせるタイプではなく全体で鳴らす印象で、サラサラと繊細な音でありながら、部分的に見たときの細繊さを全体的に見たときの厚みと密度感によってカバーし感じさせず、温かみのある心地良い音です。SRM-006tの発熱量も凄まじく、身体的にも温かみ十分です。バランスはほぼフラットと言っていいでしょう。私的には低域は量感たっぷりで必要十分出ていますし、高域の量感も過不足なく、Voもしっかり聞こえ、非常にバランスのとれたサウンドです。音が近いが、外方向への音の広がりが抑制されることが無い点は好印象。音が近い点が功を奏し、Voを近くでリアルに聞き取ることができます。音が近いのを良しとするかどうかは人それぞれだとは思いますが、Voメインで音楽を楽しみたい場合には適しているように思います。ただひとつVoにおいて気になるのが声の擦れが確認できること。ダイナミック型でのサ行のキッっとするような痛さではなく、言葉どおり「擦れる」といった感覚で、痛さを伴うことはないのでそれほど気にならないと言えば気になりません。

P1010144.JPG全体的に音に締まりがなく、メリハリがあり輪郭のハッキリした音ではありません。これは音がクッキリ分離しない点にも直結している要素でしょう。コンデンサー型である限りこの点は妥協し、逆に良さだと考えて楽しむべきだと思います。この「全体感」はコンデンサー型だからこそ味わえる優位な特徴であり、「音にどっぷり浸る」という感覚はUSTヘッドフォンをも凌駕します。ただし、この特徴からロックにはあまり合わないように思います。音の立ち上がりが早い点はロックを聞くにあたって好材料なのですが、どうにも綺麗に鳴りすぎてしまうのが逆効果です。ロックを聞くときに重要なエネルギー感や躍動感といった部分はやはりダイナミック型のほうが出せるように思います。また、ほぼ同様の理由から打ち込みにはロック以上に合わないように感じました。逆に、クラシックではこれ以上に上手く表現できるヘッドフォンは無いのではないか?と思えるほどに相性抜群で、上位機種のΩ2はクラシックを鳴らすことに限れば絶対王者だろうなぁ、と想像できます。ただし、クラシックでも迫力ある音を求めるとなるとダイナミック型のほうが向いているので、一概に「STAX=クラシック」と言い切れない部分もあります。このあたりは好みの差としか言いようがありません。クラシックを筆頭に、生楽器によるポップスも合性が良く、刺激が無く綺麗に聞かせてしまうもののジャズもなかなか上手く鳴らせます。

AKGのK1000ほどではありませんが、限りなく味付けの無い素の音だと感じます。例えば音の艶やかさに関して言えば、人工的な艶ではなく「人工甘味料を一切使用してない天然甘味料のみによるお菓子」といった具合の嫌味の無い艶です。響きに関しても同様で、必要以上に音が響くことは無く適度な響き具合です。

とにかくサラサラした繊細な音であるのが最大の特徴。これはSR-404の特徴と言うよりもコンデンサー型ヘッドフォンの特徴でしょう。正直、使いどころは結構限定されてしまうかもしれませんが、はまれば音楽の世界にどっぷり浸ることが可能です。ドライバーとセットでそこそこの値段しますが、それだけの価値はあるように思います。ダイナミック型でも高性能な機種は多く存在するので、性能面にはそれほど大きな魅力を感じません。STAXのヘッドフォンの最大の魅力は性能部分ではなく、コンデンサー型特有のエネルギー感を強く感じさせない力の抜けたリラックスできる音でしょう。この音を求めているのか否か、この鳴り方が好みなのか否かが重要になってくると思います。購入する際には一度実際に聞いておいたほうがよさそうです。

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